生理前のイライラは「血」が原因? 婦人科でもおなじみのケア

生理前のイライラは「血」が原因? 婦人科でもおなじみのケア

月経前や更年期の女性特有の感情の起伏に悩まされていませんか?「働く大人の女の子のごほうびマガジンROLA(ローラ)」より、婦人科でもおなじみの漢方薬を紹介します。
心の不調に「漢方薬」・生理前のイライラにも効果的?

女性特有の感情のアップダウン、 月経前症候群は漢方薬が 得意中の得意!

生理前にイライラしたり、落ち込んだり。女の人は気分の乱高下を日々体感していますよね。

「それも漢方薬は得意なんです。西洋医学で言えば、女性ホルモンの変動に関連する症状なのですが、漢方医学では『血の道症』と呼びます。『気・血・水』の血に問題がある、と考えるのです」と話すのは、芝大門いまづクリニックの今津嘉宏先生。

これもシンプル! 女性ホルモンの話はよく聞くし、多くの人が気になっているところですが、実際はホルモンのしくみが複雑すぎて、よくわかっていない人も多いんです!

「女の人は初潮を迎えて閉経するまで、女性ホルモンが大きく変動しますからね。年単位で分泌量が変わるだけでなく、2週間単位でもバランスが変化していますから、それだけ心も体も過酷な状況にあるわけです。血の問題と考えると、非常によく効く漢方薬が3つあります。婦人科でもよく使いますよ」

その3つ、ぜひ教えてください!

「ひとつは『桂枝茯苓丸』(けいしぶくりょうがん)。血の異常を改善する漢方薬で、月経前症候群から更年期症候群まで、幅広い世代の女性に効果があります。もうひとつは、『当帰芍薬散』(とうきしゃくやくさん)。これは血と水の異常をカバーしてくれるので、自律神経系の症状もある人に有効です。睡眠障害の改善にも効果を発揮します」

いずれも冷えを改善する効果が高く、女性には最適なのだとか。

「最後に『加味逍遥散』(かみしょうようさん)。これは気と血の異常をカバーする漢方薬で、不安やイライラなど、ストレス症状に効果的です」

この3つがあれば、「女の一生、安心」と言ってもおかしくない?

「人それぞれの体質もありますし、効果の出方は異なります。改善しない場合は抑肝散(よくかんさん)や五苓散(ごれいさん)、薏苡仁(よくいにん)などを適宜加えていくこともありますが、まずは漢方専門医に診断してもらうとよいでしょう」

乳がん・子宮がんのケアにも

この3つの漢方薬、心の不調だけでなく、実は女性特有のがんの治療にも使われているそうです。

「乳がんや子宮がんには、女性ホルモンに反応して増えるタイプがあります。ところがこれらの手術後に、女性ホルモン療法を行うことがあります。果たしてそれでいいのでしょうか? 僕が外科で漢方薬治療を始めたのは、その疑問がきっかけだったのです」

そこでさっきの3つの漢方薬が登場するんですね。

「漢方薬は臓器に対しても、血中ホルモン濃度に対しても、がん細胞を増やすことはありません。これは科学的にも立証されています」

漢方薬はがんそのものに対して治療効果があることと、実はもうひとつ、大切な役割があるのだとか。

「たとえば乳がんの患者さんは乳がんで苦しむのではなくて、乳がんになったことで苦しむんです。手術で乳房を失う、あるいはホルモン療法で更年期症状が出ることで苦しむんです。再発するかもしれない恐怖感でも苦しみます。この心の不調をケアできるのも、漢方薬の大きな役割なのです」
■Profile
今津嘉宏先生
芝大門いまづクリニック
http://imazu.org/
應義塾大学医学部外科学教室助手、同大学漢方医学センター助教、麻布ミューズクリニック院長などを経て、開院。日本胸部外科学会認定医、日本外科学会認定医・専門医、日本東洋医学会専門医・指導医。著書に『89.8%の病気を防ぐ上体温のすすめ』などがある。
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