【医師に聞く】二の腕~手の甲の老化!撃退法&クリニックでの治療法

【医師に聞く】二の腕~手の甲の老化!撃退法&クリニックでの治療法

若い頃は何も気にせずノースリーブを着れたのに、年齢を重ねると、二の腕のたるみやブツブツ、肘の黒ずみ、手のかさつきなど二の腕~手にかけてのお悩みが出てきますよね…。聖心美容クリニック熱海院の院長である小林美幸先生に原因や対策をお伺いします。
教えてドクター! 二の腕~手の老化を撃退するケア法 小林美幸先生

二の腕のたるみ!ふりそでになっちゃう原因とは?

30~40代になると、ブラウスの二の腕部分をきつく感じるようになったり、ノースリーブから出る二の腕のたるみが気になり始める方が多いのではないでしょうか。また、それに気がついて痩せようと思っても、なかなか細くならないといった声も良く聞きます。

そこで、二の腕が太くなりやすい原因などについて、小林先生にお話をお伺いしたいと思います。

小林先生、一般に、30~40代になると、どうして二の腕は太くなったり、たるみやすくなるのでしょうか。

「年齢に伴う体の変化は30歳以前をピークに、その後、低下していきます」(小林先生)

この辺りの年齢が体の境目になっているということは、自覚していましたが、医学的にもいわれていることなのですね。

「具体的には、この年齢の辺りから肌のハリや弾力を作る『コラーゲン』や『エラスチン』の生成量が低下し、皮膚も少しずつ薄くなっていくので、肌の弾力が失われ始めます。

筋肉量も、大部分は運動不足によるものですが、10~15%ほどは『加齢に伴うホルモンの低下』によって少しずつ減少します。
それと同時に、加齢とともに体脂肪は増えます。一般に、75歳までに体脂肪率は若いころの2倍にまでなります」(小林先生)

年齢とともに二の腕がたるんでしまうのは、運動不足によるものが大きいとはいえ、皮膚が薄くなったり、体の中のコラーゲンなどが減ってしまうことなどにも原因があるのですね。

「学生時代にスポーツで筋量があっても、社会人になり運動する機会が減れば、徐々に筋量は少なくなり、大量の筋肉が一気にしぼんでしまいます。特に、デスクワークなどでは、上腕を使うような頻度が減りますから、二の腕の筋量が落ちるのではないでしょうか。

皮膚は、学生時代よりも少しずつ薄くなり始めるため、肌のたるみと合わせて、一気に、二の腕がたるみ、いわゆる『ふりそで』になってしまいます。ですから、やはり、運動をいきなりやめることが、二の腕のたるみの大きな原因になるといえるでしょう」(小林先生)

二の腕のぶつぶつはどうして起こる?

小林先生、二の腕というと、ふりそでの他にもうひとつ、「二の腕のブツブツ」に関するお悩みも多いと聞きます。「二の腕のブツブツ」は、どういった原因でできてしまうのでしょうか。

「これは、『毛孔性苔癬(もうこうせい たいせん)』といいます。思春期の腕や下肢にみられる『サメ肌』のようなブツブツした肌のことです」(小林先生)

きちんとした名前までは、知りませんでした。

「日本では小学4~6年生の23%に見られたという報告もあるようなありふれた皮膚の状態です。原因は不明ですが『遺伝』が考えられています」(小林先生)

以前、ビタミン不足なども原因の一つになると聞いたことがあるのですが、関係はありますか。

「昔は、ビタミンAの欠乏やホルモン異常などが原因といわれていましたが、現在は皮膚細胞の『ラミニン遺伝子の変異』が原因と考えられています。ただ、まだ、はっきりとした原因は確定されていません」(小林先生)

続けて、これらの症状の対策について、教えていただきたいと思います。

二の腕の正しいケア方法!細くなる・痩せる・きれいになるための対策

これまで教えていただいた「二の腕のたるみ」「毛孔性苔癬」の改善策について、まずは、二の腕のたるみに関するアドバイスをいただけますか。

「二の腕のたるみには、『たるむ前に筋量を維持していくこと』が理想です。ただ、たるみが出てしまったら、基本ですが『定期的な運動で筋量を維持・増やす』ということが大切です。
特に、『上腕二頭筋(いわゆる「力こぶ」ができる部分」)』、『上腕三頭筋(その下側の「ふりそで」になってしまう部分)』の両方を使うようなエクササイズが有効です」(小林先生)

毛孔性苔癬には、どういった対策が有効ですか。

「ブツブツができたからといって、ゴシゴシこすりすぎるのは皮膚に良くないので、お風呂などで、こすりすぎないようにしましょう。

毛孔性苔癬は、『毛穴に角栓(かくせん:皮脂や角質などが毛穴の中で固くなったようなもの)がつまったような状態』なので、角栓を滑らかにするような働きがある『尿素入りクリーム剤』などを塗ったりするのがおすすめです」(小林先生)

毛孔性苔癬は、まずは、市販の尿素入りクリームで試してみる価値がありそうですね。二の腕のたるみは、改めて、エクササイズが有効であるということが分かりました。

筆者が調べたところ、両腕を真横に伸ばして、手のひらを上、下に返す(手首をひねるような)エクササイズや、ふりそで部分の筋肉を意識しながら、腕を上下に曲げ伸ばしするといった手軽なエクササイズでも、一定の効果は期待できるようです。

毛孔性苔癬に困ったら!クリニックだからできる治療法がある

毛孔性苔癬に長年、悩んでいる方も少なくないようです。自分でケアをしても、あまり改善されない場合に、クリニックではどのような治療をしていただけるのでしょうか。

「皮膚科に相談すれば、『尿素入りクリーム』や『サリチル酸ワセリン』など角栓を滑らかにするような塗り薬が処方されるでしょう。ただ、クリームだけでは、ざらつきは若干なめらかになりますが劇的な変化は難しいことが多いです」(小林先生)

なかなか手ごわいのですね。

「そうですね。そんなときは、『レーザー』や『ピーリング』など、美容皮膚科で施術することもできます。

『毛孔性苔癬』は年齢とともに自然によくなるといいますが、一番気になる年頃の思春期~20代頃に、ざらつきが最も目立ちますから、『レーザー』や『ピーリング』などをおすすめすることも多いです」(小林先生)

メスなどを使わないレーザーや薬剤による治療で、改善できるのなら、嬉しいです。

「当院の例でいうと、『ピーリング』や『イントラセル』といった治療をおすすめしています。『イントラセル』とは、超極細針を皮膚に挿入し、針先のみに『RF(ラジオ波)』を照射して、ブツブツを改善していくような施術です」(小林先生)

針と聞くと、ちょっと痛そうで怖い感じがしてしまうのですが…。

「通常は、治療前に麻酔クリームなどを使用するので、ほとんど心配はいりません。ダウンタイムですが、お顔の毛穴の開きやニキビ、たるみ対策としても使われる施術法で、その場合も、個人差はありますが、赤みが出る程度で、翌日にはメイクも可能なほど少ないです」(小林先生)

二の腕のブツブツ・毛孔性苔癬に悩んだら、皮膚科や美容皮膚科に相談するのが賢明なようです。

手の甲で年齢がばれる?!シワ・シミ・血管浮きの原因

小林先生、親しい女性たちの間でも、手の甲に関するお悩みの声を数多く聞きます。特に、若い頃にはなかった「手の甲のシワ・関節ジワ」、「シミ」、「血管浮き」が3大お悩みだと感じています。これらを引き起こす主な原因や症状などについて、詳しく教えていただけますか。

「先述のように、皮膚のハリは年々低下し、たるみます。それに加え、手は、『日焼け』や『日常の家事』など『環境因子による影響』も受けやすく、『皮膚のシワやシミ』ができやすいのです」(小林先生)

加齢にともなう老化と環境因子のダブルパンチが起これば、顔などよりも早く、手の老化が始まりやすいという現状にも納得です。血管浮きについては、どういった原因があるのですか。

「老化とともに、血管も『固く』『血流も滞りやすくなる』ので、その結果、血管が怒張(どちょう=太くなる)して、血管が目立つようになります。いわゆる『血管の老化』と関係していると考えられます」(小林先生)

血管浮きは、血管が固くなったり血流が滞ることが主な原因だったのですね。小林先生には、これら手の老化対策やケア方法について、引き続き、教えていただきます。

手の老化の予防&若返り法!自分でできる手の甲のシワ・シミ・血管浮き対策

先のような手の老化ともいえる症状は、比較的早く出る人とある程度の年齢になってもきれいで遅く出る人など個人差が大きいように感じます。手の老化を遅らせる・予防する方法があれば教えてください。

「年齢による老化は防ぎにくいですが、環境因子による老化はある程度防止することができます。以下の2つのポイントをお教えしましょう。

*日焼け予防
小さいころの日焼けも影響してきますから、なるべく早いうちから『日焼け予防』をすることが大切です。また手は、洗う機会が多く、日焼け止めクリームなども落ちやすいことから、小まめに塗り直すといったケアが大切です。

*保湿ケア
ハンドクリームなどの保湿ケアに加え、家事などでは『手袋を使う』ようにするなど、なるべく手に負担がかからないようにしてあげることが重要です。

中でも、洗い物をする際、お湯を使って、スポンジやたわしを『素手で強くこする』と、指先も強くこすれて『手荒れ』をする原因になります。また、掃除で使う『強い洗剤などを直接触る』ことも避けましょう。

『日焼け(紫外線)対策』、『手袋の使用』、家事などの後は『小まめな保湿』を実践して、環境因子による悪化をなるべく避けることがポイントといえます」(小林先生)

手の紫外線対策や保湿ケアは、忙しいと、後回しになりがちですが、これからは、さらに、意識していきます!

「血管浮きですが、『脱水の状態』でも血管は浮きやすくなるので、脱水にならないよう適度な水分補給を心がけましょう。

また、いわゆる『脳卒中』や『高血圧』の原因としても、この『血管の老化』というのは関係してきます。それらを予防する意味でも、血管が固くならないような『バランスの良い食生活』を送ることが、大変、重要です」(小林先生)

バランスの良い食事の大切さは分かっていても、なかなか難しい日もあるのですが、美容・健康、どちらの面からも大切なので、これからも、心がけていきたいと思います。

手の甲の若返り法!クリニックだからできる治療法

【50代女性・手の甲の若返り】プレミアムPRP皮膚再生療法(before)
【50代女性・手の甲の若返り】プレミアムPRP皮膚再生療法 (after)
先ほどのようなケアを続けても、手の甲のシミが気になる場合やすでに進んでしまった手の血管浮きなどについて、クリニックに相談すると、どのような治療を行っていただけるのでしょうか。

「シミは、レーザーなどの機械系処置で、『かさぶた』にして『薄くしていく』ことができます」(小林先生)

お顔のシミなどに有効なレーザー系の治療法は、手のシミにも有効なのですね。

「血管浮きについては、周りの皮膚が薄く血管も固くなって浮いて見えるような状況には、『注入療法』が有効です。

『注入療法』によって、皮膚を厚くしてあげ、手の皮膚に弾力が戻ると、血管が目立たなくなって若々しい肌になります。その際、顔のシワ治療で人気のヒアルロン酸注入は、手のシワや血管の浮きには適応外なので、注意が必要です」(小林先生)

わかりました。では、血管浮きには、どういった注入療法があるのでしょうか。

「血管浮きの治療について、当院の治療法を例にいうと、『プレミアムPRP皮膚再生療法(FGF添加PRP注入)』という施術法があります。

手の皮膚がふっくらと改善することで、写真の例のように、血管浮きなどが目立たなくなります。1回の施術で効果が3年以上持続するため人気の施術なんですよ」(小林先生)

手のシミや血管浮きも、現代の医療なら改善できる可能性が高いとは、心強いですね。

【画像提供:聖心美容クリニック】

忘れないで!肘のガサガサ・黒ずみ|ひじのケア法・治療法

二の腕から手にかけてのラインの中で、意外と忘れがちなのが、肘(ひじ)のガサガサや黒ずみだと感じます。これらも、年齢が出やすいところだといわれていますが、原因について教えていただけますか。

「肘は、ほおずえをついたり、腕を動かしているときに衣類とこすれたりと、摩擦が起きやすい部分です。『摩擦』によって角層が厚くなり色素沈着するため、黒ずんできます」(小林先生)

日常によくある行為でも、それが30年と続けば、ダメージになりますね。肘をきれいにするための先生おすすめのセルフケア法はありますか。

「摩擦などの刺激で黒ずみが起きてきますから、なるべく、『摩擦の起きやすい場所などに、直接、肘をつかない』ことが大事です。

手作業をする際などで、どうしても、長時間、肘をつくようなときは、クッションをしたり、肘部分を厚い衣類で覆うなどして、『摩擦を和らげる工夫』をすると良いでしょう」(小林先生)

普段は、意識することが少ない肘ですが、これからは気をつけたいと思います。

「摩擦により、『保湿も失われている』ことも多いので、『保湿クリームなどによって皮膚を保護』してあげることも有効だと考えます。また、黒ずみなどが気になる場合、洗顔料などで洗うことも良いと思いますが、その際は、洗顔料は泡立てて優しく洗いましょう。ゴシゴシこするのは逆効果ですよ」(小林先生)

もし、肘のことでクリニックに相談したときには、どういった治療をしていただけるのでしょうか。

「黒ずみに対しては、『美白剤』や『保湿剤』、また『ビタミンCなどの外用剤』をお出ししたりします」(小林先生)

肘の黒ずみについても、美容皮膚科などであれば、相談や治療をしていただけるのですね!

「そうですね。でも、まずは、日常的に、必要以上の『摩擦をいかに避けるかを工夫』してみましょう。肘の黒ずみは、何年も摩擦、刺激が加わった結果なので、まずは根本的なことですが、無意識に肘をついてしまう癖などを治すようにするところから、気を付けると良いと思いますよ」(小林先生)

気になる外見、というと、ヒップラインやお腹周りなどに、つい気持ちが傾きがちですが、二の腕~手にかけてのラインは、ノースリーブや夏のワンピーズなどを着たときに、とても目立つ部位であり、若い人との差(=老化)が出やすいラインです。あなたも、早速、二の腕~手のケアをはじめてみませんか。
■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。
■監修
小林 美幸 先生
聖心美容クリニック熱海院 院長/皮膚科専門医

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