【医師に聞く!】大人の肌荒れの正しいケア法・おすすめ食材&食事法

【医師に聞く!】大人の肌荒れの正しいケア法・おすすめ食材&食事法

大人の肌荒れが悪化したらクリニックに相談が必須ですが、そうなる前に自分でケアしたいですよね。千春皮フ科クリニック院長の渡邊千春先生の全面協力の元、正しい生活習慣やスキンケア法、おすすめの食材や食事法まで総合的な対処法を教えていただきました!
教えてドクター! 保存版!大人の肌荒れ対策を徹底解説 渡邊千春先生

大人の肌荒れの正しい予防法・ケア方法 <乾燥対策・化粧品かぶれ編>

大人の肌荒れを放置するとシミやシワなどの原因にもなると聞きました。ひどくなってしまったらクリニックに相談することが大切とのことですが、そうなる前に自宅でできるスキンケア法や生活習慣で気を付ける点などについてアドバイスをいただけますか?

「大人の肌荒れを予防するには、日ごろからのしっかりとした対策が重要です。まずは、乾燥と化粧品かぶれの対策についてアドバイスします。

◆生活習慣における乾燥対策
肌は季節にも左右され、花粉症や気温の変化で肌荒れする場合もあります。また、『紫外線』、『エアコン』、『空気の乾燥』によって角層の水分が奪われやすくなるので、『こまめな保湿』をこころがけ、空気の乾燥する季節では加湿器を使用しましょう。

『入浴』や『適度な運動』は血液の循環を良くして、肌の新陳代謝を促進します。しかし、入浴後に手入れをしないでいると水分が減少してしまうので、入浴後は『保湿』を行ってください。

◆スキンケアにおける乾燥対策
メイク落としや洗顔は、たっぷり泡立てて、やさしく撫でるように行います。洗顔後はすぐにたっぷりの『ヒアルロン酸やセラミド入りの化粧水』を塗り、『美容液を手のひらでやさしく浸透』させていきます。さらに『クリーム』や『オイル』で潤いのヴェールを作り、しっかり保湿しましょう。
また、ファンデーションは『保湿効果のあるタイプ』を選んでください。

◆化粧品かぶれ対策
新しい化粧品を使用する際は、簡単な『パッチテスト』を行うとよいでしょう。その方法ですが、入浴後に(直後は避けて)二の腕の内側に化粧品を塗り、24~48時間経過した後に異常がなければ顔に使用してください。それでも心配な場合はフェイスラインに少量塗って様子をみましょう。

化粧品かぶれを起こしてしまった場合は、患部を触ったりこすったりせず、使用した化粧品を洗い流し『水で冷やして』下さい。また、紫外線や飲酒、激しい運動、入浴など体の温まることは避けましょう。
化粧品かぶれを起こした化粧品を使用し続けると症状が悪化することがありますので、すぐに使用を中止し、できるだけ早く『皮膚科を受診』してください」(渡邊先生)

大人の肌荒れの正しい予防法・ケア方法 <紫外線対策編>

「大人の肌荒れ予防には、紫外線対策も重要です。

◆生活習慣における紫外線対策
紫外線対策、予防は毎日の積み重ねが大切です。曇りの日でも紫外線は予想以上に肌に届いています。曇りの日や暑くない日も油断せずに、
・2~3時間おきに日焼け止めを塗布
・日傘や帽子、サングラスなどを使用してください。

SPF(UVB予防目安)は日常生活であれば『SPF20~30でPA(UVA予防目安)++』、海や山など長時間紫外線に当たるときは『SPF50でPA+++以上』を目安に選ぶようにすると良いでしょう。
また、最近では『シトラス成分が主体の飲む日焼け止めサプリ』もありますので、ご自身のライフスタイルに合わせて取り入れるとよいでしょう。

◆スキンケアにおける紫外線対策
日焼け止め効果のあるベースメイクと紫外線防止効果のあるファンデーションで防御しましょう。紫外線を浴びたときは、『保湿ケア』を心掛け、炎症を起こしダメージを受けた角層の潤いを補いましょう。
メラニンの増加を抑え、美白作用、抗酸化作用のある『ビタミンC』の補給も心がけましょう」(渡邊先生)

大人の肌荒れの正しい予防法・ケア方法 <ニキビ対策編>

「ニキビ対策となる生活習慣やスキンケア法をお教えします。

◆生活習慣におけるニキビ対策
『ストレス』や『睡眠不足』はホルモンバランスを崩す原因に、『便秘』は腸内環境を崩す原因になりニキビを悪化させます。『ゆとりのある生活』、『バランスの良い食事』、『食物繊維』をしっかり摂取することを心がけましょう。
出来てしまったニキビは、触ったり、つぶしたりしないようにしましょう。『頭髪が肌を刺激』してニキビが悪化することがありますので、額を前髪で隠したり、顔に毛先がかかったりしないように気を付けましょう。
また、洗髪、洗顔時に生え際やフェイスラインなどの洗い流しが十分にできていないことも、ニキビが悪化する原因になりますので、『すすぎ残しがないようにする』ことも大切です。

◆スキンケアにおけるニキビ対策
肌を清潔に保つことが基本です。洗いすぎると肌に負担をかけるので、1日に何回も洗顔するのはよくありません。『1日に2~3回丁寧に洗顔』し、毛穴に詰まった汚れや皮脂を取り除きます。
化粧は必ずしもニキビに悪いわけではありませんが、『化粧をしている時間をなるべく短く』するように気をつけましょう。
いずれのニキビでも油分を多く含んだ乳液やクリーム、カバー力のある油性のファンデーションなどは、毛穴をふさぎやすいので避けて、『油分の少ないもの』に切り替えてください。

最も大切なのは、クレンジングできちんと化粧を落とすことです。化粧品は『ノンコメドジェニック』で低刺激なものを選び、さらに肌質を考えて、
・乾燥している人は『保湿力のあるもの』、
・皮脂が多い人は『皮脂を落とすタイプのもの』
・皮脂も白ニキビ(面皰)も多い人は、『マイルドなピーリング効果のある石鹸』
をおすすめします」(渡邊先生)

肌荒れを防ぐ・肌荒れしたときに摂取すると良い食事法<レインボーフード>

「肌荒れを防ぐには、やはり、『バランスの良い食事』が大切で、さまざまな食品=『レインボーフード』のチョイスが美肌につながります。レインボーフードとは、以下のような7色を意識した食材のことで、これらを中心としたバランスの良い食事を心がけましょう。

◆赤:高い抗酸化作用で老化を抑制
   トマト・人参・赤パプリカ・りんご・イチゴ・スイカ・さくらんぼ・鰹・カニ・エビ・鮭

◆黄:活性酸素を除去してシミ・黒ずみなど色素沈着を予防
   かぼちゃ・黄パプリカ・バナナ・グレープフルーツ・オレンジ・レモン・マンゴー・卵

◆緑:貧血防止、免疫力UPで強いお肌に
   ブロッコリー・アスパラガス・ピーマン・ほうれん草・小松菜・キャベツ・にら・キウイ・おくら

◆紫:眼精疲労、アンチエイジング効果
   なす・紫キャベツ・皮付さつま芋・ブルーベリー・巨峰・いちじく・ざくろ・あずき

◆黒:美肌に必要な成分が満載
   黒ごま・黒豆・黒米・こんにゃく・プルーン・レーズン・昆布・のり・わかめ・もずく・めかぶ

◆茶:腸内環境を整えてデトックス
   きのこ類・ごぼう・味噌・納豆・玄米・アーモンド・豚肉・牛肉

◆白:皮膚のバリア機能を高める
   たまねぎ・大根・カリフラワー・かぶ・長芋・生姜・白身魚・鶏肉・豆腐・ヨーグルト

また、『腸内環境を整える』ことも重要です。腸内環境が良好だと、
・美肌に必要な栄養素をしっかり吸収できる
・腸内細菌がビタミンB群を作りやすくなり、肌細胞が元気に育つ
・自律神経のバランスが整い、血行不良になりにくい
・病原細胞や異物を排除できる
というように肌だけでなく、体全体に良い作用をもたらすと考えられています。これにも先ほどのレインボーフードを意識した食事法がポイントになります」(渡邊先生)

肌荒れを防ぐ・肌荒れしたときに摂取すると良い食材

「先ほどレインボーフードでもご紹介しましたが、ここでは、それぞれの食材に含まれている成分に注目して、肌荒れに良い食べ物についてアドバイスします。

◆アスタキサンチン…『鮭』『いくら』『カニ』『エビ』などに多い
赤色の天然色素で、数あるカロテノイドの中でもビタミンEの約1000倍とも言われ、『抗酸化作用』が強いことで知られています。ビタミンC と一緒に摂取することで吸収率がUPします。

◆ポリフェノール…『ブルーベリー』『クランベリー』『大豆』『ごま』『赤ワイン』『コーヒー』などに多い
植物の苦味・渋味・色素の成分となっている化合物の総称で自然界に5000種類以上存在しているといわれ、『抗酸化作用』と『抗菌作用』があります。体内で約3~4時間しか効果が持続せず、蓄積することができないためこまめに摂取しましょう。

◆たんぱく質
人間の体は約20%をたんぱく質が占め、そのうち皮膚は70%がコラーゲンで作られています。たんぱく質はアミノ酸の重合体なのですが、必須アミノ酸は食事でしか摂る方法がありません。
コラーゲンは複数のアミノ酸で構成されているたんぱく質です。コラーゲンを食べても、直接肌のコラーゲンになるわけではありませんが、コラーゲンの材料であるたんぱく質が不足していては、美肌に近づくことはできません。
なお、コラーゲンを作るのにかかせないのがビタミンCです。水に溶けやすく排泄されやすいため、毎食取りたい栄養素です。ビタミンCを摂ることで鉄分の吸収率もUPします。

◆脂質
ターンオーバーが行われる、表皮のうち、角質層と呼ばれる部分では細胞と細胞の間が脂質で埋められています。さらに水分の蒸発をふせぐため、肌表面を皮脂膜が覆っています。このようにダイエットには大敵と思われがちな脂質ですが、美肌にとってはとても大切な役割を果たしています。

脂質の構成成分は『飽和脂肪酸(バター・マーガリン・肉の脂)』と『不飽和脂肪酸(オメガ3:アルファリノレン酸・オメガ6:リノール酸・オメガ9:オレイン酸)』に分けられ、『不飽和脂肪酸』は食事からとる必要があります。それぞれバランスよく摂取することが大切です。
特にオメガ3は髪や爪、皮膚の角質や粘膜を強くする作用があり、肌荒れを改善し美肌効果があります。ナッツ類や青魚に含まれますが、熱に弱い性質があるので亜麻似油やしそ油から摂取すると良いでしょう。抗酸化力のあるビタミンA・C・Eと一緒に摂ることをお勧めします。 

◆ビタミンA…『モロヘイヤ』『人参』『ほうれん草』などに多い
『肌のターンオーバー』、『新陳代謝を促す』働きがあります。

◆ビタミンC…『赤ピーマン』『黄ピーマン』『芽キャベツ』などに多い
『コラーゲンの生成』や『抗酸化作用』、『メラニン色素沈着防止』などの働きをもっています。『タンパク質』と一緒に摂るとコラーゲンの生成が効果的で、『鉄』と一緒に摂ると鉄の吸収率がUPします。

◆ビタミンE…『アーモンド』『いくら』『オイル漬いわし』など多い
血行を促進して『肌の新陳代謝を高め』、『抗酸化作用』、『色素沈着も予防』します。脂溶性ビタミンのため『油』と一緒に摂ると吸収しやすくなります。

◆ビタミンB2…『納豆』『舞茸』『モロヘイヤ』などに多い
脂質や糖質やたんぱく質の『代謝』に欠かせません。『健康的な皮膚や髪や爪』を作り成長を促します。

◆ビタミンB6…『まぐろ』『かつお』『鶏肉』などに多い
たんぱく質(コラーゲン)・アミノ酸の再合成に欠かせません。女性ホルモンのひとつエストロゲンの代謝に関わり『ホルモンバランスを整える』働きがあります。

◆葉酸…『枝豆』『モロヘイヤ』『芽キャベツ』などに多い
ビタミンB12…『しじみ』『あさり』『丸干いわし』などに多い
たんぱく質の合成を促す働きがあり、『ターンオーバーを促進』します。赤血球の生成を助ける働きもあり、血液を作り出す働きが『くすみのない血色の良い肌』を作るのにも繋がります」(渡邊先生)

渡邊先生から教えていただいた食材はどれも身近に手に入るものばかりなので、早速はじめられそうですよね。仕事で忙しくて「完璧には実践できない!」という方も、生活の中でちょっと意識して、コンビニで選ぶサラダや外食のメニューのチョイスを変えてみるだけでも違ってくるのではないでしょうか。

渡邊先生によれば、「偏食」や「急激なダイエット」、「糖質(炭水化物)や脂質、刺激物、加工品の食べすぎ」、「不規則な食生活」も肌荒れの原因となるので気をつけてほしい、というアドバイスもいただきました。

毎日の食事や保湿による乾燥対策、日焼け止めなどの紫外線対策といったことは、どれも何となく知っていたけど、怠ってしまいがちなことなのかもしれません。これからはしっかり生活に取り入れて「大人の肌荒れ」を卒業しませんか。
■監修
渡邊 千春 先生
千春皮フ科クリニック 院長

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