【医師に聞く】美唇!になる|唇トラブルの原因~正しいケア&対処法

【医師に聞く】美唇!になる|唇トラブルの原因~正しいケア&対処法

潤いあるぷるぷる美唇は憧れですが、実際には、唇の乾燥、荒れ、腫れる、できものができたといったお悩みを抱える女子が多いそう!そこで、アオハルクリニック院長である小柳衣吏子先生に唇の荒れの原因や治療法、手軽にできるケア方法についてお伺いします!
教えてドクター! 唇トラブルの原因と正しいケア 小柳衣吏子先生

唇のかさつき!唇の乾燥はどうして起こる?

楽しいイベントやレジャーが多くなり、新しい出会い(恋のはじまり…)の機会も増える夏が始まります。でも、その前に、美BEAUTE女子なら、しっかりケアしておきたいのが「唇」!それは、女優さんのようなぷるっとしたセクシーな美唇は、魅力的な大人女子を演出するのに必要不可欠なアイテムだからです。

そこで、美容皮膚科医で、とても魅力的な唇をお持ちのアオハルクリニック院長、小柳衣吏子先生に「唇のケア」についてお伺いしていきたいと思います。

早速ですが、小柳先生、冬の乾燥する季節に限らず、「唇が乾燥」して困っているという女性が多いと聞きます。唇が乾燥してしまう主な原因には、どういったことが考えられるのでしょうか。

「季節に関係なく、唇が乾燥する原因となるのは、主に以下の2つの理由があると思います。

*そもそも、ふやけて乾燥しやすい場所
口唇は、そもそも体の中でも特殊な皮膚です。皮膚粘膜移行部といって、唇は粘膜に近く、常に濡れている状態なのでふやけやすく、その結果、他の皮膚よりも、乾燥しやすい状態にあります。

*なめてケアしている人が意外に多い
唇の乾燥を感じたときに、無意識のうちに、なめて唾液でケアしてしまうという方が意外に多いように思います。唾液で水分を補ったつもりでも、それは逆効果で、かえって乾燥を引き起こしてしまいます」(小柳先生)

このお話を聞いて、筆者自身も唇を意識してみたところ、舌でぺろっとしている自分に、改めて気がつきました。唇の乾燥の原因として、無意識になめてしまうというのは、少なくないのかもしれません。

唇の荒れ・唇の皮むけ!その原因とは?

唇の乾燥だけでなく、唇の荒れが慢性化している、唇の皮がむけやすいといった悩みをもつ女性も多いそうです。

小柳先生、季節に関係なく、唇が荒れてしまう場合は、どのような原因が考えられるのでしょうか。

「唇は、先ほどもお話ししたように、皮膚粘膜移行部で、汗腺や毛包などがなく、角層が薄いといった組織学的特徴があります。角層は、体の内側を外界から守るバリアーとして大切な組織ですよね。そのため、唇は荒れやすいのです。

中でも『外気の湿度』が大きく影響するので、通常は外気の湿度が低い冬場に多く、湿度が上がってくる春や夏場には、減る傾向にあります。ただ、冬以外でも、冷房などで乾燥した室内にいることが多い方などは、夏でも、乾燥して、唇が荒れてしまうことがあると思います」(小柳先生)

唇の荒れを防ぐためには、これからの季節も油断しないことが大切なのですね。

「また夏の季節に多いのが、『紫外線による皮膚の乾燥』です。

夏の強い紫外線で大きなダメージを受けた肌は、ターンオーバーが亢進し、さらにバリア機能が低下するため、肌内部の水分を保持する機能も低下しますので、より乾燥しやすく、荒れなどを起こしやすいのです。これは、夏の強い紫外線を浴び続けた唇も同様なので、注意が必要です」(小柳先生)

唇の乾燥・荒れを防ぐ予防法・正しい対処法

唇は元々乾燥しやすく、荒れを起こしやすい部位だとわかりました。こういった唇の乾燥や荒れを予防・ケアするための方法について、アドバイスをいただけますか。

「唇の皮がむけたり、唇が裂けてしまうなど、唇の荒れがひどいときは、お化粧品の口紅の使用は控えて、保湿系のリップやワセリンなどで、しっかり保湿ケアをしてあげると良いです」(小柳先生)

自分の唇の状態に合わせて、口紅とリップを、うまく使い分けていきたいと思います。

「また、唇の荒れまでは至らないものの、唇の乾燥がひどい方、常に気になるという方も、1年を通して、保湿系のリップを小まめに塗ってケアすることで改善していくでしょう」(小柳先生)

春や夏になると、つい唇の保湿を忘れがちになってしまいます。

「手荒れがひどい方が、ハンドクリームを手元に置いて、頻繁にケアするのと同じように、リップクリームも常に身近な場所に置いて、乾燥に気づいたら、リップを塗るということを意識すると良いでしょう」(小柳先生)

症状がひどくないと、つい怠りがちな唇ケアですが、潤い唇を目指すためには、「手元にリップ!」がポイントとなりそうです。

唇が腫れる・できもの・ピリピリする!口唇ヘルペスかも?

先ほどまでの唇の乾燥や荒れとは別に、唇がただれてしまった、おできのようなものができてしまったという話を聞きました。こういった症状では、一般に、どういった原因が考えられるのでしょうか。

「唇がただれてしまったということで来院される患者さんで多いのは、『口唇(こうしん)ヘルペス』です」(小柳先生)

口唇ヘルペスとはどういったものなのですか。

「これは、『単純ヘルペスウイルス(単純ヘルペス1型:HSV-1)』というウイルスによるもので、唇や唇と皮膚との境目に小さな『水疱』が集まってできるのと同時に周りが赤くなります。初期のころは、変な違和感あり、そのうちしびれてきたり、ピリピリした痛みなどを感じることが特徴です」(小柳先生)

口唇ヘルペスはどのようにして感染するのですか。

「子どものころに、初感染しますが、多くが『不顕性(ふけんせい)感染』といって、気づかずに終わります。しかしウイルスは体の中(神経節細胞)に潜伏感染していて、一定の期間で再び活発化して『再発型の口唇ヘルペス』を引き起こします」(小柳先生)

症状が治まっているのに、ウイルスはなくなっていないのですか!

「以下のようなときは、ウイルスが活動期に入って口唇ヘルペスを発症しやすくなるので、特に注意が必要です。

*寒冷などで唇が乾燥しているとき
*強い紫外線(日焼け)などで唇がダメージを受けたとき
*発熱時、胃腸障害時、ストレスが多いときなど
*体が疲れたときなど体の免疫機能が弱っているとき など」(小柳先生)

唇のあたりがピリピリしたり、しびれるような感覚など、違和感を覚えたら、要注意なのですね!しっかり注意していきます。

唇付近の腫れ・できものの原因|口角炎

口唇ヘルペスであれば「水疱」ができるとのことですが、水疱ができない唇のトラブルもあるように思います。これには、どういった原因が考えられるのでしょうか。

「この他には、『口角(こうかく)炎』という疾患もあります」(小柳先生)

口角炎の症状についても教えてください。

「口角炎は、病名通り、口角(=唇の端)に赤み、びらん、亀裂、皮むけを起こす皮膚症状のことです」(小柳先生)

筆者も過去に、口角が裂けて辛かった経験があります。

「この口角炎は、以下のようなときに起こりやすいとされているので、口角炎になったら、栄養面や健康面などについても、注意していきましょう。

*ビタミンB2不足
*全体的な栄養不足
*義歯が誘因となっている
*胃などの消化器官が弱っている、荒れている など」(小柳先生)

栄養不足や胃腸の疲れなどが、口角に症状となって現れるとは知りませんでした。以後、口角炎の症状が出たら、栄養や体調などについても気をつけたいと思います。

唇のトラブルとアレルギー・アトピーとの関係|口唇炎

小柳先生、先ほどの原因や症状の他に、アレルギーと関連する唇のトラブルなどもあると聞いたのですが、詳しく教えていただけますか。

「『アレルギー性接触皮膚炎』ですね。唇がかゆくなり、赤くなったり、腫れたりします。

原因物質はさまざまで、『歯磨き粉』や『口紅』、『食べ物』などがあげられます。原因物質は人それぞれで異なりますので、『アレルギー性接触皮膚炎の口唇炎』の場合、まず原因物質を同定し、それを取り除くことが大切ですね。

最初のうちは、唇がムズムズするといった軽い症状であることが多いのですが、そのうち唇が腫れてしまうこともあります」(小柳先生)

では、違和感を覚えるようなら、その食べ物を避ければ良いのでしょうか。

「そうですね。さらにこういったケースでは、共通する成分や構造がある食べ物、専門用語で『交差性(こうさせい)』がある食べ物にも注意しなくてはいけません。

例えば、トマトにアレルギーがある人は、メロンやスイカについても注意が必要なのです。また漆塗りのお箸を使うと手がかゆくなる、時に唇がかゆくなるという人は、マンゴーは食べない方がよいでしょう」(小柳先生)

好きな食べ物だと、多少の違和感があっても、つい食べ続けてしまいますが、注意していきたいと思います。

「この他にも、『アトピー性皮膚炎の方に起こる口唇炎』など体質によって荒れが起こりやすい方、また、明確な原因が特定できない例などもあり、一概に、唇の腫れ、できものといっても、原因や症状はさまざまなのです」(小柳先生)

唇が腫れる・できものができた!ときの正しい対処法|病院で治療

唇が腫れる、できものができるといった症状に関する代表的な症例を教えていただきましたが、こういった症状が出たときの正しい対処法について、アドバイスをいただけますか。

「食べ物などによるアレルギーが疑われるときは、その食べ物をできるだけ避けた上で、速やかに、皮膚科に行き、『アレルギーに関する検査』を受けることをおすすめします」(小柳先生)

わかりました。

「その他の唇の腫れ、できものについても、早めに『皮膚科』を受診して、その人の原因や症状にあった治療を受けることがとても大切です」(小柳先生)

一般的に皮膚科ではどのような治療をしていただけるのですか。

「皮膚科専門医が問診、症状を診察し、診断します。その上でその疾患にふさわしい治療ということになります。

ですから、ここでどういった治療とお伝えするのは難しいのですが、一般には、外用薬(ステロイドなど)や内服薬による治療が行われます。いずれの場合でも、症状が悪化する前に、皮膚科の医師に相談して、きちんとケアしていくことが大切です」(小柳先生)

潤い唇を目指せ!リップ・口紅の選び方と避けたい成分

ここからは、魅力的な潤いある美唇を目指すために、日常生活で気を付けるべきポイントなどを、教えていただきたいと思います。

小柳先生、潤いのある美しい唇を手に入れ、維持するために、おすすめのリップ・口紅の選び方と避けるべき成分について教えてください!

「そういうご質問なら、信頼できるメーカーのものを選ぶという点くらいでしょうか。

特に、きちんとしたメーカーが作った日本製のリップや口紅であれば、唇の荒れを引き起こしやすい危険な成分や避けた方が良い成分などが含まれているものは、あまり見かけないように思います。ただし、少しでも違和感を感じたら使用はやめてくださいね。

また、唇に潤いをもたらすためには、パッケージに保湿効果の書いてある製品を選び、小まめに塗ることが大切です。仕事中なども忘れずに、自分にあったリップなどで小まめな保湿を心がけましょう」(小柳先生)

香料などで荒れるという声を聞いたことがあるのですが。

「唇の荒れなどを引き起こす成分は、人によって異なるので、ここで、〇〇という香料が危険、××という成分を避けるべきと名前を挙げるのは難しいです。

ですから、もし、口紅などに含まれる成分が自分に合わないと感じたときは、その成分が含まれたものを避けるというのがベストといえます。また、あまりにも安価な口紅などについては、ちょっと注意をした方が良いかもしれませんね」(小柳先生)

今どきの日本製のリップや口紅は優秀なのですね!とはいえ、油断はしないで、品質や成分などにも注意を払いながら、自分にあったリップ・口紅を選んでいきましょう。

潤い唇になるためのリップ・口紅の正しい使い方

とても魅力的な唇をお持ちの小柳先生ですが、潤いのある美しい唇を手に入れ、維持するために、先生が実践していらっしゃる秘策を教えてください!

「私は、クリニックや自宅のいろいろなところに、リップクリームを置いて、気がついたらすぐに保湿できるようにしています」(小柳先生)

診察中などは口紅によるメイクが欠かせないと思いますが、仕事中のリップは、どのように塗れば良いのですか?

「口紅の上からで大丈夫です。口紅の上からリップを重ね塗りしています」(小柳先生)

口紅とリップは別物というイメージがあったのですが、重ね塗りがOKなら、仕事中でも、簡単に唇の保湿ケアができます!

「それと、ゴルフなどアウトドアスポーツをするときや海や山でのレジャー、お子さんの運動会など、強い日差しの元、外で活動する際のケアも重要です。

それは、『外気の風』や『紫外線(日焼け)』は唇の乾燥や荒れ、唇の腫れなどを引き起こす原因となるからです。この場合も、保湿系のリップをしっかり塗って、唇をケアしてあげましょう」(小柳先生)

わかりました。

「また、先ほども少し触れましたが、唇がひどく荒れているようなときは、化粧品の口紅はしばらく避けて、保湿力があるリップやワセリンなどでしっかりケアしてあげるのがポイントですよ」(小柳先生)

最近は、UVカット機能があるリップやほんのり色がつくリップもあるので、自分の唇の状態にあったリップや口紅をみつけて、お肌同様、しっかり対策をしていきたいと思います。

ぷるぷる唇になりたい!クリニックで受けられる唇の治療法

女優さんのようなぷるぷるな潤いある唇になるために、クリニックで受けられる唇の治療法について教えていただけますか。

「唇が荒れているようなときは、その人に合った外用薬や内服薬を処方して治療していきます。唇の乾燥が改善されて、唇に艶が出てくれば、口紅などがはえる潤いのある唇に変わっていくと思いますよ」(小柳先生)

唇で困ったときは、早めに皮膚科に相談するのが適切ですね。

「また、唇は、加齢とともにしぼんでいきます」(小柳先生)

唇がしぼむんですか?

「そうですね。ご高齢の方で、ぷるぷるのボリュームある唇をお持ちの方というのは、あまりお見かけしませんよね」(小柳先生)

そういえば、あまりお見かけしないです。

「加齢に伴う唇のボリュームの低下や元々唇にボリュームがなく悩んでいる方には、美容皮膚科などのクリニックで受けられる、『ヒアルロン酸注射』がおすすめです」(小柳先生)

シワの改善やお顔のハリ改善には、ヒアルロン酸注射が有効であることは知っていましたが、唇にも効果的なのですか!

「一般に、唇にボリュームをもたせたいときにも『ヒアルロン酸注射』は有効で、当クリニックなどでも施術しています」(小柳先生)

施術時間やダウンタイムなどについて教えてください。

「メスなど使わずに、注射だけで行えるもので、唇であれば、施術時間は10分程度です。施術後、内出血や多少腫れるようなケースもありますが、一般に、2日前後で目立たなくなり、1週間程度で自然な状態に落ち着きます」(小柳先生)

たった10分程度で、憧れの唇に近づけるのなら、唇のボリュームのなさなどに悩んでいる方は検討してみるのも良さそうですね。効果はどれくらい持続するのでしょうか。

「平均的な持続時間は、個人差がありますが、約半年~1年程度です」(小柳先生)

半年~1年に一度程度の施術で良いのなら、忙しい方でも続けてケアできそうです。

「唇の保湿はつい忘れがちかもしれませんが、お風呂上りの肌を保湿ケアするときに、唇も一緒に保湿ケアをする習慣をつけていくと良いと思います。唇も乾燥や紫外線によるダメージを受けやすいということ知って、これからの季節も正しくケアしていきましょう」(小柳先生)

これからの楽しい季節に向け、つい忘れがちな唇についても、しっかり保湿&UVケアを続けて、潤いある魅力的な美唇を目指しましょう!
■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。
■監修
小柳 衣吏子 先生
AOHAL CLINIC アオハルクリニック 院長/皮膚科専門医

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