POLA MUSEUM ANNEX グレース・タン「マテリアル&メソッド」

POLA MUSEUM ANNEX グレース・タン「マテリアル&メソッド」

銀座で、ちょっと素敵な展覧会が開催されています。
川島屋百貨店

POLA MUSEUM ANNEX

グレース・タン「マテリアル&メソッド」

 POLA MUSEUM ANNEX グレース・タン「マテリアル&メソッド」
ポーラ銀座ビルの3階にある「POLA MUSEUM ANNEX(ポーラ ミュージアム アネックス)」で2月18日まで開催されている「グレース・タン Materials & Methods(マテリアル&メソッド)」です。

グレース・タンは、マレーシア生まれでシンガポールに在住しているアーティスト。ファッションデザインで身につけた方法論をもとに、さまざまな作品を生み出しています。今回は、初期の作品から最新作まで、約15年にわたるクリエイションの中から選ばれたものが展示されています。

会場に入ると、少し暗めに設定された空間に、適度な距離を置いてテーブルが点在しています。その上に作品が置かれているのですが、テーブルの中に照明が仕込まれていて、ひとつひとつの作品が幻想的に浮かび上がるような見せ方です。

たとえば、極薄のシルクシフォンを折りたたんでプリーツにしたり、束ねて捻ったりしたパーツを組み合わせたものは、布という素材が生み出す「しなやかさ」や「やわらかさ」とともに、造形物としての「重厚感」や「堅牢さ」も感じさせます。
この作品のテーマは「秩序と無秩序」。「自然にあるすべての成り立ちと成長は、この秩序と無秩序の組み合わせである〜」と説明が付されています。折り目やプリーツは、サイズを固定して何度も繰り返すことで「秩序」をなすものですが、この作品は、あえて規則や特別なルールを作らない「無秩序」の要素を取り込み、「秩序」と「無秩序」を同居させています。

まずは、作品の美しさにうっとり見入ってしまう。それから、テーマや説明を読み込んで、「そういう意図だったのか」「難しいけれど腑に落ちる」と思い巡らせながら眺める――“一粒で二度おいしい”を味わいながら、あっという間に時が経っていきます。

壁には、洋服のタグ付けなどに使われるプラスチックのループ・ピンを素材にした作品も展示されていますが、見慣れたパーツがここまでの美しさを放つのにびっくり。同時に、身近にある存在が、アートに昇華されている――アートとは特別な存在でなく、日常の延長にあると思い及びます。

特にアートに詳しいわけでも、アート好きなわけでもない私は、銀座でアートというと、ちょっと敷居が高いと思っていたこともありましたが、単純に、美しいものを創造するグレース・タンさんの作品に触れたことで、豊かな一日を過ごすことができました。
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 POLA MUSEUM ANNEX
POLA MUSEUM ANNEX(ポーラ ミュージアム アネックス)
グレース・タン「マテリアル&メソッド」
会期:開催中〜2018年2月18日(日)まで
問い合わせ先:ポーラ ミュージアム アネックス
TEL:03-5777-8600
川島蓉子 かわしま・ようこ
1961年新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科修了。ifs未来研究所所長。ジャーナリスト。