セルフケアのために覚えておきたい!リンパ管とリンパ節の位置

セルフケアのために覚えておきたい!リンパ管とリンパ節の位置

「リンパの流れが滞ると老廃物が溜まって、むくみやすくなる」と耳にしたことのある人は多いでしょう。でも、一般に「リンパ」と呼ばれるものの正体をきちんと把握している人は少ないはず。アロマ・リンパセラピスト協会の会長、福場美知留さんに聞きました。
健康と美容に必須!リンパの正体 福場美知留さん

なぜ、リンパをケアすると体によいの? その役割とは?

冷えやむくみが気になっているとき、よく「リンパの流れが滞っている」と言われます。そもそも、リンパとは何なのでしょうか?

「『リンパが滞る』という言葉からは、体の中を流れるリンパ液が何らかの原因でドロドロになっている様を思い浮かべるでしょう。でも、実は『リンパ』はリンパ液のことだけではありません。一般的にリンパと呼ばれるものには、体中に張り巡らされた『リンパ管』とその中を流れる『リンパ液』、リンパ管の途中に存在してろ過装置の役割をする『リンパ節』、さらにリンパ管の中を流れる白血球の仲間である『リンパ球』があります。

リンパ液は、そばを流れる静脈とともに、細胞が排出した水分や老廃物を受け取って流す役割がありますが、静脈の入り口である毛細静脈は隙間が狭く、たんぱく物質のような大きな老廃物は取り込めません。そこで、余分な老廃物がリンパ管の隙間から入り、リンパ液にのせて体を巡ります。リンパ管の途中には約800ものリンパ節があり、老廃物はそこでろ過されるのです。また、リンパ液はウイルスや菌などの異物も運ぶ役割があり、それらはリンパ球をはじめとする白血球によって、リンパ節の中で退治されます」(福場さん)

リンパ管の中を流れるリンパ液が滞りやすいのは、なぜなのでしょうか?

「リンパ液が、自力では流れられないからです。動脈の血液は心臓からの圧力で、勢いよく流れていきますが、静脈の血液とリンパ液は体の末端から心臓に向かって戻ってくるためには、筋力が必要です。筋肉が動くことで押し上げられますが、筋力がなかったり、立ちっぱなし、または座りっぱなしで筋肉運動による刺激が少なかったりすると、押し上げられずに滞ってしまうのです。さらに、リンパ管のところどころにあるリンパ節には、流れてきた老廃物や体内の異物をろ過し、きれいにして静脈の血液に戻す役割があります」(福場さん)

体内のリンパ管とリンパ節の位置は?

では、リンパ管とリンパ節は、どのように全身に張り巡らされているのでしょう?
「リンパ節は全身で約800カ所ありますが、とくに大きなリンパ節があります。膝の裏側にある『膝下リンパ節』、脚の付け根にある『そけいリンパ節』、わきの下にある『腋窩(えきか)リンパ節』、首のところにある『頸部リンパ節』、そして耳の下にある『耳下腺リンパ節』です。リンパ液が集めてきた老廃物や異物、菌やウイルスなどはリンパ節に集められ、処理されます。また、リンパ節ではありませんが、リンパ液の通過点で重要なのが、みぞおちのあたりにある太いリンパ管の入口『乳び槽』です」(福場さん)

リンパ液が流れる向きは、すべて下から上なのでしょうか?

「リンパ液の流れ方は、体の左右で流れが異なります。右側は上半身のみで、指の先から手、ひじ、腕、わきの下を通る流れと、頭の先から首、鎖骨へと至る流れがあります。いずれの流れも、右の鎖骨下にある『右リンパ本幹』を経て右鎖骨下静脈に入り、最終集合場所である左鎖骨下静脈に合流します。

左側は、上半身に関しては右側同様なのですが、さらに下半身すべてのリンパ液も合わさって、左鎖骨下静脈に向けて流れていきます。下半身は左右のつま先からひざ、腰やお腹周りのリンパ液が、すべて鼠径部(両脚の付け根)にある大きなリンパ節でろ過されたあと、『乳び槽』というリンパ管の太くなったところを経て、胸管を通ってから、左鎖骨下静脈に向かって流れていきます」(福場さん)

下半身のリンパ管の集合場所「乳び槽」とは?

左側だけが、下半身のリンパ液を集めているのですね。ということは、下半身のリンパ液が一気に集まる「乳び槽」は、かなり重要なのでは?

「はい。乳び槽は太いリンパ管である胸管の入口ですが、下半身すべてのリンパ液の集合場所です。ここが滞ると下半身のリンパ液の流れが悪くなり、下半身の冷えやむくみが悪化してしまいます。ここでいう下半身は、脚だけでなくお腹や腰も含みます。下半身のリンパ液は、一度そけいリンパ節を通ってろ過されてから、乳び槽に向かいます。乳び槽に集まったリンパ液は脂肪分を多く含み、乳白色をしています。脂肪分によって流れが滞りやすいので、刺激したいところです」(福場さん)

どのように刺激すればよいですか?
「乳び槽は、みぞおちのところにあります。呼吸に合わせてゆっくりと、6回プッシュしましょう。プッシュすることで、お腹の筋肉が動いて乳び槽が刺激され、リンパ液の流れ改善につながります。寝転がりながらおこなってもよいですよ」(福場さん)

首こり・肩こり解消のリンパケア

ほかにも、最低限刺激を加えておくとよい箇所はありますか?

「首はリンパ節がとくに多い箇所。それは菌やウイルスなどの異物は、口と喉から入ってくることが多いから。敵を早めに撃退するために、リンパ球を含む白血球が闘う場所であるリンパ節が首の周りにたくさんあるのです。首や肩がこってカチカチだと、血流もリンパ液の流れも滞って、リンパ節に敵が入ってきても白血球が活躍しにくくなります。毎日、首の周辺をケアして、少しでも流れがよくなるように心がけましょう」(福場さん)

首こりと肩こりの解消につながるリンパケアを教えてもらいました!
【1:鎖骨をプッシュ】
「鎖骨の上から、溝に4本の指を入れ、呼吸に合わせてゆっくりと押します」
【2:耳下腺プッシュ】
「耳たぶの後ろにある耳下腺をなでて、ほぐします」
【3:頭部をマッサージ】
「両手5本の指に力を入れ、後頭部から耳下腺に向かってプッシュしていき、リンパを流します」
【4:首をマッサージ】
「首筋にある筋肉、胸鎖乳突筋に沿って、耳下腺から鎖骨に向けて手のひらでなでおろし、リンパを流します」
【5:肩をマッサージ】
「両腕をクロスさせ、肩の筋肉・僧帽筋を4本の指でつかみ、矢印の方向で鎖骨に向けてなでおろします」

リンパケアを通してリンパの流れを促すことは、免疫力を高めて健康な体を維持するためにも、冷えやむくみの少ない美しい体を手に入れるためにも、ぜひ取り入れたい生活習慣と言えるでしょう。自分の手で毎日、リンパ節を刺激してみませんか?

イラスト提供/(社)アロマ・リンパセラピスト協会
■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。
■監修
福場 美知留さん
アロマ・リンパセラピスト協会 会長 美容・健康アナリスト

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