婦人科医に教わる!「子宮頸がん」の特徴と対処法とは

婦人科医に教わる!「子宮頸がん」の特徴と対処法とは

婦人科検診のとき、提案されることの多い「子宮頸がん」の検査。頻繁に耳にするものの、具体的にどのような病気で、どのくらいかかりやすいものなのでしょうか? アヴェニューウィメンズクリニック院長の福山千代子先生に、子宮頸がんについて聞きました!
子宮に起こる、さまざまな病気 福山千代子先生

性交渉の経験がある女性は要注意!子宮頸がんとは

福山先生によると「子宮頸がんは年々、罹患率も死亡率も上昇している」そうです。がんと聞くと怖くなりますが、一体どのような病気なのでしょうか?

「子宮頸がんとは、HPV(ヒトパピローマウィルス)の感染によって、子宮の入り口にできるがんです。子宮頸がんにかかった人のうち、9割以上からHPVが検出されています。

HPVは性交渉を持つと感染し、実は性交渉の経験がある女性のほとんどが一生に一度は感染すると言われています。通常は感染しても免疫力によって自然に治りますが、一部の細胞ががん化する場合があります。その原因ははっきりとはわかっていませんが、免疫機能の低下や、性交渉を持つ機会が多い人がなりやすいと言われています」(福山先生)

性交渉の経験がある女性の8割がかかるものの、9割が自然に治っているそう! とはいえ、2012年の調査によると、年間で1万900人が子宮頸がんにかかり、2900人が死亡していると言います。

ウィルス感染から、がん化するまでは10年ちかくかかる

HPVに感染すると、すぐに病状が悪化してしまうのでしょうか?

「いいえ、感染した細胞は『異形成』と呼ばれる段階を経て、がんに進んでいきます。軽度異形成、中等度異形成、高度異形成を経て、上皮内がんへと進みますが、通常がん化するまでは10数年かかります。

ただし、HPVは100種類以上もあり、そのうちで『ハイリスク型』と呼ばれる16型と18型はがん化するまでが極端に短く、10年未満で進行してしまいます」(福山先生)

10年近くかけて症状が進むということは、その間に発見できれば治せる可能性が高いのでしょうか?

「はい。子宮頸がんは、早期発見しやすいがんです。まず、子宮は医師が直接目で見て、麻酔をせずに細胞を取ることができるので、楽な検査で発見することができます。また、がんが上皮内までに留まっていれば、そこにはリンパ管や血管がないので、転移することもありません。小さな手術で切り取れば治すこともできます。

ただ、子宮頸がんは防ぐことが難しい病気です。性交渉を持つ人であればかかる可能性があり、しかもコンドームをしても避けることができません。さらに初期症状がほとんどないので、かかっていることを自覚しないまま、がん化が進んでしまうこともあります」(福山先生)

子宮頸がんにかかったときの治療法とは?

もしも子宮頸がんにかかった場合、どのような治療法があるのでしょうか?

「異形成が中等度までは経過観察し、妊娠希望がある場合や病変の状態によって、レーザーで焼くだけで対処できることもあります。上皮内がんまで進んでいる場合は、子宮の入り口を円錐状に切り取る『円錐切除術』をおこなうのが一般的です。さらに悪化している場合は、子宮全体を取ったり、周囲のリンパ節を取ったりと、広範囲の手術に及ぶこともあります」(福山先生)

早い段階で見つかれば防ぎようがあるものの、進んでしまうと子宮にメスを入れる手術になってしまう……そうならないように習慣づけたいのが、子宮頸がんの検診! 福山先生によると、年に一度は受けておいたほうがいいそうです。婦人科検診のときは、子宮頸がんの検査もしておきましょう。
■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。
■監修
福山 千代子 先生
アヴェニューウィメンズクリニック 院長/産婦人科医

関連記事