4 洗顔に潜む間違った常識
〝たっぷり泡洗顔〟〝泡立てない洗顔〟〝ぬるま湯だけ洗顔〟etc.いろんな洗顔方法がブームですが、いったいどれが正しいの?
洗顔で皮脂を落としすぎると、肌が乾燥してシワになる……と思っていませんか? 吉木先生にその真偽を聞くと「肌を乾燥から守っているのは皮脂ではありません。むしろ皮脂をしっかり落とさないと、老化の原因になります」とのお答え。これはびっくり! 「皮脂が肌の上で膜を作るのは事実ですが、水分を閉じ込める力は少なく、水分は皮脂膜をくぐり抜けて蒸発してしまいます。皮脂は時間がたつと酸化して過酸化脂質に変わり、肌にとってよくないものに。小鼻の毛穴が開くのも、酸化皮脂による刺激がひとつの原因です。朝晩2回、しっかりと洗顔して、不要な皮脂を落としましょう」(吉木先生)
クリームやミルク、泡で出てくるタイプなど、洗顔料にはいろいろありますが、吉木先生のおすすめは、しっかりと皮脂を落とせる固形石けん。石けんは添加物が少なく、トラブルを起こす可能性が少ないからです。もちろん、洗顔フォームにもよいものはありますが、界面活性剤が強いものもあり、見分けがつきにくいので石けんを選ぶ方が無難。
「朝洗顔料を使って洗うと、日中の肌が乾燥してしまう」と思っている人も多いのでは? でも、それは思い込みに過ぎません。寝ている間に分泌した皮脂や夜のスキンケアの油分を石けんで落とさないと、過酸化脂質に変わり、毛穴を開かせる原因に。 。
「『洗顔は泡が命』という間違った常識も、肌の乾燥につながっています」と吉木先生。「泡で肌を包み込むとキレイになれそうな気がしますが、泡そのものに美肌効果はありません。確かに摩擦の負担をかけないために泡は必要ですが、両手いっぱいもの泡は必要ありません。泡立てのときは肌がすでに濡れているので、時間をかけすぎると肌の潤い成分が流出してしまいます」(吉木先生)。泡は手早く作ることを目標に。泡立てネットを使ってもOKです。
片手にこんもりとのる泡があれば、摩擦の負担をかけることなく顔全体を洗うことができます。石けんを手のひらで転がしてから、ぬるま湯を少しずつ加えて手早く泡立てましょう。
泡をまずは皮脂の多いTゾーンにのせ、続けてUゾーンに広げます。肌を卵と考え、割らない程度の力で優しく洗い、皮脂のたまりやすい眉間や小鼻の脇は指の腹で細かく洗って。約20秒で終え、ぬるま湯でヌルつきがなくなるまでしっかりとすすぎます。
吉木先生に聞く 気になる毛穴の黒ずみは、こうやって防ぐ!

洗っても洗っても、気がつくと発生している鼻周りの黒ずみ。頰の開いた毛穴にも、何だか汚れが詰まっている気が……。その原因と対策を、吉木先生に教わります!
毛穴の黒ずみや詰まりは、多くが体質によるものです
クレンジングより洗顔を丁寧に

角栓には酵素洗顔料が効く!
ずっとフレッシュな使い切りタイプ

皮脂を落としながらカサつかない

指で角栓を押し出すのは絶対NG!
意外とわかっていないメークの落とし方。あまりに基本的なケアなので、逆に知識がアップデートされてなかったり、理屈を知らないでいたり。そこで今回は、思いきった意見と「なるほどね」の理論で人気の吉木伸子先生に「吉木流クレンジング論」をたっぷり語っていただきました。さすが面白いです! 是非ひとつの視点として日々のお手入れの参考に。

吉木伸子先生
皮膚科医
よしき皮膚科クリニック銀座 院長。保険診療を行う美容皮膚科の先駆けとして、平成10年に開業。東京で働くOLの肌を見続け、その経験から女性が陥りがちな間違いを指摘し、正しいお手入れを指南する著書を数多く上梓している。TV出演も多い人気皮膚科医。協力一覧+ 撮影/下村しのぶ(吉木先生) イラスト/miya 編集・取材・文/大塚真里
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間違いだらけのクレンジング 記事一覧
- 4 洗顔に潜む間違った常識
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- 1 この洗い方は正しいの?