里山十帖 〜心の贅沢を感じる宿〜

里山十帖 〜心の贅沢を感じる宿〜

年に数回は、地方にある宿を訪れることにしています。
川島屋百貨店

里山十帖

里山十帖
いわゆる高級旅館やラグジュアリーホテルではなく、一軒だけでやっていて、店主の思いがいっぱい詰まっているところに――。先日は、新潟県南魚沼市にある「里山十帖」というところを訪れました。
以前から良い噂をたくさん聞いていて、一度は行ってみたいと思っていたのです。生まれ育った新潟県、それも、お米がおいしい南魚沼にあるということで、期待満々で訪ねました。古民家をリノベーションした宿で過ごした一泊は充実したひとときでした。

「里山十帖」という名称は、「里山で始まる十の物語」に由来していると、社長を務める岩佐十良さんから教えていただきました。食・住・衣・農・環境・芸術・遊・癒・健康・集う、という十のテーマにもとづいたこだわりが、宿のあちこちに散りばめてあるのです。
黒光りする太い梁と柱がどっしりした空間、地元の食材をふんだんに使って工夫を凝らした食事、ひと部屋ひと部屋異なるインテリア、随所に配されているユニークなアート、絶景をのぞめる露天風呂――数え上げればきりがありません。

「里山十帖を作った想いを一言で表現するなら『Redefine Luxury』、つまりラグジュアリーの再定義ということ。見る、聞く、眺める、くつろぐ、食べる、寝るといった“体験と発見”にこそ、本当の贅沢はあると考え、運営している宿なのです」と、岩佐さん。それは、特別感ではなく誰にでも開かれた贅であり、心や体がワクワクして喜ぶことがふんだんにあること——「里山十帖」で過ごして、そう感じました。

考えてみれば、贅沢とは頭や身体だけでなく、心で感じるものではないでしょうか。炊き上げたばかりの新米の甘さ、温かく静謐なロビーやダイニングの空気感、雪国の厳しさをたたえた大自然へのささやかな畏怖、モダンな家具やアートがさりげなく配された客室の心地良さなど、ここならではの体験と発見は、豊かな思い出となり、心に残っていくに違いありません。

今度は家族でゆっくりしようか、実家の母を招いて二人で過ごそうか、一人でじっくり原稿書きに来ようか、あれこれ想像するだけで楽しくなるのでした。

里山十帖
里山十帖
価格:1泊2食 26,800円〜(税別・入湯税別)※2名利用時のおひとり料金
問い合わせ先:里山十帖
TEL:025-783-6777
川島蓉子 かわしま・ようこ
1961年新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科終了。ifs未来研究所所長。ジャーナリスト。多摩美術大学非常勤講師。