歯磨きの時間や回数・正しい磨き方を知ってる?食後30分後説はウソ!?

歯磨きの時間や回数・正しい磨き方を知ってる?食後30分後説はウソ!?

虫歯予防には「正しい歯磨き」を食後などのベストタイミングで行うことが大切。平均歯磨き時間が不十分といわれる現代人に、おすすめの理想の歯磨き時間や回数、歯ブラシの使い方もご紹介します。歯科で治療を繰り返すその虫歯の原因は間違った歯磨きにあり!?

歯磨きにみんなどれだけ時間かけてるの?

あなたは毎日歯磨きをしていますか?1日3回?2回?それとも1回だけ?
家族はどうでしょう…?お子さんがいる方でしたら、子供も歯磨きの習慣はついていますか?

「正しく歯磨きをすること」の大切さはわかっているつもりでも、実際の回数や頻度には様々な意見があり、どれが正しいのかわかりにくいですよね。

また、どのくらいの時間磨くのがベストなのかあまり知らないまま「なんとなく磨いている…」という人も多いようです。ブラッシングの仕方を指導されることはあっても、大人になると歯磨き時間を指示されることはあまりないですよね。

では皆さんはどれくらいの時間歯磨きをしているのか調べました。


 ■約半数が歯磨きに3分未満しかかけていない現実

ある歯みがきの平均時間と回数の調査によると…、歯みがきの平均回数は1日1回は20%ほど、1日2回が50%、1日3回が20%とのこと!
だいたい1日に2回磨いている人が8割近くを占めているようです。中には「毎日磨かない」という人も全体の2%ほどいるようですが、お口の環境が気になりますね。

また、1日3回以上磨く人は女性の3割、男性では2割弱と、女性の方が歯磨き頻度は高いことがわかりました。

次は気になる平均歯磨き時間。これにはあまり男女差は見られませんでした。最も多いのは1分〜3分未満の人で全体の約45%、次いで3分〜5分未満の人が約35%。10分以上磨くという人は約5%で、決して多くないようです。

約4%を占める1分未満の人を合わせると、全体の約半数の人が歯磨きには3分未満しかかけていないことがわかります。

この時間は長いのか、短いのか…そして歯の健康のためには適切なのでしょうか?

理想の歯磨き時間はどのくらい?

平均して半数の人の歯磨き時間は、3分未満というデータがありました。ですが大半がそうであっても、それが正しいとは限りません。虫歯はもちろん、強く健康な歯を守っていくための理想の歯磨き時間はどのくらいなのでしょうか?


 ■鏡の前で10分~15分が理想

「3分で充分」「最低5分は必要」「20分以上かけて念入りに」など色々な意見がありますが、「しっかり歯垢を落とせる歯磨き時間の理想」は10分〜15分だそうです。
まず、上下ともに永久歯が生えそろっている人なら、全部で28本の歯があるはずです。正しい歯磨きとして、鏡を見ながら1本につき最低10回〜20回小刻みに動かす必要があります。20回動かすのにおよそ10秒として、すべての歯の表側を磨くのに280秒、つまり5分弱かかる計算になります。そして裏側を同じように1本10秒ずつかけて磨いていくと、合計およそ10分かかりますよね。

「じゃあ10分以上、長ければ長いほどいい歯磨きなの?」と尋ねられれば、答えはNO。長すぎる歯磨きは歯に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。

長く磨きすぎると、歯のエナメル質が傷ついたり剥がれたりしてしまいます。一見硬く見える歯ですが、思っているよりもデリケートなのですね。力の入れすぎも同様に歯を傷めてしまいますし、歯茎も傷つきます。

長すぎず短すぎず、理想の10分〜15分を守って磨くことで、健康な歯が保てるのです。


 ■15分は厳しい…「ながら磨き」はダメ?ちゃんと磨けていればOK

10分〜15分が理想と言っても、鏡の前に立って15分歯を磨き続けるというのはなかなか大変なもの。特に忙しい朝の15分は貴重ですから、テレビを見たり支度をしながらの「ながら磨き」ができれば時間短縮になる…とは誰もが思いますよね。ながら磨きはOKでしょうか?それともNG?

実は「ながら磨き」には、歯科医師の中でも反対派と賛成派の二つの意見があります。

「ながら磨きをしていると、自分では磨けているつもりでも1本1本きちんと磨けていないことが多いので、鏡を見ながらきちんとチェックすることが大切」というのが、「ながら磨き」反対派の意見。

対する賛成派は、「洗面所で15分立って歯磨きをするというのは誰でも苦痛なので、ついつい早く終わらせてしまいがち。それならテレビを見たりお風呂に入ったりしながらでもいいから、15分間磨く習慣をつける方が大切」と言っています。

いずれにせよ、目的は「きちんと磨くこと」ですから、「ながら磨き」でも鏡の前磨きでも、自分に合ったやり方でいいのではないでしょうか。ながら派ならたまには歯垢染色剤(通称:染め出し)を使ったり、仕上げに鏡を見てしっかり歯垢が落とせているかチェックする習慣をつけたいですね。

歯磨きのベストタイミングって本当はいつがいいの?

理想の歯磨き時間は1回10分〜15分とわかったところで、次は歯磨きのベストタイミングについて見ていきましょう。「いつ」磨くかも、磨き方や磨き時間と同じ、それ以上に大切なポイントです。


 ■食後30分後に磨くといい説はウソ!?ほとんどの人は即磨こう

「食後30分は歯磨きをしない方がいい」という説を聞いたことがありますか?これは本当であり、ウソでもあります。なぜなら、口の中の環境は人それぞれですから、この説が当てはまる人もいれば当てはまらない人もいます。

そもそもこの説は、食後の口内環境に由来しています。食事をすると、口の中にいる細菌が食べ物に含まれている糖をエサにし口の中を酸性に変えます。すると歯のエナメル質がとけ出しやすくなる脱灰(だっかい)が起こり、歯が傷つきやすい状態になってしまうそうです。この状態は時間とともに口の中がアルカリ性に戻ることで、再び硬いエナメルになっていくのだとか。

そのため、酸性の飲食物や胃酸などによって歯のエナメル質が薄くなる「酸蝕症」の人は、食後30分〜1時間はエナメル質がもろくなっている可能性大。そのため歯磨きを避けた方がいいのですね。

ですが、大半の人は、この酸性の時間を短くするためにも早く歯磨きをして口腔内の糖を取り除くことの方が大切で、歯の健康のためにも効果的です。つまり今歯に問題がないのであれば、食後すぐに磨くのがベスト。


 ■歯磨き回数は最低朝夜2回、理想は5回

  
食後はすぐに磨くべき、ということは3回の食事ごと、つまり1日3回が正しい歯磨き回数なのでしょうか?昼は外出していたり仕事中であったりして磨けないこともありますが、実は重要なのは昼食後の歯磨きではないのです。

少なくとも朝と夜の2回磨くことは必須ですが、歯の健康のためには、歯磨きをする時間帯も大きく関わってきます。夕食後の歯磨きもさることながら「就寝前の歯磨き」がとても重要なのです。

眠っている間には歯垢が増えやすく、口の中の細菌が繁殖しやすくなっています。朝の口臭やネバつきがあるのはこのためです。就寝前に食べかすをもう一度きれいに磨き、細菌の繁殖を抑えることで虫歯になりにくくなります。

それでも細菌の繁殖を完全に抑えることは不可能ですから、起きてすぐの口の中はネバネバしています。夜に溜まった歯垢を落とし、口をスッキリさせてから朝食をとり、その後にもう一度磨くというのが理想です。


 ■時間がない!朝食前と朝食後にしなきゃいけないの?

しかし朝起きて15分の歯磨きをし、朝食の後にもう一度15分磨くというのは「時間的に無理!」という人も多いですよね。そして朝2回磨くと磨きすぎになり歯を傷めてしまう危険性もあります。

時間短縮もできて歯への負担も少ない方法として、朝起きてすぐのうがいを取り入れてみましょう。うがいだけでも口の中のベトつきは落ち、気になる臭いもなくなりスッキリします。そして朝食後に丁寧に15分間の歯磨きをする方法がオススメです。

正しい歯磨きの方法とは?

歯の健康のためには、1回15分程度の歯磨きを1日2回から5回行うことが重要ですが、肝心の歯磨きの仕方が間違っていれば、この時間と頻度を守っても効果は期待できません。

大人でも正しく磨けている人は少ないと言われます。正しい歯磨きの方法をもう一度おさらいしてみましょう。


 ■歯ブラシの持ち方と力の入れ方

まずは持ち方から。強すぎず弱すぎず、適切な力で動かせるようにするため、ペンを持つ時と同じ握り方をします。

鏡の前で磨いてみて、ブラシの毛先が大きく開いているのならそれは力を入れすぎています。かといって歯の間に入り込まないほどの弱い力では、歯と歯の間の歯垢をかきだせません。


 ■歯ブラシの角度が重要

歯に歯ブラシが直角に当たるように当てましょう。この角度が悪いと「磨いているつもりなのに歯垢が落ちない…」ということに。1本の歯に対して20回程度細かく動かして、隣の歯へ移動していきます。この時いつも「歯に対して直角になっているか」を確かめながら進めていくのがポイントです。

奥歯や歯並びが悪い箇所などは、斜めにブラシを入れるようにして、きちんと歯に毛先が当たるように意識しましょう。


 ■デンタルフロスがおすすめ!歯間は歯ブラシではとれない

歯科医の多くはデンタルフロスの使用を勧めています。歯と歯の間にたまった歯垢は、歯ブラシだけではなかなか落としきれません。そして虫歯の多くは歯間に残った食べかすが原因ですから、歯ブラシとデンタルフロスを併用するのがいいでしょう。

デンタルフロスは、歯と歯の間に通して、根元から5回程度かきあげるようにして使います。デンタルフロスを歯ブラシにプラスした場合、歯垢除去率は20%も上がると言われています。子供用フロスもあるので、家族全員でデンタルフロスを習慣づけたいですね。


 ■歯茎のマッサージと舌も磨く

口内環境を整え、安定した歯をキープするためには、歯茎と舌も大切です。健康で強い歯茎を作るためには、血行を良くして引き締め作用もあるマッサージが効果的。

届きにくいところは歯ブラシを使っても構いませんが、基本的には歯茎を傷つけないよう指を使います。歯磨き後、手をきれいに洗ってから、円を描くようにくるくる指でマッサージしていきます。5往復するくらいで十分。強くこすると歯茎を傷めてしまうので、ソフトに行いましょう。

また、たいていの人は、舌の上に白いものが付いていると思います。これは舌苔(ぜったい)と呼ばれる汚れで、つまり歯垢と同じです。細菌も繁殖してしまうので、舌も磨いておきましょう。ただし歯ブラシでゴシゴシこするのはNG。舌を傷つけてしまいます。できるだけ舌掃除専用の舌ブラシや舌ベラを使いましょう。


 ■ 歯磨き粉の使い方

日本人の約40%がペースト状の歯磨き粉を使っているといわれています。ですが、どんな歯磨き粉をどのくらい使うのがベストなのでしょうか。
虫歯予防か歯周病予防か、目的によって歯磨き粉に含まれている成分は異なります。自分の目的にあった歯磨き粉を選びましょう。市販の虫歯予防用歯磨き粉によく使われているフッ素には、汚れを落ちやすくする石鹸のような役目があり、歯を強くする役割もあるそうです。
いずれにせよ、過度に研磨剤が含まれているものは歯を削ってしまいますので、注意が必要です。

歯磨き粉の量ですが、歯磨き粉をほんの少ししかつけないと、洗浄効果も歯を強くする効果も十分に発揮できません。1センチから2センチ程度歯ブラシにのせましょう。


 ■歯ブラシの交換頻度も大事

今使っている歯ブラシを見てみてください。毛先が開いていませんか?いつ交換したか、覚えていますか?

ついつい長く使ってしまいがちな歯ブラシですが、毛先が開いてきたら交換しましょう。目安としては1ヶ月に1本、意外と消耗が早いんです!
それよりもずっと早く毛先が開いてしまうなら、磨く時に力が入りすぎているのかもしれません。注意してみてくださいね。
  

時短!歯磨きの時間がない人へのベストな方法

1回15分の歯磨きを4回行えば、1日に歯磨きに費やす時間はなんと1時間!
忙しいこの世の中で、どのくらいの人がこれを毎日実行できているでしょう・・・「そんな人いない!」という声が聞こえてきそうですね。

それでは「時間がない、でもきちんと磨きたい!」という人への時短テクニックやアイデアをご紹介していきます。


 ■歯磨きの順番を決めて効率的に

なんとなく磨きはじめて不規則にダラダラ歯ブラシを動かしていると、時間がかかるだけでなく、いったいどこを磨いてどこが磨けていないのかわからなくなってしまいます。その結果同じところを何度も磨いてしまって時間を無駄にしたり、「時間はかけたのにきちんと磨ききれていない」という残念な結果に。

磨く順番を自分で決めておくことで、ムダなく効率的に磨くことができます。


 ■磨き残しやすいところを知る

誰でも磨き方のクセがあります。そしていつも見落としているところや、磨き残しがある箇所があることが多いのです。舌で歯を触ってヌルヌルしていると感じれば、そこは磨けていません。きれいに磨けている歯は表面がツルツルです。

鏡の前で普段通りに磨いてみて、チェックしてみましょう。歯垢染色剤で歯垢残りを確認することで、磨き残しやすいところを知ることができます。


 ■電動ハブラシを活用

電動ブラシは、自分ではうまく磨けない人や時間を短縮したい人には便利なアイテムです。振動式・回転式・音波式・超音波式などいろいろな種類があり、機能も価格も異なります。一般的に細かな汚れが取れやすく、力を加減する必要もあまりないので、簡単に歯のケアができますね。

ですが、「お任せできる」と電動ブラシを過信してしまい、雑になり磨き残しが多くなりがちなので気をつけましょう。普通の歯ブラシと併用することで、全体をくまなくきれいにすることができます。また押し付けすぎると歯を傷める原因になりますし、一箇所にばかり当てていては磨きすぎで歯が削られてしまいます。

またホワイトニング用や研磨剤が多く含まれている歯磨き粉を使うと、歯を磨きすぎで危険です。便利ではありますが注意点も考えて使えるとベストですね。


 ■最低限!うがいとガムで代用

仕事中など「どうしても歯磨きできない!」という時の対処法として、うがいがあります。水やお茶などを口に含んでゆすぐだけである程度の食べかすは洗い流せます。ジュースなど糖分を含むものは避けましょう。また、炭酸飲料でうがいをするのは、酸性のためエナメル質が弱くなる脱灰が起きやすくなるのでNGです。

また、ガムを噛むのも、歯磨きできない時には効果的です。ガムを噛むと唾液が大量に分泌されるので、口の中を清潔に保つ力がアップします。細菌の繁殖を抑えるためには、キシリトール配合のシュガーレスガムがオススメです。

自分では限界がある!定期的に歯医者さんへ

「正しい方法で、必要な時間と頻度を守って歯磨きをしている!」つもりでも、実際に毎日の歯磨きだけで歯垢を100%除去することは、たとえ歯科医にとっても難しいことです。

特に歯磨き方法は、正しく「歯科医」や「歯科衛生士」に指導を受けることで、自分の間違った磨き方や注意点などをあらためて知ることができます。歯磨き指導というと子どものためのようなイメージがあるかもしれませんが、大人も一緒に家族で指導を受けてみましょう。

半数以上の人が1年以上歯の定期検診を受けていないともいわれています。そして虫歯があるかどうかわからない人や、治療を受けていない人も半数近くにのぼります。

虫歯の予防や虫歯の原因を知るためにも、定期的に歯医者の診察を受けることが大切なんですね。

まとめ:キレイな歯をいつまでも!虫歯予防にはやっぱり歯磨きが基本

毎日なんとなくくり返していた歯磨き。虫歯予防には、やはり毎日の歯垢をしっかり落として細菌の繁殖を防ぐための「正しいタイミングで行う、丁寧で効果的な歯磨き」が基本ですね。

虫歯のないキレイな歯をいつまでも保つためにも、歳を取っても健康な自分の歯で食べるためにも、大人も子どもも一緒に歯磨き時間と方法を見直してみましょう!

関連記事