うつ病以外にも!普段から気をつけたい、さまざまな心の病

うつ病以外にも!普段から気をつけたい、さまざまな心の病

人間関係の悩みやプレッシャー、重なる我慢など、ストレスの多い生活を送っている人は多いものです。ストレス過多による病気といえば「うつ病」を思い浮かべますが、それ以外にも気をつけたい心の病はたくさんあります。精神科医の奥田弘美先生に聞きました。
ストレスが引き起こす心の病 奥田弘美先生

心の病として多い「うつ病」とはどんな病気?

ストレス性の病気といえば、うつ病。そう思い込みがちですが、そもそも、うつ病とはどのような病気なのでしょうか?

「まず、うつ病は脳の病気のひとつです。現代人によく発生するタイプのうつ病は、人間関係や仕事の悩み、環境の変化などによる過度なストレスが引き金になることが多いです。悲観的になったり、集中力が落ちたりと生きるエネルギーが落ちるほか、肩こりや腰痛、動悸、不眠など体にも症状があらわれます。

原因ははっきりとはわかっていませんが、セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンといった、人の気分や喜び、意欲をコントロールするために必要な脳内物質の分泌バランスが、ストレスによって崩れてしまうことで、さまざまなうつの症状が出ると考えられています」(奥田先生)

気分の落ち込みや喜びの喪失など、いくつかの判断基準があり、多くはまず比較的症状の軽い「抑うつ状態」を経て、それが長期化して重くなると「うつ病」として診断されるそうです。

うつ病に似た心の病、適応障害とは

奥田先生によると「ほかにもさまざまな症状の出る、心の病がある」そう。どんな病気があるのでしょうか?

「うつ病と似ている症状が出るものに、適応障害があります。これはうつ病と比べ、ストレス原因となる環境や要因がはっきりしているときに診断される病気です。たとえば、会社のように特定の環境に適応できず、その場所にいてストレスがかかると、体や心になんらかの症状が出ます。

症状としては、その環境にいると抑うつ状態になる方もいれば、頭痛やめまい、吐き気、腹痛など、体に反応が出る方もいます。適応障害の場合は、ストレス原因から速やかに晴れたり、ストレスが軽減するように環境を改善したりすることが必要です」(奥田先生)

ほぼ毎日、継続的に関わっている環境になじめず、心身に何らかの症状が出ている場合は適応障害にあたるそう。そのため、職場だけでなく、結婚した先に適応できないために、適応障害になるケースもあると奥田先生は言います。

ストレスが原因でかかる、その他の心の病

ほかにも、ストレスが原因でかかる心の病がいくつかあるそうです。

「うつ病が絡んでいることもありますが、睡眠障害があります。夜になかなか寝付けないだけでなく、眠りが浅くて途中で何度も起きたり、早朝に目覚めたりといった症状が出ます。その結果、睡眠不足となって日中でも強い眠けに襲われたりします。こうした睡眠の問題を抱えている方は、長時間労働している人や人間関係ストレスに悩む人に多いです。

また、パニック障害に悩む方もいます。パニック発作が起こる場所は一概には言えませんが、電車や人ごみなど、その方にとってストレスを感じる環境にいると、動悸や過呼吸、めまい、冷や汗などのパニック症状が起きてしまいます」(奥田先生)

心の病はつい「自分の頑張りが足りないせい」「自分の努力次第で治る」と考えてしまいがちですが、自力では治せないものがほとんど。

「肺炎になったとき、自分で治そうとは思いませんよね。心の病気は、いわば肺炎レベルの病です。目安としては、症状によって日常生活に2週間以上支障が出ているなら、精神科・心療内科のクリニックを訪れてください」(奥田先生)

近年、心の病気でクリニックを訪れる人の数は多く、そのハードルは低くなっているそう。外見の美しさだけでなく、心の美を保つためにも、気になったときは専門家に助けを求めてみませんか?
■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。
■監修
奥田 弘美 先生
精神科医・精神保健指定医

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