虎屋 「ギャラリーの記憶 2012-2016」 〜和菓子の楽しさを感ずる〜

虎屋 「ギャラリーの記憶 2012-2016」 〜和菓子の楽しさを感ずる〜

東京ミッドタウンの地下1階に「とらや 東京ミッドタウン店 ギャラリー」があります。
川島屋百貨店

虎屋

「ギャラリーの記憶 2012-2016」

虎屋 「ギャラリーの記憶 2012-2016」
ここは、虎屋がショップに併設して運営している場で、和にちなんだテーマで展示を行っています。

そこが10周年を迎えるということで、2012年以降に展示された14回の企画展を振り返った特別展「ギャラリーの記憶 2012-2016」を開催しました(2017年10月に終了)。
どの企画も、「和菓子とともに日本の伝統の良さを感じていただきたい」という虎屋の想いのもと、さまざまな人や企業、団体と一緒に行ってきたもの。展示するだけでなく、テーマごとに意図するところを和菓子で表現し、期間・数量限定で販売もしてきましたが、これは虎屋ならではのこと。展示にまつわるセレクト商品を販売することもあって、「贅沢で楽しい展示」と足を運んできたのです。

ユニークなのは、企画展それぞれにパートナーがいて、一緒にかたちにしていっていることです。
たとえば「和菓子の手しごと」というテーマでは、イラストレーターの安西水丸さん、「いつまでも甘くたのしく」というテーマでは、医療法人社団 慶成会 青梅慶友病院・よみうりランド慶友病院、慶成会老年学研究所、「和菓子で酔う」では、桝田酒造店といった具合で、パートナーの幅も奥行きも広いのです。

だからでしょうか。狭い意味での和や和菓子にとどまらず、暮らしにまつわる和の存在を、時に科学的に、時に文化的に、時にユーモラスに読み解いてくれる展示になっています。

「ギャラリーの記憶 2012-2016」は特別展ということで、この5年間に行った14の企画展のパートナーの方々が振り返ってしたためたメッセージを、写真やイラストレーションとともに紹介していました。各展示で作ってきた数々の和菓子の中から、一部を再び販売もしました。

たとえば「甘いねこ展」の時に作った特製羊羹「にけ」は、黒と白のニ毛柄の猫の様子を、黒い練羊羹と白い道明寺羹で表したもの。この羊羹、黒い耳を持った猫にも、背が黒くてお腹が白い猫にも見えて、にんまりしながらいただきました。

そして、過去の展示を振り返ることは、大事なことだし興味深いと思ったのです。物凄いスピードで新しいモノやコトが生まれては消えていく時代の中にあって、過去の財産を再び発表することで、このギャラリーがやってきたこと、めざしてきたものが立体的に浮かび上がってくるように感じました。

次の5年間がまた楽しみになる展示でした。
 虎屋
虎屋
特別展「ギャラリーの記憶 2012-2016」
とらや 東京ミッドタウン店内ギャラリーにて10月30日まで開催(現在は会期終了)
川島蓉子 かわしま・ようこ
1961年新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科修了。ifs未来研究所所長。ジャーナリスト。