精神科医に聞く!心の病気で悩んだときのクリニックの選び方

精神科医に聞く!心の病気で悩んだときのクリニックの選び方

うつ病や適応障害など、身近にあるさまざまな心の病。「病気ではないと思うけど…」と思いながらも「最近ちょっとメンタルが不調」と感じることはありますよね。気になるとき、どんな場所を訪れればよいのでしょうか? 精神科医の奥田弘美先生に聞きました。
ストレスが引き起こす心の病 奥田弘美先生

心の病気で悩んだら…クリニックに行くタイミングは?

うつ病など、心の病ではないかと感じたときに思うのが「どのタイミングで行けばいいのか?」ということです。もしかしたら違うかもしれないのに、病院に行ってもよいものなのでしょうか?

「心の病で病院に行くタイミングの目安は『その症状のせいで日常生活に支障が出て、2週間以上が経っていること』です。たとえば、気分が落ち込んで、仕事がまったく手につかず、生きる気力がわいてこない…という抑うつ状態が続いていた場合、会社に行くのもやっとだと思います。ショックなことがあって落ち込むことは誰にでもありますが、それが2週間も続くのであれば、普通に生活することは難しいでしょう。

ただ、この『2週間』もあくまで目安です。1週間であっても辛い場合は、迷わず医師に相談しましょう。ちょっと眠れないとか、食事ができないとか、軽い症状であっても辛いなら相談していいんです。たとえそれで『病気ではありません』となっても、誰も怒る人はいないのですから。心の病気も体と同じで、早期発見・早期治療が原則なんですよ」(奥田先生)

心の病気を診てくれるクリニックの選び方

心の病気について調べてみると、医療機関もあれば、カウンセリングルームも出てきます。治療してもらえる場所には、どんな違いがあるのでしょうか?

「メンタルに不調を感じ生活や仕事に支障が出てしまったときは、まず保険医療機関にかかることをおすすめします。精神科・心療内科と掲げられた病院やクリニックに行きましょう。このふたつの科はかぶっている疾患がほとんどなので、精神科・心療内科と併記されていることが多いです。

そこでまず医師に相談したうえで、カウンセリングが必要だと判断されたときに、カウンセラーにかかるという流れがよいでしょう。現在は多くのメンタルクリニックで、常任のカウンセラーがいるか、近隣のカウンセリングルームと提携していることもよくあります」(奥田先生)

自己判断でカウンセラーを利用する場合は注意が必要、と奥田先生は言います。

「カウンセラーを選ぶ際は、臨床心理士や公認心理師という肩書を持っているかどうかで判断されるとよいと思います。大学の心理学部で学び病棟などでの臨床実習などを経た方は、臨床心理士や公認心理師にあたります。これらの資格がある人は、体系的に心理学を学んでいるほか、医学的治療が必要な状態かどうかを判断できる訓練を受けています。

残念ながら、日本においてカウンセラーは玉石混交状態。カウンセリングルームを自己判断で利用するのは、日常生活は普通に送れているけれど、誰かに悩みを聞いてもらうとか、考えを整理してほしいとか、心身の症状がそんなにひどくない場合に限るのがよいでしょう」(奥田先生)

心の病気を治すクリニックは、行きにくい場所じゃない!

どうしても、精神科や心療内科など、メンタルクリニックは入りにくいという人もいます。実際どのような場所なのでしょうか?

「行ったことのない方はドキドキされると思いますが、街のクリニックには足を踏み入れてぎょっとするような雰囲気はありませんよ。一般内科や耳鼻科のような病院の待合室と何も変わらず、お勤めの帰りに寄られたようなOLさんやサラリーマン、主婦の方もたくさん来られています。

ただ、どうしてもハードルが高いという場合、症状によってはほかの科を受診してみる手もあります。たとえば腹痛や吐き気が出ている場合は、過敏性腸症候群や逆流性食道炎のこともあり、一般内科や消化器内科の先生でもストレス性の症状に対応してくれることがあります。めまいが出ている場合は、耳鼻科を受診してもよいでしょう。メンタルに原因がある場合は、先生がよいメンタルクリニックを紹介してくれる場合があります。

また、心療内科とは、体に現れたストレス反応をみる内科のお医者さんのこと。『内科・心療内科』と看板を出し、体も心も診てくださる先生もいますので、少し敷居が低く感じられるかもしれません」(奥田先生)

なお、奥田先生は日本マインドフルネス普及協会代表理事。「病気にならないよう、心の安定をはかるためにマインドフルネス瞑想を取り入れるのは、よいことだと思います」と言います。

「自分で気持ちのコントロールはできる」と思っていても、ふと心が疲れたり、かき乱されたりして、穏やかではいられないときもあるもの。症状が深刻化しないように予防しながらも、気になったらすぐに医師に相談することを習慣化してみませんか?
■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。
■監修
奥田 弘美 先生
精神科医・精神保健指定医

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