call 〜人と人のつながりが生まれるお店〜

call 〜人と人のつながりが生まれるお店〜

青山通りの表参道交差点近くに「スパイラル」というビルがあります。
川島屋百貨店

call

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建ってからもう30年が経っているのに、「スパイラル」がちっとも古びた感じがしないのは、建築デザインの持っている力と、訪れる人たちの雰囲気に拠るところが大きいと感じます。

さまざまな展覧会やイベントが行わる「スパイラルガーデン」や「スパイラルホール」、楽しい生活雑貨が並んでいる「スパイラルマーケット」、1階にある「スパイラルカフェ」など、多面的な顔を持っている施設で、独自のイメージを発信しているという意味では、東京でも数少ない場のひとつと言っていいのではないでしょうか。

その5階が「call(以下、コール)」という店に生まれ変わりました。以前はフランス料理のレストランだったところです。

全体を手がけたのは皆川明さん率いるミナ ペルホネン。服を中心に、家具や雑貨など、幅が広く奥行きも深い仕事をしていると、仰ぎ見る存在です。そして、この空間を創り上げたのは中原慎一郎さん率いるランドスケーププロダクツ。家具や雑貨を扱う「プレイマウンテン」や、カフェの「タスヤード」といったお店を運営しながら、家具やお店の企画やデザインも行っています。

抜群のセンスと技を持った両者が一緒になって、どんなお店が生まれるだろうとワクワクしていたのですが、予想に違わずチャーミングな場が登場しました。

「コール」という店名には、人を呼び寄せる、ものを呼び寄せるという意味を込めたそう。“これまで出会ってきたプロフェッショナルな仲間達と一緒にものを作り、紹介する場であるとともに、人と人のつながりを作っていく店”という思いを託したといいます。

並んでいるのは、服、食器、生活雑貨、家具、インテリア用の布といった、暮らしを取り巻くさまざまなもの。一画には、野菜やグローサリーを売っている小さな場もあり、カフェ「家と庭」もあります。

何よりユニークなのは、働き手の人たちが20代から80代と幅広いこと。高齢の人と若手が力を合わせ、お客に対応して働いている姿は、今まであまり、見たことがない光景です。高齢の方の知恵が若手に、若手のエネルギーが高齢の方に――助け合う姿勢が、清々しい空気をもたらしています。

お店の人とおしゃべりしながら、それがつながって、お客同士がおしゃべりしたり。豊かな気分を味わえる店です。
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オープン時間:11:00-20:00(カフェ「家と庭」L.O.19:30)無休
問い合わせ先:call
TEL:03-6825-3733
川島蓉子 かわしま・ようこ
1961年新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科終了。ifs未来研究所所長。ジャーナリスト。多摩美術大学非常勤講師。