冷えの専門家に聞く!冬に向けて見直したい「冷え対策」テク

冷えの専門家に聞く!冬に向けて見直したい「冷え対策」テク

体が冷えていたら、いいことはひとつもない。そう思うからこそ、体を温める工夫をしているはずなのに、いつもお腹やお尻、太もも、二の腕などが冷えていて、体の内側も冷たいような……慢性的な「冷え」に悩む人のために、原因や対処法を専門家に聞きました!
「冷え」による悪影響と改善の極意 山口勝利さん

内臓からの冷えにつながる、間違えた生活習慣とは?

手足はもちろん、お腹やお尻、太もも、腰、二の腕など、体で「冷え」を感じる部分は多いもの。とくに秋冬になると、冷えのせいで普段通りの生活をすることが難しいと感じることも……。なるべく体を冷やさない工夫をしているはずだけど、いっこうに治らない冷えの正しい対策について、「全国冷え症研究所」の所長であり、理学博士で鍼灸師の資格も持つ山口勝利先生に聞きました!

「多くの人が『冷え』を実感するのは手足などの末端ですが、実は『冷え』を計測するのは体内にある『内臓温度』。私たちの体には、体温計を使って計る『体表面温度』と、体の内臓の温度を計る『深部体温』の2種類があります。体表面温度は、一日のうちでいつ計るかによって変動が生じますが、内臓の温度にはそれほど変化がありません。そこで『冷え』を判断するときに使うのが、深部体温の数値なのです。内臓の温度は1℃低下するだけで、基礎代謝は12~15%も下がるので、痩せにくくもなります」(山口先生)

根本的な原因が内臓にあるということは、靴下や手袋で温めたり、足湯をしたりしても意味がないのでしょうか?

「よかれと思ってやっていることが、冷えを悪化させていることもあります。靴下の重ね履きや、タイツやストッキングの上から靴下を重ねて履くと、足を締めつけすぎて内臓温度の低下につながることも。また、足湯はお湯から足を出した途端に、足先から熱が放出して冷えてしまいます。内臓の冷えが原因なので、きちんとお腹を温めることが必要です」(山口先生)

冷えを予防するために取り入れたい「ヒハツ」とは?

では、内臓を温め、冷えを予防するために取り入れたい生活習慣について教えてください!

「まず、内臓を温めるのに効果的な香辛料をご紹介します。それは『ヒハツ』という香辛料で、『ロングペッパー』『ヒバーチ』『ピパーチ』『島こしょう』などの名称で、乾燥の粉末が売られています。ヒハツに含まれるピぺリンという成分は、毛細血管を強くするのに役立ちます。そのため内臓まで熱が届き、温まりやすくなります。

金沢大学の薬学部に依頼して、ヒハツをラットに投与した実験をおこなったところ、体内が温かくなって冷蔵庫でも生き延びたという結果が出ました。また、ほかの方法で温めることはせずに、1日1g、2週間ヒハツを食べ続けてもらったところ、60歳女性の方でプラス0.4℃、50歳男性の方でプラス0.9℃、内臓温度が上がりました」(山口先生)

調べてみると、インターネットでも『ロングペッパー』や『ヒバーチ』はすぐに見つかり、思った以上に入手しやすそう。どのような食べ方をすればよいですか?

「こしょうとシナモンの間くらいの味ですが、マイルドな辛さで、エスニックな香りが食欲をそそります。肉系によく合いますが、私は野菜炒めや焼きそば、チャーハンにも加えています。紅茶に少し入れてもおいしいですよ。分量は1日1g、小さじ1/2程度で十分だと思います」(山口先生)

また、冷え対策で知られるショウガやお酢も、ぜひ取り入れたい食材だそうです。

内臓の冷えを予防するには、インナーマッスルが必要!

さらに、内臓を温めるためには「筋肉」が必要になるそう!

「内臓温度を上げるためには、運動による筋肉、とくにインナーマッスルを鍛えることが手っ取り早いです。私たちの体がおこなっている代謝活動のなかで、ただ横になって寝ているだけでもおこなわれる『基礎代謝』がもっとも活動量が多く、その基礎代謝の中心を担っているのは筋肉です。筋肉は、自力で増やしたり、活発に動かしたりすることができるので、基礎代謝を上げたいなら筋肉を養うことが必要になります。

そもそも、内臓温度が1℃低下するだけで、基礎代謝は12~15%も下がります。そこで鍛えたいのが、内臓に近い筋肉であるインナーマッスルです。腹横筋や多裂筋、横隔膜などを鍛えて活動量を上げると、そこで熱が生まれて、内臓を直接温められます」(山口先生)

手軽に冷え対策ができる「防寒テープ貼り」のやり方

ほかにも手軽に取り入れられる、冷え対策はありますか?

「末端の冷えに悩んでいる方におすすめなのが『防寒テープ貼り』です。足元が冷たくなるのは、脚の皮膚に近い血管から熱が逃げてしまうから。そこで血管から熱を逃がさないように、医療用の防水テープを血管が浮き出ている箇所に貼ります。足の甲の真ん中、内くるぶしの下、膝裏の中央の3カ所に、名刺大に切った防水テープを貼って、1日を過ごしましょう。テープはドラッグストアなどで購入できますが、かゆくなったり、かぶれたりした場合は使用を中止してください」(山口先生)

もちろん「腹巻や毛糸のパンツでお腹を温める」「レッグウォーマーで足首、スカーフやマフラーでうなじを温める」「ゆっくりと半身浴をしてお腹を温める」ことも有効だそう。冷えに悩まされている人は、食事や運動に加えて、これらの生活習慣も積極的に取り入れましょう!
■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。
■監修
山口 勝利さん
Shape Lock代表 柔道整復師 鍼灸師 全国冷え症研究所所長

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