体のむくみの原因は?むくみの解決法や病気の可能性は?

体のむくみの原因は?むくみの解決法や病気の可能性は?

むくみの原因は、生活習慣に関連するものが多く、ほとんどの場合は一晩寝たら治まります。ただ、なかには病気のサインが潜んでいる可能性も。今回はむくみの原因や解決法、考えられる病気についてお伝えします。

むくみとは一体何? 

むくみは医学的には「浮腫(ふしゅ)」といって、過剰な水分が皮膚の下の細胞と細胞のあいだに溜まった状態を指します。
この細胞と細胞のあいだにある液体を細胞間液といいます。血液やリンパ液として全身を巡っている水分は、細胞間液に出入りしながら細胞内へ新鮮な栄養を届け、また不要な老廃物を取り込みながら心臓に戻っていきます。血管で回収することができなかった一部の水分は、リンパ管が取り込みます。
こうして、通常は細胞間液を出入りする水分量のバランスが一定に保たれて体内の水分代謝が行われています。ところが、生活習慣や病気などの要因によってこのバランスが崩れると、細胞間液に水分が過剰に溜まってしまい、むくみが起こるのです。
女性はホルモンバランスによる水分量の変化が起こりやすく、とくに月経前は体内に水分を溜め込みやすくなります。この時期にむくみが気になる方も少なくないでしょう。

むくみの原因とは? 

身体の部位によって、むくみが起こる原因は違います。むくみを引き起こす日常の生活習慣について、身体の部位別にみてみましょう。

脚のむくみ

身体の中で一番むくみが起こりやすい部位です。心臓から遠い位置にあって血流が滞りやすく、また重力によって水分が溜まりやすいところだからです。
立ち仕事はもちろん、デスクワークなど同じ姿勢を取り続けることで下半身の血液循環が悪くなり、むくみを引き起こしやすくなります。
心臓からもっとも遠い位置から重力に逆らって血流を心臓へ押し上げるために、脚の筋肉はポンプの役割を果たしています。ところが、女性や中高年の方などは、成人男性と比べるとふくらはぎの筋肉量が少ない傾向にあります。ですからポンプ機能も弱く、血液中の水分が滞って脚にむくみが生じやすいといえます。
これに加えて、冷えによって血液循環が悪くなり、むくみが引き起こされることもあります。

顔のむくみ

「朝起きると顔がむくんでいた」という方も多いのではないでしょうか。寝るときは、頭と心臓と脚が水平になります。血管から染み出た水分が顔のほうにも流れて滞り、むくみにつながっていると考えられます。
また、前日にお酒を飲みすぎで顔がパンパンにむくんだ、という経験をお持ちの方もいるでしょう。アルコールの利尿作用で体内の水分が排出されるため、身体が水分を補おうとするからです。さらに、アルコールを体内で分解するときにも水分が必要になりますので、身体は水分を引き込む方向に働くのです。
おつまみで塩分を摂りすぎたという場合も、体内では塩分濃度を下げようと水分を引き込み、通常より多く水分を溜め込んでしまいます。このような現象は、顔だけではなく身体の各部位でも起こり得ます。

手のむくみ

朝、手がむくんで握りにくいようなことはありませんか。日常生活で起こる手のむくみも、重力の影響や血流の滞りで引き起こされていると考えられます。また、普段手は心臓より低い位置にあるため、長時間同じ姿勢をとらなければならない場合はむくみが生じる可能性があります。

一晩寝ると治る、または起きて数時間すると治まると、いう一過性のむくみであればあまり心配はないでしょう。

むくみが関係する病気とは?

むくみが出ている部分に病気がある場合と、内臓の病気の症状として出ている場合が考えられます。おもな病気をみてみましょう。

腎臓の病気

腎不全など、腎機能の低下によって余分な水分やナトリウムが排出できなくなり、体内に溜まります。また、ネフローゼ症候群などによって血液中のたんぱく質「アルブミン」が尿中に大量に排出されてしまうと、血液中の水分が組織に漏れ出てしまい、むくみが起こります。

肝臓の病気

慢性肝炎など肝臓機能の低下によって、血管内の水分を調整するアルブミンの合成が弱まります。血管内のアルブミン量が減少すると、血管内に水分を保持できず血管の外に漏れ出してむくみが生じます。

心臓の病気

心不全など心臓機能の低下によって、血液を送るポンプ作用が弱くなります。全身の循環が滞ると、体内に過剰な水分が溜まりむくみが生じます。

甲状腺機能低下症

女性に多い疾患です。甲状腺の機能が低下することで、甲状腺ホルモンの分泌が弱まり、全身のむくみや倦怠感、疲れやすい、気分が落ち込むなどの症状がみられます。

下肢静脈瘤

脚の静脈にある、逆流を防ぐための弁に障害が起こり、脚の血管がボコボコと皮膚表面に盛り上がってみえます。患部側の脚のむくみ、脚が疲れやすい、夜中によく足がつるといった症状があります。

蜂窩織炎(ほうかしきえん)

皮膚の細菌感染が原因で、部分的に赤みや熱感をもって腫れ、むくみがみられるのが特徴的です。

そのほか、薬の副作用や女性のPMS(月経前症候群)なども考えられます。 

むくみの解消法や対処法

マッサージ

一日の疲れをとる意味でも、寝る前に腕や脚をマッサージしてみましょう。
手の指を1本1本付け根から指先に向けてなでます。さらに手首から肘まで、肘から肩までを、手のひら全体を腕に沿わせるように軽く流すようにマッサージします。
脚は、床に座って、まず足裏をかかとから指先に向かってマッサージし、次に軽く膝を立てます。両方の手のひらを肌に密着させて、ペダルをこぐように交互にすべらせながら、足首から膝裏の方へとふくらはぎをマッサージすると効果的でしょう。すね側も、同じく下から上へマッサージし、今度は膝裏から太ももにかけて前側と後ろ側の両方行いましょう。保湿剤を手に取って行うと、保湿になるうえ滑りもよくなり一石二鳥です。

運動

ふくらはぎの筋肉量が低下すると、血液などの流れが滞り、むくみやすくなります。日頃から移動は階段を使う、通勤時に一駅分歩くなど、意識してみましょう。

ストレッチ

手や指のむくみが気になるときは、手を組んで左右に回しましょう。組んだ手を上にあげて、手のひらを上に返してグーっと気持ちよく伸びたり、繰り返し手をグーパー開いたり閉じたり、指と手と腕をほぐすストレッチがおすすめです。
脚の場合は、足首を回したり、かかとを床につけてつま先を上げ下げしたり、指先を床につけてかかとの上げ下げをしたりするなど、立ち仕事の合間やデスクワークの合間にもやってみましょう。

着圧ストッキング

長時間の立ち仕事や一日中デスクワークのときには、着圧ストッキングの着用もむくみの予防につながります。寝る前に着用するのもおすすめです。

下肢を上げる

脚がむくんで疲れた日には、布団の下にクッションなどを入れて少し脚が高くなるようにして休みましょう。滞った水分が心臓に還りやすくなります。

温活

朝一番で顔がむくんでいると化粧のノリも悪く、朝からブルーな気持ちにもなりますね。濡れタオルを絞って電子レンジでホットタオルをつくり、メイク前に顔に乗せてじんわり温めてみましょう、血行が改善され、むくみもすみやかに解消されていくでしょう。
脚が冷えると、血行が悪くなって老廃物も滞りがちになります、寒さ対策にレッグウォーマーなども活用しましょう。

まとめ

他に症状はみられず、自然によくなる一過性のむくみであれば、あまり心配はいらない場合が多いでしょう。しかしながら、ご紹介した解消法や対処法を行っても、いつまでも改善しないむくみや、痛みや熱を伴うむくみ、片手や片足など部分的なむくみ、身体全体に症状がある場合などは、医療機関の受診をおすすめします。

執筆:青井 梨花(助産師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。

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