【医師に聞く】チェックリスト付き!私の体の不調はアレルギーが原因!?

【医師に聞く】チェックリスト付き!私の体の不調はアレルギーが原因!?

ここ数年鼻の調子がずっと悪い、咳が長引く、何かを食べると口の中に違和感がある…。それらの症状はもしかしたらアレルギーが原因かもしれません!内科医である山浦真理子先生に大人が気をつけたいアレルギーについて詳しく教えていただきます!
アレルギーが原因!?体の不調を解説

これってアレルギーなの?!大人に多いアレルギーの代表的な症状

毎日のちょっとした体の不調の原因が、実はアレルギーによるものだったということがあるんだそう!まさか自分がアレルギーとは気がつかず検査をして初めて知ったという大人が多いといいます。そこで早速、山浦真理子先生にお話をお伺いしたいと思います。

アレルギーというと花粉症の季節に起こる鼻水・鼻づまりなどを思い浮かべるのですが、その他には、どういった体の症状があるのでしょうか?

「一口に、アレルギーといってもいろいろな種類があるので、ここでは一般的な例ということで代表的なものを挙げてみましょう。

*鼻…慢性的な鼻水・鼻づまり(鼻汁・鼻閉)・くしゃみ
*咳…乾いた咳(空咳)・痰の絡む咳
*皮膚…皮膚の乾燥、皮疹(ひしん)、蕁麻疹 など

この他、食べ物のアレルギーであれば、口腔のイガイガ感や口内炎、唇周辺の荒れといった症状が挙げられます」(山浦先生)

花粉症の季節に限らない慢性的な鼻の不調や咳などもアレルギーの可能性があるとは!

アレルギーと気をつけたい肌トラブル

皮膚の乾燥といった肌トラブルを引き起こす可能性があるアレルギー、私たち女性にとって特に気になるところです。詳しく教えていただけますか。

「皮膚の乾燥や皮疹などの他にも、普段はフケなど出ないのに花粉の時期になると頭皮が赤くなったり、ポロポロはがれ落ちるような『頭皮のフケ』が出たりというものは『アレルギー』の可能性があります。

また口周辺に荒れなどが起こる『口外炎』や『口内炎』などが起こるケースもあります」(山浦先生)

頭皮のフケがアレルギーによる可能性があるとは想像もつきませんでした。

「これらの原因には、ストレスや食生活の乱れ(ビタミン不足等)といったことが関係していることが多いのですが、合わない食べ物や花粉の時期にこういった症状が出る方もいらっしゃるので、心当たりがある方はアレルギーについても疑って、一度専門医に相談してみると良いと思います」(山浦先生)

そもそも、アレルギー反応が起こるメカニズムとは?即時型・遅延型

そもそも体の中でアレルギー反応が起こってしまうメカニズムとはどういったものなのでしょうか?

「アレルギーについてはまだはっきりと解明されていない部分もあるので、分かっている部分についてお教えしますね。

アレルギー反応が起こる原因は、元々は体にとって害のない物質(『抗原』:食べ物、花粉、薬品等)に対して、体の免疫システムが過剰に反応して『抗体』を作り出してしまうことで起こります。中でも、

◆即時型
IgE抗体によるもので、早い場合では30分以内に『蕁麻疹』『痒み』『唇の腫れ』『口腔のイガイガ感』といった症状が出るものをいいます。

◆遅延型
IgG抗体によるもので、『慢性的な鼻水・鼻づまり』『咳』『頭痛や倦怠感』といった症状が出るのですが、それらはすぐに出るのではなく数週間~数ヶ月など月単位にわたって出るような場合もあります」(山浦先生)

【チェックリスト】アレルギー性鼻炎・アレルギー咳嗽の主な症状

鼻水や倦怠感といった症状は、普通の風邪などによるものとアレルギー性のものと見極めが難しいように思います。私たちでも気がつける特徴のようなものを教えていただけますか。

「アレルギーといっても原因や症状はたくさんあるのでここで一概には言えないのですが、ダニやホコリ、花粉といった原因物質(抗原)によってみられる『アレルギー性鼻炎』『アレルギー性咳嗽(がいそう=咳)』の意外な症例をいくつか挙げてみましょう。

【チェックリスト!アレルギー性鼻炎・アレルギー性咳嗽の主な症状】

□ 普段は平気なのに、夜になって布団に入ると、咳やくしゃみが出る・止まらない
□ 普段は平気なのに、職場に行くと、咳やくしゃみが出る・止まらない
□ 一年中鼻水、鼻づまり(鼻汁・鼻閉)が続く
□ 微熱のような症状、頭痛が続く
□ いつも倦怠感がある、疲れやすい

中でも、職場に行くと体調が悪くなるという方は意外に多く、病院で検査をしてはじめて実はアレルギーによる体の不調だったと分かるケースがあります。

くしゃみや咳など、先のような症状が長期間にわたって続くとひどい疲れや倦怠感に悩まされるだけでなく、『気管支喘息』『アトピー性皮膚炎』、慢性的な症状によって『うつ症状』にまで至ってしまう方もいます。いつかは治るだろうと油断しないで、早めに医療機関を受診することが大切です」(山浦先生)

身近に潜むカビのアレルギーにも注意!

夜になって家に戻ると調子が悪いという話は聞いたことがありました!これもアレルギーの可能性があるとは…。

「職場に行くと体調が悪くなる、その原因の一つが職場の冷暖房などに潜む『カビ』です。知らないうちにカビに対してアレルギー反応が出てしまい、『鼻水・鼻づまり』『慢性の咳』『くしゃみが出る』といった症状が出てしまうという方は意外に多いです。

また、日本で多い『夏型過敏性肺炎』というものは湿気が多く、古い家に住んでいる方などで、そこに潜むある種のカビ(トリコスポロンという酵母カビの1種)が原因で、夏期をピークに『咳』『倦怠感』『呼吸不全』などの症状が現れてしまうものです。これもアレルギーによる反応で起こる疾患です」(山浦先生)

エアコンのカビなどは目に見えないだけに、自分で気づきにくい点が怖いですね。

「カビによるアレルギーは、先ほどお伝えしたような症状の他に『微熱・微熱の時のように体がほてる』『頭痛』などが続くこともあります。

アレルギーという原因が分からないままこれらの症状が続き、実際はアレルギーが原因なのに、うつ症状と誤診されてしまう例もあります。先のような症状に悩んでいる場合は、一度アレルギーの専門医に相談してみることをおすすめします」(山浦先生)

アレルギー性鼻炎・アレルギー性咳嗽の正しい予防法・対処法

身近に潜むアレルギーの怖さを教えていただきましたが、こういったアレルギー性鼻炎やアレルギー性咳嗽を予防するための上手な対策があれば教えてください!

「花粉は春だけでなく晩夏~秋にかけても飛散するものもあるので、花粉症の方は家に入る前に洋服をパタパタする習慣をつけると良いと思います。

また部屋や布団を小まめに掃除するという対策は有名で実践されている方もいらっしゃると思いますが、その際、注意が必要なのが『換気』です。

掃除をするとどうしてもチリやホコリなどが空気中に舞い上がってしまいます。それを知らぬ間に大量に吸い込んでしまうことによって、家事の後に体調が悪くなるという方も実は多いのです。

掃除をする際は、『換気』『空気清浄機』などの対策をしっかりとることが大切です」(山浦先生)

冷房中などはつい換気をしないで掃除をしてしまいます。

「掃除が原因で気管支喘息やアトピー性皮膚炎を悪くしてしまっているケースもあるので、掃除中は、できれば『マスク』『手袋』を着用することもおすすめします。できる範囲で良いので注意してみると良いですね」(山浦先生)

【チェックリスト】大人に多いフードアレルギー(即時型・遅延型)の主な症状

山浦先生、アレルギーの中でも大人になってから発症するフードアレルギーが近年増えていると聞きます。大人になってから注意すべきフードアレルギーの症状にはどういったものがありますか?

「フードアレルギーも『即時型』『遅延型』の2つに分かれます。それぞれの特徴的な例をいくつか挙げてみましょう。

【チェックリスト!即時型・遅延型フードアレルギーの主な症状】

*即時型フードアレルギー
魚貝類や果物といったある特定の食べ物を食べた後、
□ 口内や喉の辺りがイガイガする・痒い
□ 唇が腫れる
□ 蕁麻疹が出る

*遅延型フードアレルギー
□ 慢性的な微熱・頭痛
□ 下痢、時に便秘といった胃腸の症状
□ 皮膚の乾燥・皮膚が痒い
□ うつ症状、眠れない
□ 肌荒れ・大人ニキビ
□ 口内炎 など」 (山浦先生)

即時型と遅延型では出る症状が異なるのですね。

「一概には言えないのですが、食べ物を食べてすぐにアレルギー反応が出る『即時型』は、実は小さい頃から気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー系の要素を持っていたという方が比較的多く、その食べ物に関しては食べる機会がなく過ごし、大人になってはじめて食べたときに『蕁麻疹』などのアレルギー反応が出てしまったという傾向があるように思います。

『遅延型』は、今までアレルギーとは縁がなかったという方が多く、それほど大きな症状も出ないため、自分で気がつきにくい、症状が長く続く、後になってから症状がどんどん出てくるといった傾向があります」(山浦先生)

即時型フードアレルギーの正しい予防法・対処法

即時型のフードアレルギーについて正しい予防法や対処法を教えていただけますか。

「『即時型』のフードアレルギーは症状が重い傾向があり、『(全身の)蕁麻疹』『呼吸が苦しい』『アナフィラキシー症候群(気管がつまる等)』といった症状に至る方がいます。

何かを食べてちょっとでも違和感を覚えたらすぐにうがいをするなどしてそれ以上食べないようにすることが大切です。特に危険なのが喉の違和感から呼吸がしづらくなったり、喉がつまるような症状に至ってしまうケースです。

他にも首や顔に出る蕁麻疹は危険信号なので、呼吸系の症状はもちろん首から上に蕁麻疹が出た場合は、夜間であっても翌日まで待たずにすぐに救急外来などを受診しましょう」(山浦先生)

遅延型フードアレルギーの正しい予防法・対処法

遅延型のフードアレルギーについて、正しい対処法や予防法があれば教えてください!

「遅延型のフードアレルギーは現代病の一つともいわれています。

確かな原因ははっきりと解明されていないのですが、現代人の生活にみられる『生活習慣や食生活の乱れ』『不眠』『ストレス』といったことで自律神経が乱れ、免疫機能がうまく働かくなった結果、害ではない食べ物を敵とみなしてアレルギー反応が起こってしまうのではないかという研究もあります。

ですから遅延型のフードアレルギーでは、食生活を見直したり、体や心の調子を整えるように気をつけることがとても重要と考えます」(山浦先生)

仕事が忙しいからと不規則な生活や外食中心の日々を過ごしがちですが注意していきたいと思います。

「即時型、遅延型どちらのフードアレルギーにも共通していえることなのですが、家族や自分の嗜好品、健康や美容に良いと話題の食べ物はつい続けて食べてしまう傾向があると思いますが、同じものを食べ続けるとフードアレルギーのリスクを高める可能性があるといわれています。

できるだけ同じものばかりを食べ続けないように気をつけることも大切です」(山浦先生)

アレルギーになったみたい?!病院で受けられる検査法

自分はアレルギーかも?と思った方に、病院で受けられる検査法について教えてください!

「クリニックであれば、即時型を引き起こすIgE抗体について血液検査をすることができます。

ピーナッツ、そば、メロン、ダニ、花粉(スギ、ヒノキなど)、雑草、ペット(犬、猫、うさぎのフン)などかなり多くの項目の中から検査したいものを選ぶことができ保険適応内で受けることが可能です(検査の項目数は限られます)。

遅延型を引き起こすIgG抗体は保険適応外になりますが検査は可能です。数万円~かかってしまいますが、先のような症状で悩んでいる場合は医師に相談の上、受けてみるのも良いでしょう。

金属アレルギーは血液検査では見れず、現在のところ『パッチテスト』という検査法が一般的です。即時型・遅延型、希望する項目の検査が可能かどうかはクリニックによって異なるので事前に電話などで問い合わせてから受診するのがおすすめです」(山浦先生)

山浦先生、最近大手通販サイトなどで自ら血液を採って遅延型アレルギーを検査できる簡易キッドのようなものが販売されているようですが、これについてどのようにお考えになりますか。

「私が見たことがあるのはアメリカなどの海外で検査が行われるものですが、欧米人と日本人では体質や食生活などが異なるので、これだけで自己判断してしまうということには注意が必要と考えます。やはり日本の専門医に相談するのがベストだと思いますよ」(山浦先生)

アレルギーになったらクリニックに相談がポイント|治療法・お薬

検査などでアレルギーと分かった場合、クリニックではどういった治療法やお薬が処方されるのでしょうか。

「きちんと診察した上で、個人の症状にあった治療やお薬が処方されるので、あくまで一般的な例ということでお伝えしますね。

*アレルギー性鼻炎
『抗ヒスタミン系の薬(抗アレルギー薬)』の服用が一般的ですが、ひどい方には『ステロイドの飲み薬』が処方されることもあります。

*アレルギー性咳嗽(がいそう=咳)
普通の風邪などのときに出される咳のお薬は一切効きません。『抗ヒスタミン系の薬(抗アレルギー薬)』『気管支拡張薬』『ステロイドの吸入薬』などが効くことが多いです。

ステロイドの飲み薬は副作用の心配があるかもしれませんが、健康な方で医師の指示に従い短期間の服用であればほとんど心配はいりません。ただし、妊娠中・授乳中の方、その他ご高齢の方や持病のある方などは配慮する必要があるので医師に申し出てくださいね。

*フードアレルギー
即時型のフードアレルギーの場合は病院で血液検査を受けて本当にアレルギーのある食べ物を診断し、それらを食べないように生活することが基本となります。

遅延型のフードアレルギーも辛い症状を上手に和らげていかれるようにアレルギーの専門医に相談するのが良いでしょう」(山浦先生)

一口にアレルギーといっても原因や症状もさまざまで、中でも咳や倦怠感、微熱、頭痛といった一見アレルギーとは無縁に思える症状もアレルギーの可能性があるということには驚かされました。長引く体の不調がある場合は、一度検査だけでも受けてみてはいかがでしょうか。
■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。
■監修
山浦 真理子 先生
​上用賀世田谷通りクリニック 呼吸器内科

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