生理痛や生理周期の不調に。女性ホルモン剤を使いこなせば、ラクになれる?

生理痛や生理周期の不調に。女性ホルモン剤を使いこなせば、ラクになれる?

低用量ピルなどの女性ホルモン剤、使ったことありますか? 低用量ピルは避妊のためだけの薬ではありません。生理痛やPMSの不調、生理周期で起こる症状...

低用量ピルなどの女性ホルモン剤、使ったことありますか? 低用量ピルは避妊のためだけの薬ではありません。生理痛やPMSの不調、生理周期で起こる症状を改善するためにも役立ちます。すぐに妊娠を考えてないけれど、将来赤ちゃんが欲しい人にも使えるお薬です。また女性ホルモン剤には、低用量ピルだけでなく、生理周期や女性ホルモンのバランスの乱れによる症状に使えるお薬もあります。女性ホルモン剤を使うとしたら…。その種類と使い方をお伝えします。

生理周期の不調に使いやすい女性ホルモン剤の種類と使い方は?

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女性ホルモンのリズムが乱れると、さまざまな不快症状や不調が起こります。
女性ホルモンのリズムを整えて、急激な変化を緩(ゆる)やかにできたら、生理痛などのつらい症状を減らすことができます。30代半ばころからのプレ更年期世代にも、女性ホルモンの分泌が低下しやすい人もいます。

体内の女性ホルモンのリズムの乱れや、急な女性ホルモンの減少を緩やかにするために、女性ホルモンを外から補う方法があります。

女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があります。
これらの女性ホルモン剤を使うことで、女性ホルモンの波を一定にして、大きな不調を感じずにすみます。

「低用量ピル」は女性ホルモンを一定にして不調を予防

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女性ホルモンのエストロゲン剤には、いくつかの種類があります。いちばん作用の強いのが「エストラジオール」。これは「低用量ピル」に含まれているエストロゲンで、エストロゲンの中心的存在です。

「低用量ピル」は、避妊薬でもありますが、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンを合わせた合剤のことで、月経困難症や子宮内膜症の治療薬として保険適用されているお薬もあります。

「低用量ピル」は、女性ホルモンの分泌を一定にして、毎月起こる女性ホルモンの大きな波を平坦にする働きがあります。
排卵を抑えて、生理の出血も軽くなり、生理に伴う不快症状も軽くなります。飲み始めは、なかにはムカムカや頭痛を起こす人もいますが、3ヵ月ほど飲むと、症状もなくなり安定してきます。

まだ生理がしっかりある10代、20代、30代の人に向いている女性ホルモン剤が「低用量ピル」です。

プレ更年期から更年期に試す、弱い女性ホルモン剤もあります

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更年期で、女性ホルモンのエストロゲンが減少することで起こるさまざまな症状を改善するのが「エストリオール」という女性ホルモン剤です。卵巣機能が落ちてきている人にとっては、症状を和らげる効果はあると言われています。
プレ更年期世代にも、つらい更年期症状がすでに出ている人には、婦人科で相談して使うこともあります。

「エストリオール」は、20代、30代で、エストロゲンの分泌が十分で、排卵がきちんとあり、卵子をたくさん出しているときはあまり活躍しません。いちばん弱いホルモンです。低用量ピルのように月1回出血しないので、60代、70代になっても使えます。

体調に波があって、「プレ更年期かな?」と思うようなつらい症状が続くようなら、婦人科医に相談しましょう。

女性ホルモン剤には、内服薬だけでなく腟錠も!

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「エストリオール」には、内服薬と腟錠があります。

内服薬は、1錠約19円ととても安い薬。更年期障害、萎縮性腟炎、骨粗しょう症などの病名で保険が使える薬です。
この薬で症状が緩和されるなら、体内のエストロゲンの分泌が減ってきている証拠です。

いつでもやめられますので、不調がある人は、婦人科医に相談して、1~2錠を2週間くらい試してみてもいいかもしれません。
この薬の歴史は長く、日本でも昔から更年期障害の治療薬として使われています。

腟錠は、腟内に入れる薬で、エストロゲンの血中濃度を上げずに、腟内に効果的に作用します。
腟の乾燥、痛み、膀胱炎、頻尿、尿もれなどの更年期の症状に効果があります。
内服薬に抵抗のある人で、腟や尿もれなどに症状が集中している人が使うといい薬です。もちろん保険が使える安価なホルモン剤です。

貼り薬(パッチ剤)や皮膚に塗るジェル剤も!

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また、エストロゲン剤には、低用量ピルにも使われている「エストラジオール」という種類があります。これは「エストリオール」より強い作用があるエストロゲンです。
この「エストラジオール」単独の塗り薬(パッチ剤)、塗り薬(ジェル剤)、内服薬があります。

まず、貼り薬(パッチ剤)は、お尻や腹部に貼って、2日に1回貼り替える薬です。

皮膚に塗るジェル剤は、1回2プッシュを1日1回、両腕や下腹部、大腿部など広い範囲に塗ります。症状に応じて減量して、1回1プッシュを1日1回ということもできます。

「エストラジオール」にも1日1回程度、飲むタイプの内服薬もあります。

女性ホルモン剤は自分の使い勝手がよいものを選ぶ!

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紹介した低用量ピルやエストロゲン剤などの女性ホルモン剤のどれを選んで使うかは、婦人科医と相談して、自分の不調にあわせて使い勝手がよいものを選ぶことができます。

低用量ピルや女性ホルモン剤は長い歴史があり、世界中の何十億人という人が使ってきている薬が多くあります。プレ更年期世代で、更年期症状のような不調を感じる人は、婦人科を受診して試してみる価値はあります。

「もしかしてプレ更年期?」と思ったら、ぜひ婦人科の医師に相談してください。今後やってくる更年期への対策と予防につながります。

日本は女性ホルモン後進国なのです

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世界では、エストロゲンの作用がどんどんわかってきていて、たくさんの新しいピルやホルモン剤が研究、開発されています。

女性ホルモン剤は、骨粗しょう症の予防にもなり、膠原病、甲状腺、心臓などの発病に女性ホルモンが関係するとした研究もおこなわれています。目的別、リスク別に開発され、ホルモン剤はさまざまな研究を背景に進化しています。

日本は、ホルモン後進国です。海外にはあるけれども、日本にはないホルモン剤がたくさんあります。

日本は、低用量ピルの使用量が低い状態です。
2013年の国連人口部の統計によると、避妊手段として低用量ピルを使用する人がもっとも多いのはヨーロッパで、フランス41%、ドイツ37%、イギリス28%となっています。
日本人のピルによる避妊の割合は1%で、韓国の2%、中国の1.2%よりも低く、世界最低水準です。

20代30代は低用量ピルで、更年期になったらホルモン補充療法(HRT)で、というようにホルモン剤を必要に応じて選べるといいですね。もちろん、どんな薬にもベネフィット(メリット)とともに、デメリット(リスク)もあります。医師と相談して不調改善に最善のものを自分で選択できたらいいと思います。

ヨーロッパでは女性が不調を改善し、体調をキープするために、女性ホルモン剤を使うという考え方は一般的です。生理周期にかかわる不調や更年期症状をコントロールしようとする考えは、すでに世界の女性たちの間では広まっています。

文/増田美加

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