シリコン入りシャンプーは悪いもの?シリコンを知ってより良いケアを

シリコン入りシャンプーは悪いもの?シリコンを知ってより良いケアを

「シリコン入りシャンプーには、ノンシリコンシャンプーにないデメリットがある?」と、シリコンが何故悪いか考えず、何かの影響でシリコン入りの市販シャンプーを避けていませんか?実はどちらも一長一短あるのです。成分と効果の違いを確認していきましょう。

シリコン入りシャンプーは何故悪いと言われているの?

「シリコン入りシャンプーは髪に悪いから使わないほうがいい」という話を聞いたことはありませんか? シリコンは好ましくないという説では、どのような点から、シリコンを避けるべきと主張されているのかを確認しましょう。

●シリコンは髪や肌を覆ってしまう?

「シリコンは髪や肌全体に広がって覆ってしまう」という懸念が、聞かれることがあります。また、シリコン入りシャンプーを実際に使ってみて、「シリコン入りシャンプーを使ったら頭皮や背中にニキビができてしまった」などの経験のある方もいるかもしれません。

●シリコンは毛穴に詰まる?

シリコン入りシャンプーが好まれないケースの理由のひとつに、「シリコンが毛穴に詰まりやすい」という懸念があります。毛穴が詰まることによって、角質などが適切にはがれ落ちづらくなり、新陳代謝が妨げられる可能性があります。それらが髪の健康に良くないと言われているのです。

●シリコンで頭皮がかゆくなる?

シリコン入りシャンプーを使用した際にもし洗い残しがあると、頭皮やその他の肌で、毛穴が詰まる可能性があります。もし詰まりが続くと、ニキビや炎症などを引き起こすリスクが高まります。

実際、シリコン入りシャンプーは頭皮などへ影響があるのか

シリコン入りシャンプーを使うことでの懸念は以上のようなものです。では、実際にシリコン入りシャンプーを使うと頭皮などに悪影響はあるのでしょうか?

●シリコンは髪や肌を覆うのか?

シリコンは確かに髪や肌に付着します。しかし、シャンプーに入っている粒子はとても小さいものです。
極端な例でたとえてみましょう。唐揚げを作るとき、材料に粉をまぶしすよね。丁寧にまぶしたつもりでもところどころに粉の付いていない部分が残ってしまうものです。さらに水で流したならどうでしょう、粉は流れ去っていきます。

まして、多くのシリコン入りシャンプーには、界面活性剤が入っています。余分なシリコンは、髪や肌にたまることなく洗い流せるのです。

●シリコンは毛穴に詰まるのか?

それでも残るとすれば、シャンプーの泡立て方が足らず、1カ所に大量に付着してしまったり、洗い流す際にすすぎが十分にできていなかったりする可能性があります。特に洗髪以外でも泡が残りがちな、自分の目で見えず直接触るのも難しい身体の部位については、すすぎ残しを手触りで確認することができません。

シリコン入りシャンプーに限った問題ではないのです。洗髪後のすすぎは3~5分間、十分な湯量で流すようにといわれます。美容室でも丁寧にすすぎが行われるように、自宅でも丁寧に洗い流す必要があるのです。

●シリコンで頭皮はかゆくなるのか?

かゆみが起こっている場合、上述したようにシャンプーの量が多い、泡立てが足らない、すすぎが足りないといった点から、シリコンだけでなく界面活性剤など肌に負担のかかるシャンプーの成分により、かゆみが引き起こされていると考えるのが妥当でしょう。

シリコン入りシャンプーの「シリコン」に期待できる効果とは?

良くないといわれるものの、実は使い方の問題から、ネガティブな結果が得られていると考えられるシリコン。近年のノンシリコンシャンプーブームで敬遠していた方も、シリコンを見直す機会かもしれません。ぜひ中立的な視点からシリコンに期待できる効果も確認してみませんか?

●髪を熱から守る効果

シリコンは髪をコーティングするオイルです。しかし、安定性の高い物質であるため、通常の油脂のように熱で酸化することがありません。髪の保護剤に用いられるオーガニック植物オイルがドライヤーの熱で酸化してしまうのに対し、シリコンは酸化せずに髪を熱から保護します。

●髪を補修する効果

シリコンは、シリコン入りシャンプーのように髪全体に行き渡らせて使用する場合、髪の補修に活かせます。

髪は3つの層から構成されています。中心に、髪のコシを出す芯となるメデュラがあり、その周囲を繊維質のコルテックスが覆っています。さらにその周りを魚のうろこのような形状のキューティクルが薄く覆っています。

キューティクルがブラッシングやタオルドライなどの摩擦ではがれると、内部のコルテックスが露出し、コルテックスの保持していた水分が蒸発しやすくなってしまいます。特にドライヤーの熱による水分の蒸発の影響は大きいです。シリコン入りシャンプーなどのシリコンは、このような無防備な髪の傷んだ部分を覆う働きがあると言われています。状態を悪化させない効果が期待できるのです。

●髪の摩擦を軽減する効果

髪同士の摩擦も軽減できると言われています。髪が静電気を帯びる量が減るため、髪のダメージをシリコン不使用時よりも、軽減する効果を期待できます。

シリコン入りシャンプーのメリット・デメリットを確認しよう

さて、シリコンについて様々な特徴をご紹介してきました。一度ここで改めて、シリコン入りシャンプーについて、メリット・デメリットの視点から特徴を整理してみましょう。

●シリコン入りシャンプーのメリット

シリコン入りシャンプーは、シリコンが髪のキューティクルをコーティングすることにより、髪のダメージを補修し、ドライヤーの熱から髪を保護するよう開発されています。適量を用いて適切に使用した場合、シリコン入りシャンプーで洗った後の髪は指通りが滑らかになると言われています。髪同士のもつれが減少し、引いては髪のダメージの軽減にも効果を期待できるのです。

●シリコン入りシャンプーのデメリット

シリコン入りシャンプーは髪の補修に役立ちますが、根本的な解決に導くわけではありません。髪の毛幹部を構成するキューティクルの傷みを悪化させないものの、キューティクルの内側にある水分をキープする繊維質のコルテックスの代用にはならないのです。

根本的な髪質の向上を狙うのであれば、シリコン入りシャンプーを使用し続けるのではなく、傷んだ髪を補修する目的に応じた製品を、選択する必要があります。

ノンシリコンシャンプーのメリット・デメリットとは?

さて、他方のノンシリコンシャンプーのメリット・デメリットはどのようなものでしょうか? 順に確認していきましょう。

●ノンシリコンシャンプーのメリット

毛髪を覆うコーティング剤であるシリコン入りシャンプーと異なり、ノンシリコンシャンプーは髪の表面に付着しません。このため、ヘアケア剤がより浸透しやすいという利点があります。ダメージ補修剤として水溶性の成分のものを使おうとする場合、シリコン入りシャンプーはオイルなのではじかれてしまい、ダメージのあるキューティクルの隙間から内側へ働きかけるのが難しいと言われています。これに対して、ノンシリコンシャンプーはより的確にアプローチできるのです。

また、シリコン入りシャンプーと比較すると洗い上がりの感触がさっぱりとしているのも特長です。もちろんシリコン入りかどうかにかかわらずしっかりと洗い流す必要があります。しかし、同じ時間をかけて洗い流してみると、シリコン入りシャンプーのほうがわずかに「スルスル」あるいは「ヌルヌル」とした感触が残ります。

シリコン入りシャンプーは洗髪後だけでなく、洗髪やすすぎの間での髪の摩擦を軽減させる機能を持たせてあるため、この感触はあっておかしくはありません。しかし、悪影響としてではなくあくまで使用感の差ですが、ノンシリコンシャンプーのほうがさっぱりと洗い上がる印象があると言われています。

●ノンシリコンシャンプーのデメリット

ノンシリコンシャンプーのデメリットとして気を付けたいのは、商品によって洗浄力や刺激に幅があることです。シャンプーの洗浄成分である低毒性・低刺激性の界面活性剤である「陰イオン系界面活性剤」には、以下のようなものがあります。
【A】
●石けん
●硫酸系:語尾が「硫酸Na」で終わるもの
●スルホン酸系:語尾が「スルホン酸Na」で終わるもの

【B】
●カルボン酸系:語尾が「カルボン酸Na」「酢酸Na」で終わるもの
●タウリン系:語尾が「タウリンNa」で終わるもの
●アミノ酸系:語尾が「アラニンNa」で終わるもの
【A】は洗浄力とともに刺激が強く、【B】は洗浄力・刺激の弱めな界面活性剤です。シリコン入りシャンプーでラウリル硫酸などの刺激の強い界面活性剤が入っている場合、髪にダメージが出そうですが、成分にシリコンを含んでいることが多く、髪をしっとりさせてダメージを相殺させています。

低刺激で安心と思われがちなノンシリコンシャンプーですが、しばしば「硫酸系」や「スルホン酸系」の界面活性剤を使用している場合があります。低刺激と期待して使ってみたら、洗い上がりの髪が思いがけずギシギシしてしまうなど、髪の状態が悪くなってしまう恐れがあります。

ノンシリコンシャンプーを購入する際には、成分表示から比較的低刺激である「カルボン酸系」「タウリン酸系」「アミノ酸系」の界面活性剤が使用されているかどうか確認して選びましょう。

シリコン入りシャンプーとノンシリコンシャンプーの違いとは?

シリコン入りシャンプーとノンシリコンシャンプーの特徴と違いがわかってきましたね。シリコン入りだからといって人体に悪いわけではなく、髪の補修や保護に役立つ機能が備わっているのです。また、シリコン入りでなくても、すすぎが足りなければ頭皮や肌に悪影響があるとも考えられます。

では、改めてシャンプーの選択肢として選ぶとき、シリコン入りシャンプーとノンシリコンシャンプーのどちらを選べばよいのでしょうか?

●髪が傷み気味ならシリコン入りシャンプー

枝毛や切れ毛といったダメージのある髪は、髪の毛幹部の表面のキューティクルが傷ついています。髪の内部に水分を溜めておく吸湿性を持ったコルテックス。ダメージを受けている髪は。コルテックスを覆っていたフタが取れてしまった状態なので、コルテックスから水分が蒸発してしまい、しなやかな強さを失ってしまっているのです。

みなさんの髪がこのような状態なら、髪のダメージを現状に留めることがまず先決です。キューティクルを補修するなら、ノンシリコンシャンプーよりは即効性の高いシリコン入りシャンプーがおすすめ。シリコンの熱から髪を守る機能と合わせて、毎日の洗髪後にドライヤーで髪を乾かすときに気になる「熱」と「水分蒸発」の影響を軽減しましょう。

●髪が広がりがちの人もシリコン入りシャンプー

秋冬シーズンになって寒くなってくると気になる静電気。静電気は湿度の低い状態だと特に発生しやすくなります。髪と髪がこすれ合うことによって静電気が引き起こされるために「避けられない」と思っていた方も多いのでは? しかし、髪の滑らかさをUPする機能のあるシリコン入りシャンプーを使えば、髪同士の摩擦を軽減し、静電気の発生を抑える効果が期待できますよ。

●髪が元気・短めならノンシリコンシャンプー

元々髪が絡みにくかったりしっとりしやすかったりする方なら、ノンシリコンシャンプーがおすすめです。一般に、シリコン入りシャンプーを使うと髪全体がしっとりした印象になります。しかし、シリコンのこうした効果は元々しっとりしやすい髪の方だと、髪のボリュームを奪ってしまう結果にもなり得ます。

ベリーショートやショートなど、髪が根元から立ち上がるような勢いの欲しいヘアスタイルで、ブリーチなどによるキューティクルへのダメージの少ない状態の方も、ノンシリコンシャンプーのほうが理想の仕上がりに近づけやすいと言われています。

シリコン入りシャンプーのシリコンの代わりになる成分は?

ここまでご覧いただいた上で、洗い上がりや仕上がりの違いから「シリコン入りシャンプーではなくノンシリコンシャンプーを選びたい」という方もいらっしゃることでしょう。
では、シリコン入りシャンプーの持っていたメリットを、シリコンに代わってもたらしてくれるような成分はないのでしょうか?

●髪を熱から守る・髪を補修する成分

髪の傷みのポイントは、毛幹部のキューティクルが摩擦などではがれてしまうこと。この点を防止したり補修したりしてくれる成分が必要です。例えば、陽イオン系界面活性剤を用いたノンシリコンコーティング剤の、ヒアルロン酸をプラスに荷電させた「ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム」や、毛髪強度を高めツヤをUPさせる機能のある「加水分解ケラチン」などは有用だと言われています。

●髪を補修スピードはシリコンよりもゆっくり

ノンシリコンコーティング剤は、シリコンに比べると髪の修復に時間がかかります。シリコン入りシャンプーでは洗って洗い流す間でコーティングできていました。しかし、ノンシリコンのコーティング剤の場合、髪に馴染ませてから数分待つ必要があります。

しかし、利点もあります。シリコン入りシャンプーでは髪全体にわたってコーティングしていて、本来ならばコーティングする必要のない健康な部分にまでその範囲は及びます。他方、ノンシリコンのコーティング剤では髪のダメージのある部分にのみ定着します。髪が重くなって立ち上がりが悪いとか、頭皮の肌トラブルが出るなど、シリコンでのデメリットがない点は評価できるでしょう。

●シリコンの使い方を工夫するのがおすすめ

ノンシリコンシャンプーを使う場合、色々な工夫ができますが、本記事でおすすめしたいのは「用途に合わせた複数の製品の併用」です。

例えば、シリコンが頭皮や肌につくのが心配なら、ノンシリコンシャンプーを使うようにします。髪の保護と補修が最も必要な毛先部分には、入浴中、あるいは入浴後に使うシリコン入りのコンディショナーやトリートメントを使用し、その他のキューティクルについてはケラチンやラクトン誘導体入りの製品を用いるようにしてみてはいかがでしょうか?

シリコンの入っていない市販のシャンプーはある?

一般的なスーパーなどでの品揃えでは、ノンシリコンシャンプーのラインナップが少なめですよね。大きめのドラッグストアやネット通販ですと幅広く選ぶことができます。稀に、近所のドラッグストアのほうが通販よりも価格が安いケースがあります。気になる方は徒歩圏内の市販品を先に下見しておきましょう。

●ORBIS ナチュラルリペアシャンプー

「ORBIS(オルビス)ナチュラルリペアシャンプー」は、ココイルメチルタウリンNaとラウレス-4カルボン酸Naなどの界面活性剤を洗浄成分とするシャンプーです。ココイルメチルタウリンNaは、適度な洗浄力と低刺激とのバランスのとれたアミノ酸系界面活性剤です。肌に対して低刺激なので、これまで使っていたノンシリコンシャンプーだと頭皮がかゆくなったり荒れたりしていた方におすすめですよ。

●WELEDA オーガニックシャンプー (スカルプケア用)

「WELEDA(ヴェレダ) オーガニックシャンプー(スカルプケア用)」は、ココイルグルタミン酸2Naというアミノ酸系の界面活性剤を洗浄成分とするシャンプーです。石油系の鉱物油・合成着色料・合成香料を一切使わず、植物由来の成分を用いたラインです。アミノ酸系界面活性剤らしいすっきりとした洗い上がりで、髪のボリュームアップをしたい方におすすめです。

●THREE スキャルプ&ヘア リファイニングシャンプー

「THREE(スリー) スキャルプ&ヘアリファイニングシャンプー」は、ココイルメチルタウリンNaという、アミノ酸系の界面活性剤を洗浄成分とするシャンプーです。保水成分やラベンダー油・ローズマリー油なども含んでいて、優しく洗浄するとともに、髪に潤いをもたらすことを目的として開発されていることがわかります。正規輸入品はリッチな価格ですが、使用感も良さそう。自分へのご褒美などにいかがでしょうか?

●シャンプーと合わせてトリートメントなども購入しよう

なお、最後になりましたが、シャンプー以外にトリートメント・コンディショナーなどを同じ製品のシリーズから選ぶこともご検討いただくのがおすすめです。

いずれのシャンプーも陰イオン系界面活性剤を使用しています。陰イオン系ということは、付着した物体に電子を与え、マイナスに荷電するということです。つまり髪に静電気が溜まるということですね。

パチパチと音がしなくても静電気は髪にたまっていき、キューティクルなどに静かにダメージを与えてしまいます。そのため、この静電気を中和するために、ほとんどのメーカーがシャンプーと同ラインで陽イオン界面活性剤を用いたトリートメントやコンディショナーを提供しています。ぜひシャンプーと一緒に購入し、セットで使うようにしましょう。
以上、シリコン入りシャンプーとノンシリコンシャンプーについてお伝えしてきました。美しい髪を手に入れ維持するためのシャンプー選びに重要なポイントは、
●現在の髪のダメージの具合や補修剤に何を使うかを考えた上で、
●シリコンを使うかどうか選ぶ、
の2点です。
ぜひご自分の髪の状態に合わせて、今の自分に一番良い品を選んで綺麗な髪を楽しんでくださいね。
■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。

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