コスメの企み第四章【カレとの距離感を操るのは肌の艶】

コスメの企み第四章【カレとの距離感を操るのは肌の艶】

美容誌『VOCE』創刊時から美容ライターとして携わる“美容界のドン”近藤須雅子がお送りする、新連載「コスメの企み」。恋もキレイも仕事も健康も……私たちはコスメの能力の5%しか使えてない? 残り95%を目覚めさせる本気の美容ネタをお届け。

男性が言う理想の肌って、本当?

言ってることとやってることがまるっきり違うじゃない!ってこと、ありますよね。好みの女性に関する男性の話は特にひどい。「さばさばした人が好き」と言ってる男性のカノジョがねっとり粘着系だったり、「化粧が濃い人は苦手」なはずの男性sが(女性から見れば)かなり手の込んだメイクの女優のファンだったり。本人は全然悪気がなくて、本心からそう思っているようなのですが。

前回紹介した調査で、テカリが非モテ肌の第3位という回答も、同様です。本気だろうけれど、本心かどうかはかなり怪しい。というのもカネボウは同時に写真による好きな肌質感についても聞いているのですが、その結果が先の調査と辻褄が合わないのです。(前回の記事参照:コスメの企み第三章【男性が好きな美肌と女子が考える美肌にはズレが】

調査では、同一女性の肌質感をマットから艶まで6段階で設定。それぞれの肌質感につて、男子学生と男性社会人にどんなイメージを受けるかを訊いています。

出典:株式会社カネボウ化粧品『20~30代男女の恋愛とスキンケアの意識調査』

調査に使われた画像を見てください。多分、多くの女性は③か④の艶加減でもテカリが気になるのではないでしょうか。⑤や⑥ともなれば、速攻で脂取り紙を使いたくなるレベルのはず。で、男性はどうかというと、前回の調査では「テカリ肌が苦手」だったはずですが、どうもそうでもないようです。

艶肌は親しみやすく、マット肌には人見知り

出典:株式会社カネボウ化粧品『20~30代男女の恋愛とスキンケアの意識調査』

ちょっとわかりにくいのですが、男性からの印象をマッピングしたのが上の表。左半分がよりオフィシャルなシーンで好ましいもの、右半分がよりプライベートな関係に求める肌質感だそうです。

たとえば、①のセミマット肌に対する感想は、よく言えばクールできちんとした印象。初対面の時はこれぐらいが落ち着くけれど、ちょっと真面目すぎて近づきにくささえ感じるようです。

もっと近い関係の同僚に対しては、②か③程度の艶が好ましいよう。さらに「彼女」のように近い関係の女性には、艶感マックスの⑤や⑥が好きだって! テカリが苦手だったんじゃないの~? 関係が近くなるほど、艶が好きってどういうこと?

テカリと艶は違うという意見もありますが、目もとの艶やかさはまぎれもなく艶ですが、写真のような額の光感に対してテカリと艶を見分けるのは女性にとっても至難の業です。ましてや男性がきちんと分けて考えているとは思えません。

要するに、学生・社会人を問わず、艶(テカリ?)があるほど、明るくフレンドリーに感じ、マットなほど真面目とかクールだと思うということ。前回の「テカリが苦手」とか「つるつるすべすべが好き」というのと、今ひとつ辻褄が合わない気がしますが、男性自身は別にヘンだと思っていないようです。推測するに、「テカリ」という言葉の語感は嫌いだけれど、彼らが言っている「テカリ」と女性が考える「テカリ」には、かなりの開きがあるということ。男性が嫌う「テカリ」は、女性にとってはほとんど「ぎたぎた」とか「ぎらぎら」レベルのアブラギッシュ(古い)な状態だと考えていいようです。つまり、非モテ肌3位の「テカリ」問題は、現実にはないも同様。かなりのオイリーギタギタ状態を指すのであって、女性が気にするレベルのテカリは、むしろ好意的に受け取られることが多いと思っていていいでしょう。

話はちょっとズレますが、男友達とライブに行ったときのこと。スリットがグワンと入ったセクシーなワンピを着ている美女シンガーを見て、友人が「ねえねえ、あれって生足?」って、やたら訊いてくるのです。シンガーは多分セクシーになりすぎないように気を遣って、生足にウエスタンブーツを合わせたコーディネイト。センスよし、です。それで「多分、生足だと思うよ」と応えたら、友人はなんだか不満そう。「ストッキング履いていた方がいいの?」と訊いてみたら、「そっちのほうがいいなあ」とのことです。

ライブのほの暗いステージでは、生足だと沈んで魅力が欠けるそう。ストッキング(多分、肌色)でちょっと輝きや艶があったほうがぐっとくるようなのです。

といっても、なぜ生足よりストッキングがいいのか、理由を整然と説明できたわけではなく、助け船を出しつつ得られたメンズの本音です。

ここで得られた教訓は、まず男性は一般論として肌の艶にナマっぽさ(リアルさと言っても)を感じて決して嫌いじゃないこと。さらに、好みの視覚的イメージはあるけれど、それを言葉にできない、もしくは正確に言葉で表現できない男性が多いこと。なので、彼の言葉が彼の思いや好みを正確に表しているとは言えず、言葉をまともに受け止めると、「言ってることとやってることが全然違うじゃんっ」という事態になるわけです。

艶の素肌感がリアルに女っぽい?

というわけで、もう一度、『男性から見た女性の理想的なツヤ肌の段階』のマトリックスを見ると、ちょっと距離がある初対面の女性や仕事の同僚などは、マット肌で“距離を詰めすぎない節度のある関係”が落ち着くけれど、彼女や恋愛対象の女性のように“お近づきになりたい”相手はリアルな艶肌がいい、という結論に。距離をぐぐっと近づけたいとか、モテ指数の高い女性らしさをアピールするには、艶肌メイクが有効というわけです。うれしいことに、今シーズンは女性自身も満足できるモード感満点の艶or光肌アイテムが充実しているから、トレンドにもばっちりフィット。モテもモードも一気に手に入る秀作が揃っています。

みずみずしい艶を増量するならRMKのベーシックコントロールカラーNの01や新しくなったポール&ジョーのラトゥー エクラ ファンデーション プライマーN、YSLの極上艶ファンデのラディアント タッチ オールインワン グロウ ファンデーション等々を。ちょい足しに便利なのが、ルナソルのラディアント スティックやコフレドールのマジカルグロウスティックみたいなスティックタイプです。

パウダー系もかつてのようにギラギラ光らず、内側から発光しているような優秀作が続々と登場。NARSの新しいハイライティングパウダーやアルマーニのネオ ヌードのパウダリーファンデーション、キッカのラディアントヌード プレストパウダーと、目移りするほどの充実ブリです。

それでは、皆さん、美しくもモードなモテ肌へ! と締める前に、もうひとつおまけがあります。

実は、先のカネボウの調査にはまだ続きがあるのです。全国的に男性は艶肌ほど親しみやすさや恋愛感情を抱くというのは、そのとおりですが、一部、例外があり。名古屋の男性だけは、よりマットな肌を好んだのです。他の地域では、ちょっと近づきがたいと受け取られるマット肌にも、ぜ~んぜん抵抗感なし。親しみを感じたというのですから、さっすがナゴヤです!

かように艶肌が好まれがちとはいっても、あくまでも一般論。女性がひとりひとりみんな違うように、男性もひとりひとり違います。と同時に、大多数の女性が好むツボがあるように、男性にも共通のツボが。艶肌はあくまでもツボと考え、あくまでもターゲット男性やカレシの好みをリサーチを優先するのを、お忘れなく。

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