生理前が辛い…これってPMS(月経前症候群)?主な症状と対策法を紹介

生理前が辛い…これってPMS(月経前症候群)?主な症状と対策法を紹介

「もうすぐ生理が来る」という頃になると、決まって感じる心身の不調。つらい症状を「当たり前」と思い込んで我慢していませんか?それはもしかしたらPMS(月経前症候群)かもしれません。寒くなる季節、ぜひ自分の心と身体に向き合ってみましょう。

PMSとは一体何?

PMS(月経前症候群)とは“Premenstrual Syndrome”の略で、生理前になると決まって現れる心や身体の不調、日常生活や社会生活に影響を来すさまざまな症状をいいます。これらの症状は、生理が始まるとともに軽くなって消失していくのが特徴です。
PMSは思春期の女性に多いという研究報告も見られますが、月経のある女性であれば誰でも発症するといわれています。家事が手につかない、大事な仕事に集中できない、テストや部活の試合などで自分の本来のパフォーマンスを発揮できないなど、それぞれのライフステージで日常生活や社会生活に影響を及ぼします。
つらい症状が出ていても、それが当たり前と思って受診しない人も多いようですが、生活習慣の見直しや適切な治療によって改善することができます。

PMSのうちココロの症状が悪化するのがPMDD

PMSの症状の中でも、強い不安感や焦燥感、抑うつや絶望感、攻撃的な態度や激しい怒りを抑えられないなど、とくに心の症状が強いものをPMDD(月経前不快気分障害:Premenstrual Dysphoric Disorder)と呼んでいます。生理がある人の1.2%ほどがPMDDであると報告されており、PMSの重症型ともいわれます。
PMDDは心の症状が重く、感情をコントロールできず不安定になって自制が難しいため、日常生活や人間関係に著しく支障を来しやすい点が特徴です。
心の症状が強く出ている場合は、婦人科だけではなく、心療内科やメンタルクリニックなどの専門医と連携して診てもらうことが必要なケースもあります。

PMSになる原因

PMSが起こるメカニズムについては、実はまだ解明されていない部分も多く残されています。
黄体ホルモン(プロゲステロン)という女性ホルモンの増減によって身体に何らかの影響が及び、さまざまな不快な症状を引き起こしているのではないかと考えられています。
セロトニンやドーパミンといった、感情を調節する神経伝達物質がありますが、この量や働きには黄体ホルモンの増減が関わっています。その影響で神経が過敏になると、とくに心の変化が起こりやすくなるのではないかという見解もあります。
また、これらの神経伝達物質は、生活リズムやストレスとの関係も指摘されています。ですから、生活習慣や環境の大きな変化、緊張状態の持続、几帳面・完璧主義といった性格なども、症状の出方を左右しているのではないか、ともいわれているのです。

PMSの主な症状

PMSの症状は人によってさまざまで複雑です。その種類はなんと数百以上ともいわれています。参考までに主な症状をいくつか挙げてみましょう。

ほてり

PMSが起こる排卵期から生理前までの「黄体期(おうたいき)」には、黄体ホルモン(プロゲステロン)という女性ホルモンが多く分泌されます。この黄体ホルモンには体温を上げる働きがあるため、この時期にほてりを感じる人がいます。

眠気

ヒトは、体温が下がるときに眠りに入り、体温が上がるときに目覚めます。
生理開始~排卵期までの「卵胞期(らんほうき)」に比べると、体温を上げる作用を持つ黄体ホルモンが多い生理前の黄体期は、一日のうちで体温変化が小さいことが特徴です。そうすると睡眠と覚醒のメリハリが弱くなるため、日中も眠気が強くなると考えられているのです。また、黄体ホルモンには医師が処方する薬と同じような催眠作用があるともいわれています。

めまい

黄体ホルモンは体内に水分を引き込んで貯める作用も持っています。ですから、生理前に手足のむくみや体重の増加がみられることがあります。さらに、耳の奥の内耳がむくむことで、めまいが引き起こされる場合もあるといわれています。

この他にも、身体的不調として、お腹の張りや腰痛、乳房の痛みや張り、頭痛など、
精神的不調として、憂鬱な気分、怒りっぽくなる、イライラする、不安感が強い、涙もろくなる、集中力が低下するなどの症状が起こることもあります。

次のような場合はPMSの可能性が高くなります。
・過去の生理で3回以上、上記のような症状がひとつでも連続して起こっている
・生理開始後4日以内に症状が減退・消失する
・生理開始日から数えて、少なくとも13日目まで再発しない

こうした心身の不調が、日常生活や社会生活にまで支障を与えている場合、治療対象になりますので相談してみましょう。

PMSはいつからなる?

個人差はありますが、PMSが続く期間は次の4つのパターンに大別されます。

Aパターン

生理予定日の一週間前くらいから生理開始後まで続き、その後間もなく消失。他のパターンと比較すると、症状がある期間が短い。

Bパターン

排卵直後から生理開始後まで続き、その後間もなく消失。

Cパターン

排卵日前後が症状のピークで、いったん治まったあと、生理開始予定日の数日前からまた症状が現れて、生理開始後まで続いて間もなく消失するパターン。症状がある期間は短いが、二度出現するタイプ。

Dパターン

排卵直後から生理終了まで続くバターン。他のパターンに比べて、症状がある期間が一番長い。

PMSへの対策法

まずは自分の心身のリズムを把握して、生活改善に取り組みましょう。それでも症状が軽減されずにつらい場合は、我慢せず専門家に相談してください。

自分の心身のリズムを知る

PMSかな?と思ったら、まずは体調を記録するとよいでしょう。自身の不調がどういったタイミングやパターンで起こっているのか、客観的に知ることができます。
生理開始日と終了日の記録とともに、心身の症状と生活面で起こった不調を、メモ程度でよいので書き留めてみましょう。2~3ヶ月間記録をつけてみると、気になる症状が何日続いて、生理周期の中でどのような変動があるのか、その傾向が見えてきます。
タイミングやパターンを予測できるようになったら、自分の心身の状態と向き合いやすくなるでしょう。心身に不調がある時期は、家事や仕事の量を調整する、家族や親しい人にあらかじめ事情を伝えておくなどして、無理せず過ごせる工夫をしてみてください。

生活習慣の改善

毎日同じ時間帯に栄養バランスよく3食摂り、早寝早起きをして十分な睡眠を確保しましょう。規則正しい生活リズムは、心と身体のリズムを整え、症状の改善を図る上で非常に大切です。
ストレッチやウォーキングなど適度な運動をする、好きな音楽を聴くなど、自分に合った方法でリラックスして、ストレスを軽くする心がけも有効です。ぬるめの温度で湯船にゆっくり浸かったり、首もとをホットタオルでじんわり温めたりすると、副交感神経が優位になってリラックスにつながるでしょう。
一方で、お酒やタバコ、コーヒーや紅茶など、カフェインを多く含むものの摂りすぎには注意が必要です。カフェインを控えることでPMSの症状が改善する可能性もあります。

婦人科医師への相談

日常生活や社会生活に支障を来すほどの心身の症状があれば、無理をせず早めに婦人科を受診しましょう。心身の不調にPMS以外の病気が潜んでいるかもしれません。
婦人科では、カウンセリング、生活指導、薬物療法などによる治療をします。まずはカウンセリングや生活改善の指導で症状緩和を目指します。症状の改善が難しい、症状が強い、などの場合は、本人と相談しながら、イライラには精神安定剤、頭痛などの痛みには鎮痛剤など、症状に応じた薬の処方、または漢方を処方することもあります。
また、こうした治療を行っても症状が改善されない場合は、低用量経口避妊薬(EP配合剤)を用いるケースもあります。

まとめ

もしかしてPMSやPMDDかも?と思ったら、まずは生理前の不調のタイミングやパターンを知り、生活の改善などできることから取り組んでみましょう。婦人科は敷居が高いイメージを持っているかもしれませんが、女性の身体をサポートする専門家です。PMS以外の病気が潜んでいる可能性も考慮して、日常生活や社会生活に著しく支障を来すほどの症状が出ている人は、早めに婦人科を受診しましょう。

執筆:青井 梨花(助産師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。
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