食事改善と筋トレが鍵!代謝を上げるダイエット生活のコツとは

食事改善と筋トレが鍵!代謝を上げるダイエット生活のコツとは

ダイエットを成功させるためには、代謝のよい体作りが必要……そう知ってはいても、どうすれば代謝が上がるのか、具体的にはよくわからないことも。たくさん汗をかけばよい気がするけれど、まずは食事改善が必要だそう! 管理栄養士の先生に話を聞きました。
美容のプロに聞く! 代謝を上げて痩せやすい体を作る! 梅原祥太さん

効率よくダイエットするのに必要な「代謝」の役割とは?

代謝がダイエットに関わることはわかっていても、どうすれば代謝のよい体を作れるの? そんな「代謝」についてのさまざまな疑問を、多くの女性に食事カウンセリングをおこなっている、管理栄養士の梅原祥太さんに聞きました。ホットヨガやランニングなどの運動をしたり、時間をかけて半身浴したりして、たっぷりと汗をかけば代謝が上がるのでしょうか?

「実はそれらの行動は、かえって代謝を下げてしまう可能性があります。発汗によって代謝が上がると思い込んでいる方は多いのですが、発汗には体の体温を下げる働きがあります。有酸素運動や入浴で強制的に体を温めると、体は自然と汗を出して、体内を冷やそうとするのです。体温が下がると代謝は下がってしまうので、ダイエット目的でしていたはずの運動や入浴のせいで、かえって代謝の低い体、つまり痩せにくい体ができてしまうこともあるのです」(梅原さん)

夏は汗をかくから痩せやすい……というのは完全に思い込みで、汗をかく時期は体が冷えて代謝が落ち、かえって痩せにくいこともあるようです。そもそも「代謝」とは、なんなのでしょうか?

「代謝は、人間が生きるために必要なエネルギーを取得するための作用です。食事のあと、体内では消化と吸収がおこなわれ、その次にあるのが代謝です。取り込んだ栄養素を血液や筋肉、肌や髪など、体を構成するものに回したり、活動するためにエネルギーを消費したりする、すべての反応を『代謝』と呼びます」(梅原さん)

代謝のよしあしが、人によって異なるのはなぜ?

人が生きるうえで必要な代謝。代謝が活発だと痩せやすいのは、一体なぜなのでしょうか?

「代謝には3つの種類があります。代謝のうち、約6割を占めているのが『基礎代謝』。これは、寝ているだけでも自然とおこなわれるエネルギーの消費です。約3割を占めているのが『活動代謝』で、これは運動などで体を動かしているときにおこなわれます。さらに、残りの1割に『DIT(食事誘導性体熱産生)』といって、食事を摂ることでおこなわれる代謝もあります」(梅原さん)

なぜ、代謝の高い人と低い人が分かれるのでしょう?

「さきほどお話をしたように、体温が低いと代謝は下がってしまうので、体温が35度台のように低体温の人は、代謝が低くなりがちです。また『基礎代謝』は、脳や内臓などが活動する際にもおこなわれますので、内臓機能が落ちている人は代謝が下がりやすいです。さらに、ダイエットによって、いつもカロリー不足に陥っている人も代謝は落ちてしまいます」(梅原さん)

食事制限によるダイエットで、代謝が落ちてしまう理由

痩せたい女性の多くが取り入れるのが、食事量を減らすことでカロリーを下げながら、同時に運動を取り入れるダイエット方法。しかし、その方法が代謝を下げ、痩せにくい体を作ってしまうとか……。

「日本人女性のほとんどがカロリー不足。しかも、摂取する栄養素の内訳を考えずに、ただカロリーだけを減らしてしまう方が多いので、動くためのエネルギーがいつも足りない状態です。そうすると、体はあえて代謝を落とすことでエネルギーの消費を抑え、少量のエネルギーでも生きていけるようにします。そうなると、本来は代謝によってエネルギーとして使われるはずの脂肪まで、使われずに体内に溜まってしまうのです」(梅原さん)

よかれと思って取り入れている運動が代謝低下につながるのは、さきほどおっしゃっていたように、発汗によって体温が下がるからですか?

「それもありますが、食事制限とセットで有酸素運動をおこなっている場合は、さらに代謝の低下が顕著です。運動をすると確かにカロリーを消費するのですが、あわせてさまざまな栄養素もたくさん消費します。だから、運動をする人は本来、普通の人以上にしっかりと食べて、多くの栄養素を摂取することで、代謝が活発になります。それなのに、少量しか食べていないと、運動によって失った栄養を補給できないので、体内で代謝によるエネルギーを生み出せず、代謝はどんどん落ちてしまいます」(梅原さん)

代謝アップのために、まず見直したいのは食事から!

つまり、もともとは痩せたくておこなっていたはずの食事制限や有酸素運動による発汗が、カロリーや栄養不足を招いて、代謝をどんどん下げてしまうのですね……。では、代謝を上げるためには、まず食事から見直す必要があるのでしょうか?

「はい、基礎代謝を上げるためには、食事の見直しは絶対必要です。30代後半の女性だと、厚生労働省による食事摂取基準としては、1日に1650kcalくらいの摂取が推奨されているのですが、痩せ願望の強い女性のほとんどが足りていません。体に必要なカロリーを摂取することが大切ですが、もちろんただ高カロリー食品を食べればよいわけではなく、栄養素の内訳も考えながら食べることが必要になります」(梅原さん)

栄養素の計算をしながら食事をするのは、なんだか難しそう……と思ってしまう人も多いはず。もっとも気にしたい栄養素はなんでしょうか?

「三大栄養素のなかで、まずは、たんぱく質と脂質を見直したいところです。たんぱく質は肉や魚、卵などに含まれ、筋肉や血液、骨、肌、髪、爪など、体のあらゆる部位の材料となる成分なので、体内の機能を整えて代謝を上げるために必要です。さらに、たんぱく質には筋肉の分解を防ぐ性質もあり、活動代謝を上げるために必要な筋肉の分解を防ぐためにも、たんぱく質は必要になります。そして、脂質も重要です。脂質はホルモンの材料になり、ホルモンのなかには代謝を促進する作用があるものもあります。ダイエットのときに『カロリーが高いから』と、肉や魚などの動物性食品を抜く人が多いのですが、それらには良質な脂質がたくさん含まれています。また、アマニ油やエゴマ油など、液体のオイルを摂取する人も多いのですが、わざわざ油を取り入れるよりも、肉や魚などの食材を食べることで脂質を摂取することをおすすめします」(梅原さん)

代謝を上げるために摂りたい、たんぱく質と脂質の量は?

具体的に、どのくらいの量のたんぱく質と脂質を摂ればよいのでしょうか?

「個人の運動量によっても異なりますが、普通に暮らす30代の成人女性であれば、1日あたりで1000kcalは切らないようにすること。その内訳として、たんぱく質量を60~70gは摂取したいところです。また、脂質は少なくとも40gはほしいですね」(梅原さん)

たとえば、赤身肉100gあたりのたんぱく質量は約20gですが、自分で計算するとなると難しそう……。そこで、梅原さんに「たんぱく質量60g、脂質量40g」をクリアする1日の献立を教えてもらいました!

朝:卵2個(たんぱく質13g)、納豆ごはん(たんぱく質8g)
昼:魚の切り身を1切れ、または赤身肉100g(たんぱく質20g)
夜:魚の切り身を1切れ、または赤身肉100g(たんぱく質20g)
※魚は青魚のなかでも、脂質豊富なサバがおすすめ。肉は牛や豚、鶏いずれでも。バラ肉など脂質が多いもの以外は、たんぱく質が豊富です。

「この献立であれば、同時に必要な量の脂質もギリギリ確保できます。ただ、これで700kcal弱なので、上記を最低限として、糖質やビタミン、ミネラル、食物繊維などをプラスしていきます」(梅原さん)

代謝アップに必要な筋肉をつけるには、糖質の摂取も大切

ここで気になるのが、糖質の摂取量。糖質制限ダイエットのブームによって「糖質は太る」イメージが強く、避けてしまう人も多いようですが、やはり代謝を上げるためには糖質も必要なのでしょうか?

「活動代謝を上げるためには、筋肉をつけることも大切なのですが、そのために糖質は必要です。糖質はもともと、運動のメインエネルギーとなるものです。糖質を摂取して血糖値が上がると、インスリンというホルモンが分泌されるのですが、そのインスリンは筋肉の合成に必要な成分。極端に糖質をカットしてしまうと、筋肉はつきにくくなります」(梅原さん)

では一体、1日どれくらい摂取すればよいですか?

「普通に暮らしている場合は、1食あたり糖質40~50g、1日あたり120~150gを目安にするとよいでしょう。ご飯茶わんに白米を軽く一杯(100g前後)で、糖質は40g程度です。そこに、ほかのおかずで10g程度の糖質をプラスできます。運動量の多い方の場合は、もっと糖質を摂取したほうがよいですね。糖質には筋肉の合成を助ける働きがあるので、とくに筋トレをおこなう場合は、糖質の摂取がトレーニング効果を高めます」(梅原さん)

三大栄養素の代謝を上げる、ビタミンとミネラルとは?

さらに、ビタミンやミネラルの摂取も、代謝のよい体作りには必要になるそう。

「三大栄養素の代謝には、ビタミンB群が大きく関わっています。とくに、たんぱく質の代謝にはビタミンB6とB12が関わるので、ぜひ摂取したい栄養素。また、たんぱく質と一緒に血液を作る成分が、鉄分です。鉄分が不足すると、血液の巡りが悪くなるので冷えやすくなり、さらに代謝が落ちます」(梅原さん)

マルチビタミン・ミネラルのサプリメントには、ビタミンB群はもちろん、鉄分や亜鉛、マグネシウムなどがバランスよく含まれているので、食事で足りないときはサプリで補うという手も。

「バランスの取れた日本の食生活を指す『まごわやさしい』という言葉があります。『ま:豆類』『ご:ごま』『わ:わかめ(海藻類)』『や:野菜』『さ:魚』『し:しいたけ(きのこ類)』『い:いも類』の頭文字をつなげた言葉ですが、ここに含まれた食品を1日1回以上は食べることを意識すると、ビタミンやミネラルも含めて摂取しやすいですよ」(梅原さん)

代謝アップには、有酸素運動よりも筋トレが有効!

代謝アップをはかるためには、運動と睡眠も必要だそうです。

「活動代謝を上げるためには、筋肉をつけることが大切です。運動となると、ランニングやウォーキングなどの有酸素運動をする方が多いのですが、最終的に代謝アップを目的とするなら、筋トレのような無酸素運動が有効です」(梅原さん)

筋トレをすると、ムキムキして見えそうで嫌……という声もよく聞きますが、どうすれば筋トレしながら「細見え」の体を手にできますか?

「上腕二頭筋や前もものような、大きな筋肉ばかり鍛えてしまうと、太い体に見えてしまうので、鍛える箇所に気をつけたいところです。上腕三頭筋(二の腕の下側)やお腹、お尻、内転筋(ももの内側)、ハムストリング(ももの裏側)を鍛えると、体が引き締まって細く見えます。筋トレは、ひじやひざの曲がり方ひとつでも鍛えられる箇所が変わってしまうので、フォームに気をつけたいところです」(梅原さん)

最近はインターネットの動画でも、プロのトレーナーによる筋トレ指南の映像がたくさんあるので、そこで正しいフォームを学べば、自宅でも腕立てやスクワットをすることは可能! または最初だけ、ジムのトレーナーさんに教わるのもよいかもしれません。

「さらに、代謝を上げるためには、睡眠も重要です。睡眠不足に陥ると、人の体にあるレプチンとグレリンという、2種類のホルモンのバランスが乱れるのですが、それによって基礎代謝が下がってしまうのです。ちなみに、グレリンは食欲を増進させる働きがあるので、睡眠不足によってグレリンの値が増えると食べすぎるようになり、必要以上にカロリーを摂取する恐れもあります」(梅原さん)

代謝が落ちているなら、まずは焦らずに正しい体づくりを!

代謝を上げて痩せやすい体を作るためには、きちんとした「食事・運動・睡眠」が必要なのですね……。つい「手っ取り早く痩せたい」と思ってしまい、遠回りにも感じるのですが?

「すでに代謝が落ちて、痩せにくくなっている場合、代謝を上げながら同時に痩せることはとても難しいんです。体重が減れば、どうしても基礎代謝も一緒に落ちてしまいます。ですので、まずは多少の体重増加は覚悟して、きちんとした食生活や運動、睡眠を取り戻して代謝を上げること。低体温状態から抜け出せて、代謝のよい体に整えば、自然と痩せやすい体になっていきます。それができてから初めて、脂肪を減らすためのカロリーコントロールや運動が有効になります。ダイエットは長い目で見ることが大切です」(梅原さん)

代謝が落ちているのに、必死で食事制限や無理な運動をしても無意味などころか、逆効果のことも……。まずは代謝のよい体を手に入れるために、普段の食事を見直し、筋トレ習慣を始めてみませんか?
■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。
■監修
梅原 祥太 さん
管理栄養士

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