【医師に聞く】帯状疱疹が出ると危険な場所がある!?怖い後遺症も!

【医師に聞く】帯状疱疹が出ると危険な場所がある!?怖い後遺症も!

帯状疱疹といえば、お腹周辺に赤い発疹などが出るといった印象があるかもしれませんが、別の場所に発症するケースがあり、場合によっては怖い後遺症を引き起こしてしまうこともあるとか!千春皮フ科クリニック院長で皮膚科専門医の渡邊先生にお伺いします。
身近に潜む帯状疱疹を詳しく解説 渡邊千春先生

帯状疱疹が出ると特に危険な場所や後遺症|顔・目・耳

帯状疱疹が重症化するケースがあると聞きました。特に注意すべき危険な場所やそれに伴った合併症、後遺症などについて教えていただけますか。

「どんな帯状疱疹であっても、決して油断してはいけませんが、特に注意が必要な例ということで挙げてみましょう。

顔の神経に、帯状疱疹を引き起こす『水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルス』が潜伏している場合は、『顔』に帯状疱疹が現れます。顔の神経は、眼の開閉や表情を作る役割を果たしています。そのため、顔に帯状疱疹が現れると、『顔面神経麻痺』を起こし、目を閉じることができない、『顔が歪む』などの症状が現れます。また、脳に近い場所にあるため、『脳炎』や『髄膜炎』などのリスクもあります。

三叉神経第1枝(眼神経)での帯状疱疹では、『結膜炎』や『角膜炎』などの『眼合併症』を認めることがあり、ごくまれに『急性網膜壊死などを生じて失明』に至ることもあります。特に鼻背部に帯状疱疹を認めた場合は高い確率で眼合併症を伴いますので、早めに眼科を受診して下さい。

耳の周囲に発症した場合、『難聴』『耳鳴り』『めまい』が生じることもあります。帯状疱疹を引き起こす『水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルス』が原因の顔面神経麻痺は、『ラムゼイ・ハント症候群』と呼ばれます。後遺症が残りやすいため、早期に治療を開始することが大切です。

適切に治療すれば、まひが軽度な場合は、1~2ヶ月で完治します。しかし、まひが高度な場合は治癒率が50~60%程度となってしまいます。まぶたと口が一緒に動く『病的共同作業』、『ひきつれ』などの後遺症を残す症例も多く、『聴力の障害』は完治しないこともあります」(渡邊先生)

美容的にも気をつけたい帯状疱疹|炎症後色素沈着・瘢痕

帯状疱疹が、シミのような跡として残るケースもあると聞いたのですが、女性はとても心配なところだと思います。先生、これは本当ですか?

「通常は適切な治療を行えば2~3週間で跡を残さず治癒しますが、重症化したり発疹が潰瘍になると、症状が改善されても『色素沈着』や『瘢痕(はんこん:病気が治った後も、その跡などが皮膚に残ること)が残ることがあります。

例えば、帯状疱疹の水疱(すいほう:水ぶくれ)が治った後、『炎症後色素沈着』というシミになることがあるということです。ただ、『炎症後色素沈着』は通常、3~6ヶ月で治癒しますので特に心配はありません。

また治る段階でかさぶたになりますが、その時にかゆみを伴うので、つい掻いてしまう方がいらっしゃいます。しかし掻いてしまうと、きれいに治ることを遅らせてしまうので、掻かずに治るのを待つことがとても大切です。もし帯状疱疹を放置して傷が深くなって、『皮膚潰瘍』となった場合は、瘢痕化し傷痕がずっと残る事がありますので、早期の受診をおすすめします」(渡邊先生)

帯状疱疹でできてしまったシミ・跡の治療法と注意点

もし帯状疱疹がシミのような跡として残ってしまった場合、治療法はありますか。

「『色素沈着』は皮膚のターンオーバーで3ヶ月もすれば気にならない程度にまで良くなりますが、気になる場合は『ビタミン剤の処方』や、肌の新陳代謝を活性化する『トレチノイン酸が配合されているクリーム』、『美白剤であるハイドロキノン』を塗る方法もあります。

また『瘢痕』となった場合は、症状により『レーザー』などで治療できることがあります。ただし、帯状疱疹の跡がきれいになるかどうかは、個人差が大きいので、いずれの場合も、症状を悪化させる前に、早めに医療機関を受診することが大切です」(渡邊先生)

跡を残さないためには、早めの受診がキーポイントとなるのですね。

「一番跡が残らない方法は、早期発見です。症状がまだ出始めの本当に軽い時に治療を始めることが、跡を最も残しにくい方法です。治療開始が早ければ早いほど、跡は残りにくくなります。
また、炎症が起きた部分をかき壊さないことが、何より大切です。処方された薬を正しく使いながら、炎症が起きた部分をいたわることを一番に考えましょう」(渡邊先生)

帯状疱疹を放置したときの危険な合併症や後遺症は、本当に怖いですね。美容的にも色素沈着などのシミになってしまう危険性が高まるということなので、帯状疱疹の症状を感じたら、早めにお医者さんに相談をしましょう!
■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。
■監修
渡邊 千春 先生
千春皮フ科クリニック 院長/皮膚科専門医

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