落ち込んだら「気」に注目。香辛料でもできるメンタルケア

落ち込んだら「気」に注目。香辛料でもできるメンタルケア

わけもなく気分が滅入る、落ち込んじゃう人に。「働く大人の女の子のごほうびマガジンROLA(ローラ)」より、医師が漢方薬による心のケアを教えます。
心の不調に「漢方薬」・落ち込むのは「気」が問題?

漢方医学は実にシンプル。落ち込み・うつは「気」が問題

漢方薬って、なんとなく難しいというか、ややこしいイメージがあります。

「現代医学のほうが複雑ですよ。たとえば心の不調とひとくちに言っても、神経系・免疫系・内分泌系に分かれます。それぞれを個々に説明することはできても、その部位や働きを理解するだけで大変なことになるでしょう? つまり患者さんにわかりづらい。 でも、漢方医学では非常にシンプル。心の不調とは、要は『気』の問題なんです」と話すのは、芝大門いまづクリニックの今津嘉宏先生。

ストレスがどうとか、脳の中のナントカ物質が足りないとか、そういう話じゃないんですね?

「漢方医学で最もシンプルな考え方のひとつ、『気・血・水』で言えば、心の不調は主に『気』に問題があるということなんです。気分が落ち込む、気が気じゃない、気になる、気に障る、気分屋、気うつなど、すべて『気』の異常ととらえるのです。簡単でしょ?」

あら、本当にシンプル。そしてわかりやすい。病気の名前で薬を決めるわけじゃないんですね。

「病名をつけて終わり、じゃないんです。たとえば、うつ病の薬は症状を緩和するだけで、うつ病の原因を解決するものではありません。高血圧の薬も同様、血圧を下げる薬であって、血圧が上がる原因を解決するものではないでしょう? 漢方薬はもっと根本を治すことを目指すものなのです」

漢方医学はセルフケアも可能!?

気の問題でも、実際にはいろいろな症状がありますよね?

「もちろん、気の異常にもいろいろな種類がありますから、その日の状態に合わせて選んでいきます。たとえば、うつ病でも、気が足りていないときは、気を補う人参(にんじん)や黄耆(おうぎ)を使います。気の調節が必要なときは、厚朴(こうぼく)、柴胡(さいこ)、蘇葉(そよう)を使います。『半夏厚朴湯』(はんげこうぼくとう)がよく効きます。気が滞っている場合には、気を巡らせる陳皮(ちんぴ)、枳実(きじつ)、桂枝(けいし)を使います。『香蘇散』(こうそさん)や『桂枝湯』(けいしとう)が有効です」

種類も組み合わせも豊富なんですね。それに、なんだかおいしそうなイメージも……(笑)。

「漢方薬の成分はもともと草根木花で、いわば料理にも使う香辛料ですからね。蘇葉はシソの葉、陳皮はミカンの皮、桂皮はシナモンですから。ちょっと心が不調なときには、お刺身のツマのシソを食べる、あるいはスタバでラテを飲むならシナモンをたっぷり加えればいい。漢方医学はセルフメディケーションも可能なんですよ」

なるほど! 何か落ち込むようなことがあったときは、シナモンラテにしてみよう……って、単純すぎますか?

「それくらい気軽なものととらえてもらっていいと思いますよ。自分で自分の体を調節できるのですから。それでダメなら病院へ行きましょう、という話でいいと思うんです」

心がちょっと疲れたなー、しんどいなーと思ったら、心療内科や精神科の受診を考えるのが普通ですが、漢方外来の専門医というのもアリなんですね。

「ハードルも低いと思いますよ。ぜひ漢方薬をファーストチョイス(第一選択)&心のファーストエイド(応急処置)にしてみてください」
■Profile
今津嘉宏先生
芝大門いまづクリニック
http://imazu.org/
應義塾大学医学部外科学教室助手、同大学漢方医学センター助教、麻布ミューズクリニック院長などを経て、開院。日本胸部外科学会認定医、日本外科学会認定医・専門医、日本東洋医学会専門医・指導医。著書に『89.8%の病気を防ぐ上体温のすすめ』などがある。
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