食べてすぐ寝ると太るって嘘だった?食事と睡眠の本当のトコロ

食べてすぐ寝ると太るって嘘だった?食事と睡眠の本当のトコロ

当然のように信じていた「食べてすぐ寝ると太る」説。実は食後横になって休む事は消化を助け、タイミングや時間次第ではダイエットや健康維持に効果が。長時間の睡眠・夕食直後の就寝などのNG行動や胃液の逆流などの病気の危険性を知り「寝て痩せる」体に!

食べてすぐ寝ると太るの?痩せるの?

「食べてすぐ寝ると牛になるわよ!」子供の頃そう言われて育った人もいるのではないでしょうか?
食べる、寝る、食べる、寝る…と繰り返していると確かに牛や豚のように太りそうですが、このフレーズはむしろ「食後すぐゴロゴロすることの行儀の悪さ」を戒(いまし)めるための言葉。

実際のところ、食後に寝ることが健康維持やダイエットに「効果的」ということがわかっています。ですが寝方やタイミングがとても大事なポイント。食べてすぐ寝ることのメリット・デメリットや理由を紐解いてみましょう!

食べてすぐ寝ると痩せる条件とメリット

ダラダラして悪いイメージしかなかった「食べてすぐ寝ること」は、このような理由からダイエットにオススメです。

1、夕食後はNG!昼食後はOK

「食べて寝る」と言っても、1日3回の食事ごとに寝ればいいわけではありません。食後の仮眠にダイエット効果があるのは、「昼食後」のみ。

昼はその後も日中の活動によって、取り込んだエネルギーを消費できます。しかし夜はその後のエネルギーの消費が少ないため体に余分な脂肪分を溜め込んでしまうので、要注意です。

また次で詳しく説明しますが、夜は昼に比べて太りやすい時間帯。夕食後すぐに寝るのはNGです。

2、10~20分の軽いノンレム睡眠でスッキリ

昼間であっても、30分以上長時間眠ってしまうと、その後の活動に影響します。私たちは入眠後30分くらいで深い睡眠である「レム睡眠」に入り、浅い眠り「ノンレム睡眠」と交互に繰り返していきますが、レム睡眠中は起きるのが難しくかえって体に負担に。10〜20分程度であればまだノンレム睡眠の段階なので、寝覚めもスッキリです。

この短めの昼寝は体力を回復する効果が高く、集中力がなくなりがちな午後の活動効率を高めてくれます。

3、消化を助けてくれる

食べてすぐ体を動かして、胃が痛んだ経験はないでしょうか?それは消化するために必要な血液が胃に集中できず、消化がうまくいかないためです。また食後に眠くなるのは、胃に血液が集まるぶん頭にまで行き渡らないから。

しっかり胃を働かせて消化を促進するためにも、体を動かさず横になって少し休むのは効果的。血液が胃に集まって消化を促すことができます。寝る向きは体の右側を下にして横たわると、左から右にカーブして小腸へ続くという胃の構造上、より消化を助けることができます。

4、基礎代謝をあげてくれる

心臓や胃腸といった臓器の働きなど、人が生きていくために必要で、何もしなくても寝ていても消費するエネルギーが「基礎代謝」です。食後に横になって消化を促進すると、基礎代謝が高まるため消費されるエネルギーが増え、結果的にダイエットにつながります。

中でも肝臓は基礎代謝の多くを消費するので、肝臓にどれだけ血液を流し活発に動かすかがカギ。頭と足を少し高くして寝ると肝臓に血が集中しやすくなります。肝臓に「今、体は睡眠中」と認識されて休息状態にならないためにも、やはり横になるのは「20分程度」がベストです。

5、ノルアドレナリンにはダイエット効果がある

脂肪分解を促進するホルモン「ノルアドレナリン」。集中力や判断力を増し、脳を覚醒させやる気を出す効果がある脳内ホルモンです。これはリラックスしている時に働く自律神経のひとつである「副交感神経」が優位な時には、分泌が少なくなります。

そのため無理に食後の眠気を我慢するよりは、少し休んで頭をスッキリさせた方が「交感神経」が優位になり、ノルアドレナリンのその後の分泌が増して脂肪分解を促してくれるでしょう。

長時間の睡眠ではノルアドレナリンの分泌は減りますが、食後「10〜20分程度」の休憩なら逆に分泌が促進されるのでダイエットに効果的。

6、「寝る」というより横になって休む

ここまで「寝る」という言葉を使っていますが、本当に「ぐーぐー睡眠をとる」というよりは「横になって休む」の意味がメイン。

体と脳を休めることでその後のパフォーマンス効率が上がり、ホルモン分泌の視点からもダイエットに効果的です。それだけではなく、消化を助け胃腸を整えるための健康法としても、食後の休憩は推奨されています。

食べてすぐ寝ると太る理由とは?

多くのメリットがある「食後の休憩」ですが、食べてすぐぐっすり眠ってしまうのは肥満まっしぐらになる可能性の高い行動です。その理由は大きくこの3つ。

1、動かないのでエネルギー消費をしない

寝ている時は体が動いていないため、基礎代謝以外のエネルギー消費はなし。当然ですが、取り込んだエネルギーを消費することがありません。そしてしっかり消化される前に眠ってしまうと、摂取した脂肪分がそのまま中性脂肪として溜め込まれていきます。

また、食事から取り込まれた炭水化物は、体内で分解されてブドウ糖になります。それに「インスリン」という血糖値を一定に保つ働きのあるホルモンが作用し、エネルギーとしてブドウ糖が消費されます。しかし活動せずあまりエネルギーが消費されなければブドウ糖は使われず余り、体内に溜め込まれてしまうことに。

まだこれからエネルギーを消費できる昼間に10分ほど昼寝をするのはまだしも、食事をした後すぐに本格的に就寝してしまうのは、「消費エネルギー<摂取エネルギー」になるため太ります。

2、夜と15時のケーキでは太りやすさが違う

同じものを食べても、太りやすい時間帯とそうでもない時間帯があることをご存知でしょうか。これは「BMAL1(ビーマルワン)」という、体内に刻まれている活動リズムを正しく機能するように調整する働きを持ったタンパク質によるもの。脂肪の合成や血中のブドウ糖の量を増やす作用があり、増えると脂肪を溜め込みやすくなります。

BMAL1は1日の中で分泌量が変動し、起床後約18時間でピークを迎えると言われています。つまり一般的に22時から0時ごろの夜間に最も分泌が多く、14時から16時ごろが最も少ないことに。したがって夜はすぐ寝る・寝ないに関わらず、もともと太りやすい時間帯と言えるでしょう。

そんな夜に食べてすぐ眠ることを繰り返すと消化不十分になる上、血糖値や成長ホルモンも関係して太ってしまいます。「夕食後すぐ寝ること」というよりも、「寝る直前の遅い時間帯に食べること」がよりNGなのですね。

3、交感神経が乱れる

食事中から食後は徐々に副交感神経が優位になって、消化活動が活発に。食後に眠くなるのは、血液が胃に集中するだけではなく、体をリラックスさせる副交感神経が優位になるためでもあります。

ですが食後すぐに眠るということは、「副交感神経」が完全に優位になる前、つまり「交感神経」が優位なまま眠ってしまうため、消化活動が十分に行われません。すると未消化になり代謝が下がったり腸内環境を悪化させたり。

「ノルアドレナリンの分泌を促すので交感神経が優勢の方がダイエットにいい」と思われがちですが、消化活動という点では、食べて少なくとも15分ほど待ってから短い休憩を取るのがベター。すぐにぐっすり眠ってしまうと結果的に栄養が十分に吸収されず、体は体脂肪を増やしてエネルギーを溜め込んでしまうでしょう。

食べてすぐ寝るとでやすいデメリット

これまでにもご紹介しましたが、食後に30分以上しっかり睡眠をとってしまったり、BMAL1(ビーマルワン)が増える消費エネルギーの少ない夜の時間帯に眠ることは、ダイエットどころか逆に脂肪を溜め込み太ってしまいます。

横になるとついついぐっすり眠ってしまう人は、椅子に座ったまま体を休めるのもひとつ。昼寝を長くしすぎると体のリズムが狂い夜の睡眠に影響してしまうため、ノンレム睡眠中に多く分泌されるはずの「成長ホルモン」の分泌も妨げられます。

成長ホルモンは皮膚や筋肉の修復をする際に、脂肪を燃焼させエネルギーを消費するので「ダイエット」には欠かせない存在です。しかし直前に食事をしてしまうと消化機能を働かせなければならない体は体温が上昇しており、ノンレム睡眠に入りにくい状態になるので、夕食後の睡眠はNG。

2、吐き気、胃のむかつき、胃痛などの不調

睡眠中は本来体を休める時間。そのため食べてすぐ眠ってしまうと、消化活動に必要な血液を胃にしっかり回すことができず、消化不良に。すると起きた時に胃もたれによるムカつきや吐き気などを覚えることがあります。飲み会の翌朝、胃の不快感を覚えた経験がある人も多いでしょう。

消化不良のまま食べたものが腸に送られてもうまく栄養分を吸収できないので、せっかく取り込んだ栄養分が台無し。負担をかけられた胃腸は腸内環境も悪化し、便秘や膨満感、肌荒れなどの症状が出ることもあります。

3、しっかり眠れない

消化される前に眠ってしまうと、体は活発にではありませんが懸命に胃の内容物を消化しようと血液を胃に送り込みます。すると脳に血液が十分に行き渡らず、熟睡することが難しくなります。

また体温が上昇しているため体が睡眠モードになりきれておらず、ノンレム睡眠にうまく入れないため体の疲れが取れません。

4、ひどいと逆流性食道炎になる可能性も

食べてすぐ寝ることを繰り返していると、病気になる可能性も出てきます。その一つが「逆流性食道炎」。

これは胃酸や胃の内容物が食道に逆流してしまうことによる、粘膜の炎症です。食道には胃酸から体を守る働きが備わっていないため、強い胃酸により粘膜のただれや潰瘍ができ、胸焼けや痛みなどの症状が起きます。

食後3時間程度は逆流しやすいと言われているので、食べた後すぐに横になるのは注意も必要。特に脂肪分の多い食事は胃酸を増やすので、逆流しやすくなります。胃の不調を感じつつも横になりたいときは、体の左側を下にすると逆流しにくいでしょう。

5、糖尿病の可能性も

また、糖尿病のリスクが高くなることもあります。これは血糖値を下げるインスリンの分泌が睡眠中に減少することが原因。食べてすぐに寝ると食事をして上がった血糖値が高いままの状態になるため、糖尿病の進行を高めます。血糖値が高めの場合には要注意。

また、食後に我慢できないくらいの眠気に襲われる場合は、インスリンがうまく働いておらず血糖値が不安定になっている可能性があります。食後急激に血糖値が上がるパターンは、通常時の血糖値に異常がないため発見されにくい病気。疲れやすい・喉が渇きやすい・尿が多い…などの症状があるようなら一度医師の診察を受けましょう。

食事と睡眠で気をつけたいポイント

ここまで見てきたメリット・デメリットを読んだ方は「結局どうすれば・・・」と混乱しているかもしれませんね。それをふまえて、食事と睡眠の関係で注意したい3大ポイントを整理しました。

POINT1、夕食は3時間前までにすませる

夕食直後の睡眠は、胃への負担や血糖値の上下、病気のリスク、そして太りやすいことなどから避けるべき。消化には3時間程度かかるので、就寝時刻の3時間前には食べ終えておきましょう。寝るまでの間に消化吸収されることで、眠っている間に脂肪が分解されやすくなります。

BMAL1の分泌が増える時間を考えても、21時までには食事をすませるようにしてみてください。

POINT2、すぐに運動しないで「ゆっくり」する

ダイエットのために運動するのであれば、低血糖状態である食前と、食べ物が胃の中にある食後すぐは避けましょう。食後は消化のために胃に血液を集中するべき時で、その時に運動すると消化が悪くなり、横腹に痛みを生じることも。また食べてすぐは血糖値がまだ上がっていないため、食前同様にめまいなどが起きることもあるため危険です。

ベストタイミングは、消化が進んでおり血糖値も安定してくる、食後1時間ほどたったころ。脂肪を消費する運動なら有酸素運動ですが、無理のないペースでできるウォーキングがオススメです。

POINT3、夕食が遅くなったときは消化のよいものを取る

就寝3時間前に食べ終えるのが理想…とはいえ、仕事の都合などでどうしても遅い時間に夕食をとらざるを得ないこともあるでしょう。空腹のままでは目が冴えて眠れない…そういうときは、胃腸に負担のかからない消化のいいものを食べるようにしてみて。

疲れているとしっかり食べたい時もあるかもしれませんが、おかゆやうどん、スープなど、低カロリー低脂肪のお腹に優しい食事を軽めに摂りましょう。噛む回数を増やすことも消化を助けます。そしてできれば少なくとも食後30分程度は起きているように心がけてみてください。

結論!食べて15分後に10分ほど横になるのがベスト

「食後に寝る」と言っても、昼食時か夕食時か、どれくらいの時間寝るのか、そして「横になる」のか「眠る」のか。それぞれ体に現れる影響には大きな違いがあります。健康と美容のためには「昼食をとった15分後に10〜20分横になるか、仮眠をとる」のがベスト。反対に長時間眠る、夕食後すぐに寝るのはさまざまな観点からNGです。

ランチの後に眠くなるのは、体の中で起こっている各器官の働きを考えればある程度は当然のことです。無理をして眠いまま仕事を続けるよりも仮眠をとったほうが、頭もスッキリしてノルアドレナリンが出ることで効率もアップ。消化が促進されダイエットにも役立ちます。

もう昼寝に罪悪感を持つ必要はありません。上手に体を休めて、やせやすい体づくりを目指しましょう!

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