消化器内科医が教える!便秘解消につながる食事と運動、薬の選び方

消化器内科医が教える!便秘解消につながる食事と運動、薬の選び方

寒い時期はとくに、トイレに座っているのが辛いもの。スムーズに排便するためにも、便秘体質をなんとかしたい! 今回は便秘解消につながる食事法と運動、さらに便秘薬の選び方について、おおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎先生に聞きました。
女性に多い「隠れ便秘」に要注意 大竹真一郎先生

便秘解消のために取り入れたい食生活習慣

「便秘解消には食物繊維」とはわかっていても、具体的にどんなものを、どのように食べればよいのでしょうか?

「食物繊維には2種類あり、摂り方のバランスを間違えると、かえって便秘を悪化させることがあります。

ひとつは水に溶ける『水溶性食物繊維』で、昆布やワカメ、もずくなどの海藻類やオクラや里芋などのねばねば系食材、またはごぼう、サニーレタス、大麦、アボカド、キウイなどに多く含まれます。もうひとつは水に溶けない『不溶性食物繊維』で、これは玄米や小麦ふすま、トウモロコシ、キャベツ、セロリ、さつまいも、豆類、こんにゃく、キノコ類などに含まれています。

大切なポイントは、不溶性食物繊維ばかりを摂ってしまうと便の水分が奪われ、かえって便秘になりやすいということ。『水溶性1:不溶性2』が理想的なバランスなのです」(大竹先生)

腸にはヨーグルトがいい、という情報は正しいのでしょうか?

「ヨーグルトは製品によって入っている菌がすべて違います。どの菌がどの人に合うかは異なり、合う菌を摂取しないと、いくら食べてもあまり効果がありません。合うかどうかを知るには、継続して食べ続けること。

私のおすすめは、ダノンビオのような高生存のビフィズス菌を入れたヨーグルトです。胃酸の影響を受けにくく、腸までたどりつきやすいのが特徴で、1日2個を2週間食べ続けてみます。それで便通に影響が出なかったら、別のヨーグルトに変えて1日200~300gずつ食べ、2週間続ける。そうやって、ご自分の腸に合う菌を探していくのです」(大竹先生)

便秘気味な人が避けたほうがいい食品とは?

一方、便秘気味な人が避けたほうがよい食品もあるそうです。

「最近、糖質制限ダイエットの影響や、たんぱく質で代謝アップの目的で肉食を勧める傾向がありますが、牛肉や羊肉、豚肉はとくに腸内の悪玉菌を増やす性質があります。便秘傾向の方は、魚を中心にしたほうがよいでしょう。魚には腸内環境によい効果をもたらすEPAやDHAなど オメガ3系の油を含まれています。種類は問わず、焼き魚なら一切れ程度。マグロの刺身なら4切れ、トロの刺身なら1切れ程度でも十分です」

とはいえ、食事のみで改善するのではなく、運動も必要ですよね?

「はい。女性は男性に比べて筋力が弱く、腸を動かす筋肉の力が弱いので、便秘になりやすいのです。改善するには、よく歩くこと! 階段を見つけたらエスカレーターに乗らず『腸を動かすチャンス』と考え、ぜひ徒歩で上り下りしてください。1日8000歩が目標です。筋トレも効果的ですが、あまりに激しい運動は腸の動きを止めてしまうこともあるので、普段の生活でこまめに動きましょう」(大竹先生)

選び方次第では危険!便秘薬との付き合い方

便秘のとき、便秘薬を使う人も多いもの。どのようにお薬と付き合っていけばよいでしょうか?

「市販されているものの約8割が、刺激性の便秘薬です。含まれている成分としては、センナ、センノシド、アロエ、大黄などで、腸に無理やり刺激を与えて便を出します。使っているうちに、腸周辺の神経細胞が異常をきたし、かえって腸の動きを悪くしてしまいます。年単位で使ううち、腸内が真っ黒になり、ゴムのように伸び切ってしまう人も。飲めば飲むほど効かなくなり、錠剤の数が増えていきやすいので、このタイプの便秘薬を最初に飲むのは危ないです。

安心なのは、便をやわらかくする働きを持つマグネシウムを中心とした便秘薬。クリニックで処方することも多いですが、市販薬もあります。癖になりにくく、刺激性の便秘薬よりも痛みは穏やかで、便秘がひどい場合は毎日飲んでもOKです。

マグネシウムは、アーモンドやカシューナッツ、ピーナッツなどのナッツ類のほか、こんぶやひじき、わかめなどの海藻類にも豊富に含まれているので、食品からも合わせて摂取したい成分ですね」(大竹先生)

なお、大竹先生のクリニックでは「便秘外来」をおこなっているそう。慢性的な便秘に悩まされているなら、専門医に生活習慣ふくめたアドバイスをいただいてみてはいかがでしょうか?
■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。
■監修
大竹 真一郎 先生
おおたけ消化器内科クリニック 院長/消化器内科医

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