Vol.4_細川貂々のうつが教えてくれたこと

「うつ」が教えてくれたこと ~ツレのこと、そして自分のこと~

映画化もされた『ツレがうつになりまして。』の著者、細川貂々さんに「ツレがうつになったことの意味」や「うつが教えてくれたこと」について伺いました。
細川貂々の「「うつ」が教えてくれたこと」

ツレがうつになったことに意味があるって、どういうこと?

うちの場合はツレがうつ病という病気になったことで、「自分の生き方が間違っているんじゃない?」と教えてもらったような気がするんです。

ツレも私もあんまり「生きる」ということが何なのかを考えてきませんでした。 ただ惰性で生きて「あーあー、なんかいいことないかなあ」「つまんないなあ」って文句を言いながら生きていました。うつ病を経験したことで「普通に健康で生きていられるってスゴイことなんだ」というのを教えてもらえました。それは私達の人生ではとても大きな経験だったと思います。

今は「元気に生きられている」ということ自体がシアワセなことだということと、今出来ることを後悔のないように精一杯やっていくことを大事に生きるようにしています。
ツレがうつになったことの意味とは

ツレのうつ前、うつ後

ツレはうつ病になる前は前向きでプラス思考だけど、常に「なんとかして勝ち組に入らなくては人間としてダメだ」みたいなところがありました。大人になるということはこうでなくちゃいけない。男とはこうでなくちゃいけない。そういう枠にガチガチに縛られて生きていました。

病気をした後は、そういう考え方が全部自分を苦しめてきたというのがわかって、枠にとらわれないで自分が楽に生きられる生き方をしようとしています。それから、以前は弱い人の気持ちがわからなかったのですが、今は弱い人の気持ちがわかるようになりました。

トゲトゲして四角ばってた人のトゲや角が取れてきて、まあるくなってきた感じです。私は今のツレの方が好きです。

うつが教えてくれたこととは?

私自身もツレのうつ病を経験して人生が変わりました。ずっとマイナス思考で生きてきて「どうせ、何やったってうまくいくはずないし」と言うのが口癖だったのですが、家族が病気の時にこの言葉を言っていると自分自身を追い込んでしまうというのがわかったので、言葉からプラス思考になる努力をしました。「だいじょうぶ。きっとうまくいく」それを口癖にしたことでだんだん気持ちも軽くなってきて、自分にも自信がつくようになってきました。

そしたらどんどんいろんなことが良い方向に向かって進むようになりました。周りの人にも「ずいぶん変わったね」「素敵になったね」と言ってもらえるようになりました。何より「キレイになったね」と言ってもらえることが一番うれしいです。内面は表に出るのだなと実感しています。
■Profile
イラスト・漫画・文/細川貂々
漫画家、イラストレーター
ツレの闘病生活を描いた『ツレがうつになりまして。』をはじめ、『その後のツレがうつになりまして。』『7年目のツレがうつになりまして。』『イグアナの嫁1~3』ほか、著書多数。
病気は大変なことですが、ツレがうつになりその意味を見いだせたことは、もしかしたらとても幸せなことといえるのではないでしょうか。
もし今、苦しい生き方をしていると感じているなら、自分なりの生き方を見つけることが、人生を輝かせる近道になるかもしれません。

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