汗をかかないのは損?怖い病気かも・・・7つの症状と14原因&改善法

汗をかかないのは損?怖い病気かも・・・7つの症状と14原因&改善法

「暑くても汗が出ないとラッキー!」ではなく、発汗異常は体温調節ができなくなったり肥満・冷え性になったりと体に様々な影響を及ぼします。原因は病気?それとも運動不足や冷房・乱れた食生活による汗腺の退化?発汗を促す効果的な改善方法もご紹介。

汗をかかないのは得なの?損なの?

「汗」は、いつも多くの人たちの悩みのタネですよね。メイクも崩れるし、脇に汗ジミができて恥ずかしいし、ニオイだって気になります。でも、「汗が出てしまうこと」だけでなく「汗が出なくて」困っている人、いませんか?

汗が出すぎて困っている人からすると、「汗が出ないなら面倒がなくていいじゃない!」と思ってしまいますが、汗が出ないことは様々な危険な症状を引き起こすこともあります。そもそも、どうして汗が出なくなってしまうのでしょうか。予防や改善にはどんなことが効果的なのでしょう。

体のためには、「できるだけかいた方がいい」汗。詳しく見ていきましょう。

汗をかかないとおこる危険な症状!

1、熱がこもるので熱中症に

人間は、高くなった体温を下げるために汗をかきます。肌の上で汗が蒸発することで肌の表面温度を下げる働きがあるのです。つまり汗が出ないと体温調節ができず体内に熱がこもり、この状態を「うつ熱」と呼びます。

うつ熱になると体温調節が難しくなるので熱中症になりやすくなり、重症化しやすい傾向が。

2、体臭が強くなる

熱を下げることができなくなった体は、代謝を落とすことでなるべく発熱しにくい状態を作ろうとします。代謝機能が低下すると、体内にある有害物質や動物性脂肪の分解が十分に行われません。

するとニオイの原因が残っているため体臭が強くなり悪化し、ようやくかいた汗はキツイ臭いを放ちます。

3、肥満体質になる

代謝が低下すると、エネルギーを少しでも体内に蓄積しようとするため痩せにくい体質になり、脂肪の蓄積した肥満になりやすくなります。

4、免疫低下し病気になりやすくなる

基礎代謝が落ちている=エネルギー不足の状態。つまり免疫力も低下します。また体温調節ができなくなると自律神経の働きが低下することでも免疫力が下がり、感染症などにかかりやすくなってしまいます。そのほかにも動悸や息切れ、不眠やイライラなどの症状も。

さらに感染症にかかった時も、高熱が出ているにもかかわらず汗がかけず回復が遅くなります。

5、冷え性になりやすくなる

発汗量が減ると、体の熱を冷ますことがしづらくなります。代謝を落として発熱量を減らそうとするのですが、汗が出ないということは体内に不要な水分が蓄積するということ。尿として排出されるまでの間体内にとどまることで体を冷やし、低体温症になります。

冷え性、低体温症になると汗腺が開きにくくなるためさらに発汗量が減る…という悪循環も。

6、むくみやすくなる

本来汗として排出されるべき水分が体内にとどまるため、むくみの原因になり体重も増えます。代謝を良くしなければ常にむくんだ状態になってしまうでしょう。

7、肌トラブルがおきやすくなる

汗によって皮膚の温度を下げることができないため、皮膚の温度が上昇し肌トラブルが起きやすくなります。

また、肌の表面で汗と皮脂が混ざることで、細菌や乾燥などから皮膚を保護する機能があるのですが、このバリア機能が損なわれることも肌の不調の原因に。具体的にはニキビやかゆみなどが現れます。

汗をかけない原因は?

「私はもともと汗をかきにくい体質だ」と言う人がいます。確かに能動汗腺(実際に汗を出す穴)の数は3歳までに決まると言われますが、汗腺の数が多ければたくさん汗をかくわけではありません。むしろ能動汗腺の「質」によって大きく左右されます。

汗をかかないことは生まれ持っての体質によるのではなく、生活習慣が原因の場合と、病気が原因の場合に分けられます。

1、冷房の使いすぎ

冷房がしっかり効いた部屋で過ごしていると、汗をかくどころか体は冷える一方。すると「体を冷やさないように」と、なるべく汗を出さないよう命令が働きます。

体の防衛本能によって汗が出なくなっているのです。

2、汗腺の退化

先述のように、能動汗腺の数は3歳頃までに決まります。この頃にあまり汗をかかないで過ごすと、能動汗腺の数が極端に少なくなってしまい、その後成長しても増えることはありません。

増えはしないのですが、少しのことで退化してしまうのが汗腺。冷房の中にばかりいたり、後述する運動不足や食生活の乱れなどの生活習慣によって、汗腺は十分に働かなくなってしまいます。

すると汗が出ないだけでなく、汗の質もベタベタした臭いのあるものに。

3、水分摂取不足

慢性的に、水分摂取量が足りていない場合も。汗をよくかく人に比べて意識的に水を飲むことを忘れがちなため、さらに汗は出にくくなります。夏でも冬でも、私たちの体は1日1.5リットルから2リットルの水を必要としています。

4、運動不足

運動不足になると、活動量が下がり代謝機能が低下します。代謝が下がれば体温が下がるので、汗をかかないことでなんとか低体温になるのを防ごうとする作用が働きます。

また有酸素運動などが十分に行われないことによる、筋力の衰えも一因。筋肉量が少ないと、基礎代謝、つまり運動などをしていなくても内臓などによって消費されるエネルギーの消費が下がってしまい、体温が上がりにくくなり、汗をかきにくくします。
男性は女性に比べて筋肉量が多いため、比較的汗をたくさんかく人が多い傾向にあります。

5、食生活の乱れ

体を冷やす、冷たい飲み物や食べ物ばかりを口にしていませんか?夏は暑いので特に氷の入った飲み物やそうめんなどを体に入れる機会が増えますが、これらは体内から体を冷やしてしまうため、新陳代謝が低下してしまい汗も出にくくなります。

6、ストレス

「汗をかくこと」に対して、過剰なストレスを抱えている場合も、汗をかきにくくなります。汗をかいたら恥ずかしい、臭いが気になる…そういった汗への嫌悪感が、「汗が出ないでほしい」「汗をかきたくない」という意識になり、体がその意識に反応して汗をあまりかかなくなることも。

7、加齢による老化

老化に伴い、体の水分量が減るため脱水の傾向が強くなり汗は減っていきます。また筋肉量や基礎代謝も低下し、新陳代謝も落ちますし、冷えなどの症状も現れます。すると、これまで活発に活動していた能動汗腺も退化して、どんどん発汗量が減っていくのです。

室内にいるのに熱中症で亡くなる高齢者が後を絶たないのは、こういった理由があるためです。

8、自律神経失調症

発汗をつかさどる交感神経は、自律神経の中にあります。この自律神経に不調が生じると、適切なシチュエーションで汗が出なかったり、逆に異常な量の汗が出る「多汗」になることもあります。

生活習慣の乱れやストレスが引き金になって発症するので、これらにフォーカスした対処が必要です。カウンセリングなども効果的。

《発汗異常以外にみられる症状》
・頭痛
・倦怠感
・便秘や下痢
・嘔吐
・めまい
・微熱
     など

9、甲状腺疾患

喉の近くにある甲状腺から分泌する「甲状腺ホルモン」は、全身の代謝を上げる働きを持っています。甲状腺機能低下症になると、甲状腺ホルモンの分泌が極端に不足するため、代謝が下がり体温のコントロールがうまくいきません。逆にバセドウ病などにより甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると多汗症状が現れます。

甲状腺ホルモンを服用することで症状は改善します。

《発汗異常以外にみられる症状》
・全身の倦怠感
・眠気
・むくみ
・乾燥肌
・物忘れ
・便秘
・脳の活動低下

        など

10、無汗症(むかんしょう)

本来汗をかくべき環境にあっても全く汗をかくことがない疾患が「無汗症(むかんしょう)」。全身の発汗がない「全身性無汗症」と、一部分のみ汗をかかない「局所性無汗症」とに分けられ、さらに原因により先天性のものと後天性のものに分けることができます。

先天性無汗症の原因は遺伝子の機能不全によるものであると近年判明しており、後天性のものは中枢神経・脊髄神経・末梢神経・そしてエクリン汗腺のいずれかに異常があるとされています。

ステロイド治療や免疫抑制剤の投与などによる治療が一般的です。

また、無汗症ほどではないけれど発汗量が極端に少ないものを、乏汗症(ぼうかんしょう)と言います。

《発汗異常以外にみられる症状》
・全身のほてり感
・脱力感
・疲労感
・頭痛
・皮膚の痛み
      など

11、腎臓疾患

血中の有害物質をろ過する腎臓に障害が起きると、毒素がどんどんたまり「尿毒症」になります。すると自律神経に異常が起きたり汗腺の萎縮が現れるため、汗をかきにくくなる症状が。腎臓機能が通常の30%を下回ると「腎不全」と診断されます。

食事療法、薬物療法、場合によっては人工透析などで治療を行います。


《発汗異常以外にみられる症状》
・尿の色や泡立ちなどの異常
・頻尿もしくは乏尿(排尿回数が極端に少ない)
・血圧の上昇
・血糖値の上昇
・むくみ
           など

12、高血圧

高血圧状態が続くと、動脈硬化が起こることで血流が悪化します。すると血中の有害物質をろ過する機能がうまく働かず、腎臓疾患と同じく尿毒症に。

まずは生活習慣を見直し、必要に応じて食事療法や運動療法、また降圧剤を用いた薬物療法を行うこともあります。

《発汗異常以外にみられる症状》
・頭痛
・めまい
・耳鳴り
・夜間尿
・むくみ
・動悸
・胸の痛み

           など

13、糖尿病

ホルモン異常により、ブドウ糖をエネルギーに変換できない疾患が糖尿病。糖尿病になると血糖値が上がり、糖尿病性神経障害により末梢神経が正常に機能しなくなります。すると交感神経の働きがにぶくなり汗をかきにくい状態に。場合によっては逆に多汗になることもあります。

食事療法と運動療法を行い、改善しない場合は血糖降下剤を服用する場合もあるでしょう。

《発汗異常以外にみられる症状》
・疲労感
・倦怠感
・体重の変化
・頻尿
・口が渇く
・手足のしびれ
             など

14、前ガン症状

ガンの前兆として、器官が肥大したり変形したりすることがあります。すると発汗情報の伝達を担う「アセチルコリン」という交感神経の神経伝達物質の働きが弱くなり、汗が出にくくなってしまうのです。

治療法としては薬物療法・放射線療法・免疫療法・造血幹細胞移植などが挙げられます。

《発汗異常以外にみられる症状》
部位によって様々


汗がでない以外にも症状がある場合は勝手な判断はせず、病院に相談しましょうね。

予防対策にも!適度に汗をかけるようにする改善方法とは?

汗がかけないと体に様々な悪影響があります。適度にいい汗をかけることは、健康を保つ上で非常に大切。体の外から改善する方法と中から改善する方法を効果的に行って、汗のかける体になっていきましょう。

1、ゆっくりと入浴する

夏や面倒な時などシャワーだけで済ませる人も多いのではないでしょうか。ですがお湯にゆっくり浸かることは、内臓を温め新陳代謝を高めるために非常に有効です。

コップ一杯の水を飲んでから、37度程度のぬるま湯で半身浴をするのがオススメ。上半身の発汗が促され、機能が低下した汗腺のトレーニングになります。発汗を促す入浴剤を使うのもいいでしょう。

2、適度な空調に気をつける

現代はどこでも空調が整っていて、汗をかくことが減っています。極端に設定温度を下げることは避け、なるべく外気温との差を5℃程度にすると汗腺の活動をさまたげず、少しずつ汗が出る体に。

3、寒い部屋ではカイロなどで温める

オフィスなど自分で空調の温度が設定できない場合も、カイロを貼ったり一枚羽織ったり、膝掛けを使うなどして体を温めましょう。特にお腹を温めるのが効果的。冷房病になるのも防げます。

4、適度に運動して汗をかく習慣をつける

運動を生活の中に取り入れて、汗をかく習慣を身につけましょう。運動することによって筋肉量が増すので、血液の循環が良くなり代謝改善につながります。

まずはエレベーターよりも階段を使う、一駅分歩くなど身近なことから始めてみては。

5、甘いものを控える

体を冷やす食べ物は、氷の入った飲み物や冷製の食事など「温度が低い食べ物」とは限りません。

甘い砂糖にも体を冷やす作用があります。なるべく砂糖の使用は控え、どうしてもというときは白砂糖(サトウキビ)ではなく、砂糖大根から作ったてんさい糖がおすすめです。寒い土地で取れる砂糖大根なら、体を温める効果が期待できます。

6、冷たいものを控え温かいものを食べる

白砂糖を控えても、キンキンに冷えたものを口にしていては、体は冷える一方。夏は氷を入れた飲み物が恋しくなりますが、常温か温めて飲むことで冷えを防げます。

そのほか、生姜に代表される体を温める食材も取り入れましょう。体を温める食材の目安として、「黒っぽいもの」を意識して。例えば白米よりも玄米、白身魚よりも赤身魚、白ワインよりも赤ワイン…といったように、使用する食材に気を配るだけで冷えは少しずつ改善されていきます。

7、スパイスなど辛い食べ物を食べる

発汗を促す食材には、生姜の他にも各種スパイスがあります。例えば唐辛子に含まれている「カプサイシン」には、脂肪を燃焼し代謝をよくする働きがあるので、食べている時にすぐ汗が出てきます。

ナツメグやシナモンなどいろいろなスパイスを日々取り入れて、美味しく改善を目指しましょう!

病気かも?っと思ったらすぐに病院へ

生活習慣を見直して、改善方法を試しても一向に汗が出ない…。他にも体の不調が気になる…。

そんなときは、迷わずすぐに病院へ。まずはかかりつけ医を受診し、場合によっては専門家の正しい診断を受けましょう。

適度に汗をかくことが体には必要

「汗をかかないなんて女優さんのようでいいな!」と思われがちですが、汗には体温調節を行い皮膚を守り、また自律神経にも大いに関係して体を正常に保つ役割があります。

汗をかかないことは決していいことではなく、早急に対応すべきこと。自分の食生活や暮らしを見直し、適度にいい汗をかきたいですね。

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