【BMIとは?皮下脂肪とは?】ダイエットのキーワードを正しく知ろう

【BMIとは?皮下脂肪とは?】ダイエットのキーワードを正しく知ろう

私たちはつい『○○だけダイエット』や『○○抜きダイエット』というものに走りがち。それは、やはり簡単・手軽だから。しかし、ラクをして成功するほどダイエットは甘くない。ダイエットのしくみを、東京医科歯科大臨床教授の宮崎滋先生に伺った。

NEAT[Non Excercise Activity Thermogenesis]とMETs[Metabolic Equivalents]とは?
小分けにしても効果あり。運動量より活動量を上げよ

最近は、運動量よりも、日常の活動量を増やそうという動きが盛んだ。
「忙しい中で運動を頑張るよりも、日常の活動レベルを上げた方が得策というわけで、NEAT(ニート=スポーツなどの運動以外の日常の活動で消費される代謝熱量のこと)が注目されています。方法は簡単で、座るより立つ、エスカレーターより階段を選ぶなどして、NEATを上げていけばよいのです。その都度費やされるカロリーは微々たるものでも、チリも積もれば、消費カロリーの増大が期待できます」と宮崎先生。
また、20分以上歩かないと体脂肪が燃えないという説は過去のものとなり、「トータルの運動量が同じであれば、小分けにしても同等の効果があると考えてよい」と宮崎先生。
具体的な消費カロリーを算出する方法としてMETs(メッツ=運動強度を表す単位)がある。計算方法が少しばかり面倒なので、あまり普及はしていないようだが、METsを使えば、自分の体重に合った具体的な消費カロリーがわかる。おおよその活動量は、歩数計、活動量計などでも把握できる。

運動でやせようとすると……。

 一日の総消費カロリーよりも余分にショートケーキ(300kcal / 100g)を食べてしまったとして、その分のカロリーを消費するには、約2時間のウォーキング(体重50kgの人)が必要。一方、運動で脂肪1kg(約7000kcal)を落とそうとすると、「ざっとフルマラソン4~5回分のエネルギー量に相当する」(宮崎先生)。あと5、6kgやせたいとしたら……、途方もない運動量になる。

BMI[Body Mass Index]とは?BMIは病気のリスクを知る一つの指標

BMIが18・5未満で「痩せ」に区分される30~ 40代の女性の割合が、20年前に比べて増加したことが、厚生労働省研究班の調査でわかったという。
BMIは、体重と身長から算出される体格指数で肥満度を表す。約22においてもっとも有病率が低くなることから、日本肥満学会では、BMI22の場合を標準体重としており、25以上を肥満、18・5未満を低体重(痩せ)としている。
「BMIは、身長と体重の比にすぎないので、BMIが高い=即、病気ではありません」と、宮崎先生。太っている人でも、血糖、脂質、血圧に問題がない、健康であるということであれば、肥満治療の必要はない。
「ただ、BMIが25を超える期間が長くなれば、ひざや腰に負担がかかり、やがて腰痛症や変形性膝関節症などを引き起こします。すると、運動不足になり内臓脂肪が増え、結果、病気のリスクが高まることがわかっています。医療の面から言えば、肥満によって起きてくる病気があるのなら、ダイエットをして治しましょうということになる」と宮崎先生。
BMIはやはり、病気になりにくい22ぐらいを保っておくのが理想といえる。
しかし、実際には「BMI20ぐらいの女性のほとんどが、〈私は太り過ぎ〉と言いますね。現代女性の感覚では、BMI18ぐらいが、理想のプロポーションに映るようですが、このズレも問題。女性たちが思うほど、痩せる必要はない人が多いように思います」(宮崎先生)
『それでも痩せたい!』という女心はよくわかる。しかし、健康であればこその美しさを失っては意味がない。BMI22は健康でいられるかどうかの目安となる基準。単に痩せか肥満かを決める指標ではないことを覚えておきたい。

皮下脂肪・内臓脂肪とは?女性は内臓脂肪が増える閉経後に今から備える

年齢とともに痩せにくくなったと感じている女性、見た目や体重は標準でも、体脂肪が高い〈隠れ肥満〉の女性は少なくない。
「加齢とともに、体の水分量は減って、体脂肪に置き換わっていきます。同様に、骨量や筋肉量も減少。これは、普通の生活をしていても進行します」と宮崎先生。先に無理な食事制限では利尿作用が高まると述べたが、そもそも加齢により体内の水分量が減り、脂肪が増えていくのだから、年々、体重が減りにくくなるのも納得。
「一般に、閉経前の女性は、女性ホルモンのガードが固く病気のリスクは少ない。しかし閉経後、そのガードがなくなると、とたんに内臓脂肪がつきやすくなり、メタボになる女性が多くなる。もともと運動習慣がない人は、血液検査の数値も悪くなりやすい」とも。
女性につきやすい皮下脂肪は、運動してもなかなか落ちにくい。対して内臓脂肪は、運動や『摂取カロリー<消費カロリー』で落ちやすいのが特徴。閉経前に皮下脂肪をためこみ、そこに内臓脂肪がつくと病気になるリスクが大きく高まる。ダイエットも、二段構えとなり、より一層時間や根気が必要となる。そうなる前に、「普段から、どれくらい食べてどれくらい活動(消費)しているかを知ることは大切。なぜ太ったのか、痩せたのかの理由を知ることにもつながります。地道な方法ですが、体重や歩数を記録して、日々の変動を意識することはおすすめ」

女子栄養大の栄養クリニックで料理指導をする今泉久美さんも、記録式のダイエット法を推奨する一人。自身も、朝、夕、体組成計で、体重や体脂肪率をチェック。
「見た目が痩せていても、血液や体脂肪などの健康数値がよくないのであれば、それは肥満といっていい。特に体脂肪率が上がると、痩せにくくなってきたことがわかるので、私の場合は、外食を控え、運動量を増やします」

教えてくれたのは・・・
宮崎滋先生 公益財団法人 結核予防会、総合検診推進センター所長、東京医科歯科大 臨床教授
東京医科歯科大学医学部卒業。医学博士。同大第一内科、東京逓信病院内科部長兼副院長を経て現職。専門は、肥満症、糖尿病治療。「健康診断で中性脂肪値が高めの人が読む本」(幻冬舎)、「メタボリックシンドローム教室―Q&Aでわかる療養指導」(中外医学社)など、ダイエット、メタボリックシンドローム関連の著書も多数。

今泉久美さん 料理研究家 栄養士
女子栄養大学栄養学部卒業後、食品メーカーに入社。退社後、日本テレビ「キユーピー3分クッキング」のアシスタント、料理家のアシスタントを経て、1995年に独立。2004年から、女子栄養大学栄養クリニックのヘルシーダイエットコースの料理指導を行っている。現在は、テレビ、雑誌、料理本、全国各地での料理教室、講演会などで、幅広く活動中。

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