シャネルにとって「赤」は、どんな意味がある?

シャネルにとって「赤」は、どんな意味がある?

現代女性のためのスタイルを提案し、常に世界中の女性の憧れの存在である 「シャネル」。 このブランドにまつわる“5つのコード”を毎月一回、GING...

現代女性のためのスタイルを提案し、常に世界中の女性の憧れの存在である 「シャネル」。 このブランドにまつわる“5つのコード”を毎月一回、GINGERが紐解いていきます。今回はシャネルのなかでも特別な色「赤」について。今も変わらず、この色が象徴とされる理由、 どのように昇華し続けているのか…ひも解きます。 

日常を生きる女性の情熱、覚悟。 決して欠かせない、シャネルの赤

唇を官能的に彩り、女性の気品と意志を表すリップスティックの赤も、探したいものをすぐに見つける工夫としての、ハンドバッグのライニングの赤も。言うまでもなく赤 は、シャネルのファッションにおいて大切な色のひとつであり、メイクアップにおいては欠かせないベーシックカラーである。「そ れは命の色、血の色。私は赤を愛してい ます」というガブリエル シャネルのスタイル を象徴する色だ。1924年に赤のリップスティックが誕生して以来、メイクアップコレクションが生まれるたび、赤は進化に進化を重ね、ひとつ、またひとつと「伝説」を紡ぎ出している。そのエスプリは、2015年からシャネル グローバル クリエイティブ メー クアップ&カラー デザイナーを担うルチア ピカにも色濃く受け継がれ、シャネルの赤には、さらなる新しい解釈が生まれ続けているのである。

ルチアは言う。「赤という色に強く惹かれていました、昔からずっと。 赤は力強さとエモーション、情熱と崩壊を内包し、現実と革新というふたつの感覚を備えています。揺るぎない強さを感じさせ、同時にシャネルの世界に深く根ざしている色でもあります」。そうして、多彩な赤を生んだ自身のデビュー作となる2016 オータム メークアップ コレクション。なかでもセンセーショナルだったのは、レ キャトル オンブルの#268だろう。深みのあるブリック レッドと3つの無垢なブラウンシェー ドとが美しいコントラストを織り成すアイカラー。「目元に赤」というそれまでのルールを打ち破る挑戦は、世界中の女性をときめかせ、瞬く間にそれを常識にした。「それは女性の強さであり、また、繊細さでもあります。赤は激しく、気高く、同時にセンシュアル。そして、永遠の色なのです」 というルチアの言葉どおり、女性たちはまた、赤に目覚め、赤によって美しさを更新させたのである。

ルチアの象徴とも呼べる赤は、今シーズン、またも常識を打ち破る。マットというテクスチャーにフォーカスを当てたコレクションのなかでキーとなるのは、ル ルージュ クレイヨン ドゥ クルー ル マット。インテンスな赤がクリーミーな テクスチャーで唇を官能的に滑り、まるでベルベットのような仕上がりに。例えるならそれは、本能に届く赤。このひと塗りが女性としての感情を呼び起こし、姿勢や表情をドラマティックに変える。「秋や冬になると、あなたはきっとたくさん着込んで洋服に覆い隠されたような状態になるでしょう。そんなときだからこそ、カラーで遊ぶことで、表情を際立たせることができるはずです」と、ルチア。日常を生きる、女性を生きるのに、赤は不可欠。だって、命の色なのだから。それこそが、シャネルの赤が教えてくれること・・・。

シャネル フォール-ウィンター メークアップ コレクション 2018「ル マット ドゥ シャネ ル」から。ルチア ピカがこだわり抜いたマットの質感が、唇に、指先に、未知の赤を纏わせ、ひとりひとりの魅力を引き出す。〈右から〉ル ルージュ クレイヨン ドゥ クル ール マット #259、同 #267 各¥3,900、 ヴェルニ ヴェルヴェット #638、同 #636 各¥3,200、ルージュ アリュール インク #174 ¥4,200、2016 年に発売され、瞬く間に「目元に赤」を常識にしたベストセラー。まぶたに溶け込むようになじむ独特のマットテクスチャーが、 絶妙な発色を叶え、女性の知性と色気の二面性を感じさせる。〈左〉レ キャトル オン ブル #268 ¥6,900/すべてシャネル

撮影/国府泰(スタジオカレント)
取材・文/松本千登世

※プライスはすべて税抜です。


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